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『Automatic』(宇多田ヒカル)

time 2012/07/07

(1998年リリース)

宇多田ヒカルさんのデビュー曲です。この曲をレコーディングした当時の彼女の年齢が15歳ほどだったというから驚きです。

まず初めにその歌詞の付け方に衝撃を受けて、また歌唱力やグルーヴや英語の発音まで含め、それまで流行っていた洋楽的な曲やアーティストが全部にせものだと思えてしまうほどそのセンスは完成されていて独特でした。

曲は「和風なメロディ+R&Bのセンス」というようなサウンドで、フレーズを繰り返しながら発展させていく手法は洋楽的ですが、メロディの節回しはどこか演歌や歌謡曲のような雰囲気も持っています。

コード進行も通常のマイナーダイアトニックコードを基本としていながら、時々入るセカンダリードミナントコードが切ない雰囲気を盛り上げていると感じました。

特筆すべきはやはりリズムで、これについては作曲とか構成力というより、彼女の歌い方/リズムの取り方がすべてだと思います。なにげないメロディにこのリズムが加わることですべてが魅力的に感じられます。

この曲を含むファーストアルバムは860万枚以上を売り上げたそうです。やっぱり、本当にいいものはみんな欲しくなるんですね。

【良いなと思ったところ】

■歌い出しの歌詞の付け方
Aメロ歌い出しメロディの歌詞の付け方が独特。

 「な・なかいめの、ベ・ルでじゅわきを…」

耳慣れないリズムで印象に残る。

■Bメロのフレーズ構成
Aメロではメロディに区切りをつけているのに対し、Bメロではメロディが軽快につながっていく雰囲気があって、場面が変わったことがわかる。ドライブ感があって曲に動きがうまれる。

Bメロそのものが似た形のフレーズを繰り返す構成になっていて印象に残る。

■Bメロ最後の締め方
全体にマイナー調のムードがありながら、Bメロの最後は代理メジャーで締められている。変化があって楽しめる。

部分的な明るいムードが「Sun Will Shine…」という歌詞と合っていて、その後のサビからまたすぐにマイナーになるところもいい。

■サビのメロディ
サビ「It’s Automatic…」という、リズムを区切るフレーズが特徴的。Bメロがつながったフレーズで構成されているので対比によって印象に残る。

■サビの音域
サビが低いところから高いところまで幅広い音域で構成されていて、その上下の激しさがドラマティックだと感じた。

■曲全体のリズム感
メロディやアレンジなど、曲全体の跳ねたリズムが体に馴染みやすい。体が動き、歌いたくなる。

【曲構成の概要】
[キー]Fm
[構成]イントロ-A-B-サビ
[小節数]イントロ=8、A=16(8×2)、B=10 サビ=16(8×2)
[パートのメロディの入り方]A=同時、B=同時、サビ=前



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著者プロフィール

あつし

あつし

静岡市出身。16歳から独学で作曲を始める。高校卒業と同時に上京後、ライブ出演やインディーズ活動を経て、2006年頃に書いていた作曲ブログを発展させる形で「作曲カウンセリング」を開設する。現在は、自身の作曲教室での指導や、音楽系Webサイトでのコンテンツ作成の仕事なども行っています。ビートルズと柴犬が好き。 [詳細]

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