ギター弾き語りをしている人が作曲をするための方法

こちらのページでは、現在ギターの弾き語りをしている人が作曲をしていくための方法をご紹介しています。

この記事を参考に、是非弾き語りからのステップアップとして、オリジナルソングを作って歌うことに取り組んでみて下さい。

ギター弾き語りができる人は作曲を上手にこなす素質がある

弾き語りは作曲の準備として最適

作曲において、ゼロからメロディやコード進行を生み出していくためには「メロディを考えて形にする力」「ハーモニー(コード)を繋げる力」などが必要です。

ギターでコードを弾きながらその上に歌を乗せていく「弾き語り」は、そのトレーニングになるとも言える行為です。

下記に「弾き語りがいかに作曲に対して有効か」ということをまとめました。

  1. 弾き語りで沢山のコード進行を楽器で演奏できる

    →いろいろなコードを瞬時に演奏して検討できる

  2. メロディを声に出して発することができる

    →メロディを歌いながら作り出すことができる

  3. 沢山のコード進行やメロディ、曲構成を知っている

    →コード進行やメロディ、曲構成の引き出しが多い

これらを踏まえると、既にギター弾き語りに取り組んでいるみなさんは作曲を始めるための準備ができているともいえます。

ギター弾き語り作曲の進め方

初心者向けの作曲手順についてはこちらのページでも解説していますが、ここでは改めてギター弾き語りに特化して解説をしていきます。

前提:歌って作るということ

まず前提として、ギター弾き語り作曲の場合、曲はギターを弾きながら歌って作られます

「弾き語り作曲」であるためこれは当然だと感じられますが、メロディを歌いやすいものにしたり、歌って心地良いものにするためにこの概念はとても重要です。

メロディを声に出して歌いながら作り、同時にギターでコードを弾きながらコード進行が検討され、一曲が仕上がっていきます。

手順(1):キーを決める

既にギターで弾き語りをしているみなさんは「キー」という概念をご存知かと思います。

これらは簡単に言えば「曲の中でどんな音をメインとして使っていくか」ということを意味するものですが、作曲はまずこの「キー」を決めることから始まっていきます。

そのうえで、例えば「『キー=C』で作曲を進めよう」と決めた場合、メロディに使う音は基本的に「ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ(Cメジャースケール)」の七音となります。

また、コードにはそれらをもとにした「Cダイアトニックコード」にある七つのコードがメインとして使われます。

下記は「Cダイアトニックコード」の一覧です。

メジャースケールとダイアトニックコードについて

「メジャースケール」や「ダイアトニックコード」の概念を理解していることで、いろいろなキーによる作曲がやりやすくなります。
メジャースケールの内容とその覚え方、割り出し方、なぜ必要なのか?について ダイアトニックコードの覚え方(割り出し方) ひとまず、こちらでは上記の通り「キー=C」を例として説明を進めていきます。

また作曲に慣れないうちは、メロディに「ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ」が使えて、コードには「Cダイアトニックコード」が使える、ということだけ何となく理解しておけば問題ありません。

手順(2):ギターで「C(I)」コードを弾く

次に、ギターで「Cダイアトニックコード」内にある「一番目(I)」のコードを弾きます。

「C」のコードは「Cダイアトニックコード」の中で最も響きが安定しており、「キー=C」を象徴する「主和音」という役割を持つものです。

まずこのコードを演奏して、「キー=C」であることを体感して下さい。

手順(3):コードにリズムを付け、そのうえで自由に歌う

次にギターで弾いている「C」の演奏にストロークでリズムを付け、伴奏だと感じられるようにします。

ここでのギターストロークのパターンは普段弾きなれているもので構いません。

さらに、その伴奏を背景として自由に歌うことでメロディを考えていきます。

ここで活用できるのが前述の「ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ」の七音です。

キーが「C」だと決められている以上、それらをメロディに使うことで必ずコードに合ったメロディを作ることができます

これは、例えば「ドーミファソ」や「ミミレーミファ」のようなメロディを作って歌うことを指しています。

下記の指板図を参考に「ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ」の音階を把握したうえで歌うと、よりスムーズにメロディを思い浮かべることができるはずです。

