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『どんなときも。』(槇原敬之)

time 2012/02/24

(1991年リリース)

デビュー曲でありながらとにかく良く練られた曲で、槇原さんの作曲技術の高さを感じることが出来ます。

使われているフレーズはどれもいきいきとしていて、小さなフレーズを有機的に発展させることで大きなメロディが出来上がっているように感じます。

シェーンベルクが『作曲の基礎技法』という本で提案しているように、この「『モチーフ』を発展させる」というメロディの作り方は作曲の本質をとらえています。「リスナーをひきつける」とか「リスナーを楽しませる」という観点で槇原さんの曲を分析すると沢山のことに気づかされます。

また、リズムの取り方やアクセントの置き方にもいろいろなバリエーションがあって、そのポップな感性はまさに職人だと感じました。リズムだけに注目して聴き込んでみてもいろいろな発見があるはずです。

個人的にはこの曲の歌詞も好きで、「迷い探し続ける日々が答えになる」というような哲学的なメッセージは心にグッと響きます。「どんなときも」というシンプルでストレートな言葉がタイトルでありテーマになっているところも、この曲が愛され続ける理由だと感じています。

【良いなと思ったところ】

■イントロのピアノの音、メロディ
軽快な音とメロディが聴いていて気持ち良い。冒頭の第一印象として曲のトレードマークになっている。

■A/B/サビ、各パートあたまのフレーズがそれぞれ違う性質になっている

 ・Aメロは「ぼくーのー…」という、伸ばすフレーズ
 ・Bメロは「あのどろだらけの…」という、細かく刻んで流れるフレーズ
 ・サビは「どんなときも、」という、歯切れの良いフレーズ
 
それぞれの性質が違っていることで、パートが変わって曲が展開していくことが明確にわかる。かつバリエーションが生まれるため飽きない。

■フレーズがいきいきとしている(前後の関連があるフレーズ)
サビの「どんなときも/どんなときも/僕が僕らしくあるために」というフレーズの並びは「三三七拍子」のようなリズムで、心地よくて歌いたくなる魅力もある。小さなフレーズを有機的に結び付けることで大きなメロディが作られている。

他にも

「ぼくーのー/せーなか/は自分が」
「だーれかに/きかーなきゃ/不安になってしまうよ」
「あの泥だ/らけのス/ニーカーじゃ」

など、ただフレーズをつなげただけのメロディではなく、フレーズそれぞれが引き立て合って結びついているので聴いていて曲に引き込まれていく。メロディに力がある。

■「どんなときも」というテーマ、歌詞
応援歌のようなテーマでリスナーとして素直に共感できる。また語感も歯切れが良く、サビのメロディに合っているためより印象に残りやすいと感じた。

【曲構成の概要】
[キー]F#
[構成]A-A-B-サビ
[小節数]イントロ=17、A=8、B=9、サビ=16(8+8)
[パートのメロディの入り方]A=前、B=前、サビ=同時



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著者プロフィール

あつし

あつし

静岡市出身。16歳から独学で作曲を始める。高校卒業と同時に上京後、ライブ出演やインディーズ活動を経て、2006年頃に書いていた作曲ブログを発展させる形で「作曲カウンセリング」を開設する。現在は、自身の作曲教室での指導や、音楽系Webサイトでのコンテンツ作成の仕事なども行っています。ビートルズと柴犬が好き。 [詳細]

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