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作曲ガイドブック(12)曲を発展させる~その3~

わかりやすさへの配慮

リスナーは、潜在的に楽曲の構成を把握しながら音楽を聴いています。フレーズが延びてつながっていくとき、そこに構成面でのわかりやすさがあると、楽曲は捉えどころのあるものになって、その楽曲は親しみやすいものとして認識されます。

構成面でのわかりやすさとは規則性や繰り返しを指していて、フレーズの構成、コード進行、ブロックの小節数などに規則性や繰り返しを設けることで、それらがわかりやすさを生みます。

以下は、わかりやすさに配慮したフレーズと、そうでないものの比較例です。

この例では、一聴して1の方に親しみやすさを感じるはずです。「ドレミ・ドレミ」という繰り返しによって構成に規則性が生まれていて、つながっているフレーズがひとつのパッケージのように、意味のあるものに感じられます。

それとは反対に、2には構成に規則性がないため散漫な雰囲気があって、フレーズのつながりに意味を感じられません。

また、下記はコード進行においてわかりやすさに配慮した構成と、そうでないものの比較例です。

フレーズの例と同様に、1は構成を容易に把握できる反面、2はコードの構成意図がわかりづらく、ただ単にコードが並んでいるだけのように感じられます。

繰り返しにより規則性を持たせる

上記のフレーズとコードの双方の例に共通していることは、ある程度のまとまりを一定の間隔で繰り返している、ということで、これはロック・ポップスの曲構成を考える上での原点となります。

「メロディやコードを延ばして展開させる」という行為には「繰り返してつなげる」という意味が含まれているため、展開を考える際には「どのようにそれらを繰り返しながら延ばしていくか」、という発想のもとに作業を行っていくべきです。

繰り返しの手法にルールは無く、直接的に同じことを繰り返すやり方はもちろんのこと、他にもさまざまな解釈が用いられています。

「コード進行だけを繰り返す、メロディは発展させる」「短いフレーズを繰り返す、コード進行は展開させる」「リズムだけを単調に繰り返す、メロディとコードは展開させる」「4小節以上にまたがるような大きな構成そのものを繰り返す」など、その手法もさまざまです。

さらには、これらを踏まえたうえで、あえて繰り返さない構成を意図的に演出することも頻繁に行われています。

メロディとコードを大きなものへと展開させていく際には、前述した「曲形式」と「繰り返しの概念」を意識しながら、親しみやすい曲にしていくような配慮をもとに構成を組み立てていけると理想的でしょう。(つづく)

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