メロディを作るコツ

「メロディを自由に歌う」と言われても、慣れないうちはそれが難しく感じるはずです。

以下の記事ではそのコツをまとめていますので、是非参考にしてみて下さい。
作曲初心者向け|作曲超入門(2)メロディを作るためのコツ

手順(4):コードを変える

コード「C」を伴奏としたメロディが思い浮かんだら、次にコードを「C」以外のものに変えていきます。

ここで活用できるのが前述した「Cダイアトニックコード」のその他のコードです。

これは、すなわち下記のようなコード進行を作り出すことができるということを意味します。

  • 「C → F」
  • 「C → Am」
  • 「C → G」

普段の弾き語りと同じ感覚で、作り上げたメロディを歌いながらコード「C」をストロークで4拍や8拍程度弾いたあと、上記のような展開を作る感覚でコードを変えてみて下さい。

手順(5):メロディをさらに伸ばす

「C → F」や「C → Am」などにコードを展開することができたら、次にその伴奏を背景としてまた新たなメロディを考えます

ポイントとなるのは「既に思いついていたメロディを伸ばすような感覚で思い浮かべる」ということです。

「(既に思いついていた)前のメロディを受けて、では次はどんな感じにしよう?」という観点で歌うと、説得力のあるメロディを作っていくことができるはずです。

ここで、普段弾き語りに取り組んでいるみなさんの「コードを弾きながらメロディを歌っていく技術」が存分に発揮されます。

手順(6):さらにコードを展開させ、メロディも伸ばす

これ以降は、コードとメロディをそれぞれに伸ばしながら展開させていきます。

コードが変わったことで新たなメロディが連想され、それにより次なるコード展開が連想される…、というように、コードとメロディがそれぞれに影響し合って徐々に伸びていく形が理想です。

これ以降の流れについて

ここから先、メロディとコードは「Aメロ」などのブロックに発展し、さらに1コーラス~フルコーラスへまとめられていきます。

下記のページを参考に、ブロックや曲形式の概念を把握しつつ作曲を進めてみて下さい。
曲構成のパターン(曲形式)と、それらを意識した曲作りの方法

またコード進行には「起承転結」のように骨組みとなる「ストーリーの形」があります。

説得力があり、かつ聴き応えのあるコード進行を作るために下記のページを参考にしてみて下さい。
作曲初心者向け|作曲超入門(3)コード進行構築のための基礎知識 作曲初心者向け|作曲超入門(4)いろいろなコード進行

動画で解説

以下の動画では、「ドレミファソラシ」でメロディを歌い「Cダイアトニックコード」でコードを付ける、というギター弾き語り作曲を実演しながら解説しています。

こちらも是非参考にしてみて下さい。

まとめ

ここまで、ギターの弾き語りをしている人が作曲をしていくための方法について解説しました。

まとめは以下のとおりです。

  • ギター弾き語りは作曲のトレーニングになっている(作曲の準備ができている)
  • 曲は歌いながら作ることが大切
  • メロディを「ドレミファソラシ」で歌い、ギターで「Cダイアトニックコード」からコードを選んで弾く
  • メロディとコードをそれぞれ徐々に伸ばすように展開させていく

冒頭でお伝えしたように、ギター弾き語りに取り組んでいるみなさんは今すぐにでも作曲ができる素質を持っています。

オリジナル曲を作ることで、既存曲の弾き語りだけでは感じられなかった満足感をきっと得ることができるはずです。

是非楽しみながら、作曲に取り組んでみて下さい!

ギター弾き語りができる人は、純粋な作曲初心者の人たちに比べて数倍良い曲が作れるはずです。

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