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作曲ガイドブック(7)コード進行の重力

安定と不安定

ダイアトニックコードの中でも一番目(I、キーCでいうC)のコードはすべての始まりであり、また終わりでもあり、コード展開の軸となり、響きに安定感があります。

どんな場面でも「I」のコードが鳴ると落ち着いた雰囲気が生まれるため、「I」はコード進行の持つ重力の出発点または着地点と捉えることができて、コード進行は「I」を中心として展開されていきます。

また、それとは反対に、ダイアトニックコードの中の五番目のコード(V、キーCでいうG)には不安定な響きがあり、リスナーに「落ち着かない」という印象を与えます。

コード進行が展開して着地することを考えると、落ち着きがない「V」のコードはコード進行の終着点として適していませんし、展開の始まりのコードとしてもあまり適していないと言えるでしょう。

「V」の響きは不安定なため、落ち着きがない雰囲気を感じさせるのと同時に「落ち着きたい」という欲求をリスナーに呼び起こさせる効果もあって、安定した雰囲気=「I」の響きを連想させます。

「不安定」→「安定」というつながりを考慮すると、「V」のあとに「I」をつなげる「V → I」という構成はコードの重力を上手く操れていて、リスナーに伝わりやすく、秩序のある構成であるといえます。

コード進行の例

「I → V → I」(C → G → C)

コード進行の重力を語るとき、その出発点・着地点となる「I」と、その反対に不安定な雰囲気を持つ「V」、さらにはそれらをつなぎ合わせた「V → I」という構成を理解しているかが鍵となります。基本的なコード進行では、「I」から始まったコード進行はいろいろな展開を経て、その終着点の部分では「V」を経由して「I」に落ち着きます。

前述の「I → V → I」は、世の中にいくつもある多様なコード進行を最も簡潔に表したものであり、コード進行の原点です。ストーリーのあるコード進行を作る場合、そのほとんどは、この「I → V → I」を伸ばしたり、複雑にしたり、またあえて避けたり、など、さまざまにアレンジしたものであるといえます。

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