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『赤いスイートピー』(松田聖子)

time 2012/05/12

(1982年リリース)

松田聖子さんの代表作、作曲は松任谷由実さんです。完成度の高い曲で、提供曲にまで発揮されるその作曲クオリティはさすがです。

ユーミンブランドの耳なじみの良いメロディは、一見何気ないものに感じられますが、上がる部分や下がる部分、伸ばす部分や切る部分など実はしっかりと意図が込められていて、リスナーの耳にスッと入ってくるように作りこまれていると感じます。

またコード進行構築のセンスも抜群で、和音のつながりや響きによって『スムーズな箇所』と『耳に残す箇所』を盛り込むことで楽曲のドラマがしっかりと演出されています。
(コード進行構築の技術の高さはユーミンのオリジナルアルバムなどでも存分に楽しめます。)

松田聖子さんの歌唱力もこの曲の良さをさらに引き立てていて、さらには松本隆さんの歌詞も良い。発表から二十年以上経った今でもたくさんの人々に愛されている名曲は、やっぱりみんなの技術無くしては存在しなかったんだなと妙に納得させられました。

【良いなと思ったところ】

■Aメロあたまのメロディが特徴的
「春色の汽車に乗って…」は単なるメジャースケールとは違ってどこか民族的で和風な音階を持っている(ペンタトニックのようなスケール)。異国のムードがあって印象に残る。

■メロディ(パート)をつなぐための気遣い
Bメロあたまの「なーぜー」がAメロからの橋渡しの役割をしていたり、Bメロ終わりの「…手も握らない…」がサビを予感させる不安定なフレーズになっていたり、パートをつなぐ部分のメロディがしっかりと作りこまれていてABサビそれぞれが有機的に結びついている、曲全体がまとまる(パートそれぞれが意味のあるものになる)。

■サビの構成とリズム
サビのメロディが『同じフレーズを三回繰り返して最後を変形させる』という構成になっている。

「(I will)follow you」
「あなたに」
「ついてゆきたい」(変形)

また、リズムが「タータタ」とシンプルな形であるため繰り返しによってサビのメロディが印象に残る。

ABメロで二分音符で鳴っていたベースが四分音符になることで躍動感が出る、サビが特別なものに感じられる。

■コード感でのドラマの演出
Aメロあたまのコード進行は「G-Am7-Bm7…」とベースが一音ずつ上がることで「少しずつ進んでいく」というような雰囲気が生まれ、曲の導入部であるAメロのコード進行として効果的だと感じた。

サビ前の「あなたって…」の部分で「B7」が使われていてトニック代理の「Em」を予感させる。メジャー進行の曲で一部分マイナーなムードが生まれることで緊張感が高まる。

サビ明けのA’メロではメロディの最後にトニックであるGに落ち着いて、展開してきたドラマがしっかりと締まる。

■歌詞が良い
「スイートピー」「タバコ」「シャツ」などの小道具で登場人物を身近に感じられて共感が持てる。サビ「I will follow you」は英語でありながら意味が伝わりやすい。

【曲構成の概要】
[キー]G
[構成]A-A-B-サビ-A’
[小節数]イントロ=8(4+4)、A=4、B=4、サビ=6
[パートのメロディの入り方]A=同時、B=前、サビ=前



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著者プロフィール

あつし

あつし

静岡市出身。16歳から独学で作曲を始める。高校卒業と同時に上京後、ライブ出演やインディーズ活動を経て、2006年頃に書いていた作曲ブログを発展させる形で「作曲カウンセリング」を開設する。現在は、自身の作曲教室での指導や、音楽系Webサイトでのコンテンツ作成の仕事なども行っています。ビートルズと柴犬が好き。 [詳細]

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