(1990年リリース)

映画の主題歌にもなった陽水さんの代表作です。70年代から80年代へアーティストとして進化しながら、90年代に入ってまた新たな音楽性で作られたこの曲からはベテランアーティストならではの安定感と品質の高さが感じられます。

アレンジは全体を通してほぼ「ピアノ+ストリングス」という二つの要素で作りこまれていて、その意味でストリングスアレンジの丁寧な配慮が落ち着いたムードを高めるのに効果的に働いていると感じました。リズム楽器がないため、クラシックのように本質的なアレンジが行われています。

メロディの美しさやコードの気持ち良さはもちろんのこと歌詞も素晴らしく、日本の風情のある夏の場面が思い起こされます。(ちなみに「風あざみ」や「宵かがり」は陽水さんの造語らしいです。)

改めて、メロディとコードが本当に良ければその素材だけで十分に聴かせられるんだ、と感心させられました。

【良いなと思ったところ】
■ピアノとストリングスのみのイントロ
イントロがシンプルで清潔感がある。

■Aメロのメロディの音階
(リズム的な良さよりも)音階的な良さがあって、全体を通して知的な雰囲気があるのが良いと思った。ヨーロピアンなムードがあると感じた。

■Aメロ「わたしのこころは…」の部分
「ドレミファソファミレ…」のように、順序良く上昇して下降する面白さがあって、聴いていて気持ち良い。

■Bメロあたまのコード
「キー=A」で、Bメロの最初に「G#m7(♭5)」が使われている。パート始まりのコードとしてめずらしい響きで印象に残る。

■Bメロのメロディが展開していくところ
冒頭を除いて、展開し続けていくメロディがドラマチック(繰り返しが無いので物語のような雰囲気がある)。

■Bメロ終わりの空白
「~思い出のあとさき…」のあとの無音の部分が個性的で良い。空白の長さを拍に合わせていないところにさらにインパクトがある。

■歌詞の内容
「風あざみ」や「夏模様」「思い出のあとさき」など、詩のような言葉が多用されていて知的なムードがある。

【曲構成の概要】
[キー]A
[構成]イントロ-A-B-A
[小節数]イントロ=4、A=8、B=11(8+3)
[パートのメロディの入り方]A=同時、B=同時


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