セカンダリードミナントコードは複数存在する

ダイアトニックコード内には七つのコードが存在していて、「I」以外の六つのコード全てを「仮のI」として想定することが出来るため、それぞれに対しドミナントモーションを作っていくことで計六つのセカンダリードミナントコードを割り出すことが出来ます。

下記はその例として、キーCにおける「I」以外のコードと、それぞれに対するセカンダリードミナントコードをまとめた一覧です。

(例)キーC:「I」以外のコードに対するセカンダリードミナントコードの一覧


これらの中で、「IIm」「IV」「V」「VIm」に対するセカンダリードミナントコード「VI7」「I7」「II7」「III7」(キーCでいう「A7」「C7」「D7」「E7」)は使用頻度が高く、反面で「IIIm」と「VIIm-5」に対するセカンダリードミナントコード(キーCでいう「B7」「F#7」)は、ポップスでのコード進行ではあまり見かけられません。

また、前述したように、それぞれは基本的に「仮のI」とセットで扱われます。(上記一覧中の矢印の進行)

セカンダリードミナントコードはダイアトニックコードと同じ感覚で使用する

セカンダリードミナントコードは前述したような理論的解釈をもととしますが、使用のたびに「仮のI」をもととしたドミナントモーションの成り立ちを考えながらコードを選択していては能率が悪く、あまり実用的とはいえません。

既に述べたように、実際の作曲の中では、セカンダリードミナントコードはもっと直接的に使用されることがほとんどで、具体的には、「I7」「II7」「III7」「VI7」をそれぞれ単なるひとつのコードと捉えて、ダイアトニックコードと同じようにコード進行の中で自由に活用されます。

そのうえで、ドミナントモーションを意識して、そこからつながる「仮のI」を直後に配置して理論的な整合性を取っていくことがほとんどです。

例えば、キーCのコード進行を考えていく中で、ダイアトニックコードの概念をもとに「C → Dm」「C → Am」というようなコード進行を検討するのと同じように、セカンダリードミナントコードとして使える「C7」「D7」「E7」「A7」も次なるコードの候補とすることができます。

コードの進め方として、「C → C7」や「C → D7」「C → E7」「C → A7」なども同じく選択肢として検討できる、ということを指します。

そこから、例えば「C → E7」という構成を検討する場合には、「E7」の後に「仮のI」となる「Am」を配置して理論的な整合性を取っていきます。

また状況に応じて、あえてその直後に「仮のI」を配置しないような構成にすることで、それらを完全に独立したひとつのコードとして使用することも可能ですが(「C → E7 → F」など)、この場合、セカンダリードミナントコードとしての機能のみが残るため、「コードが仮のIに進行しなかった」=「ドミナントモーションが行われずに肩すかしを食らった」というような印象をリスナーに与えます。

この「仮のIに解決しないセカンダリードミナントコード」は、意外性のある構成のひとつとしてしばしば見かけることが出来ます。

セカンダリードミナントコードはダイアトニックコードの七つに次ぐ存在としてポピュラー音楽では頻繁に利用されているため、まずは『「I7」「II7」「III7」「VI7」をダイアトニックコードと同じように使用できる』と覚えて、それをコード進行検討の際に活用してください。

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