制作への行き詰まり、そして事務所通い

約二年半ほどの活動でユニットは解散となり、改めてソロのアーティストとして弾き語りでのライブ活動を再開するようになった私は、その頃になると自分の制作に行き詰まりを感じるようになります。

曲作りに使うコードは前回までの焼き直しで目新しさがなく、コード進行のパターンもある程度のものは使用した経験がありそこからインスピレーションを得られません。思いつくメロディもどこかそれまで作った曲に似たようなものばかりでこれという光るものが生み出せずにいました。高校一年で作曲を始めてからそれまで一度もなくなることのなかった創作欲が、そこで初めて途絶えたのです。

沢山の作曲やライブを経験してきたプライドを持ちながら、もう一方では曲を作ろうにもなかなか作れないもどかしさを感じて、二つの感情の間で不安定な気分を抱えたまま日々を過ごしていたその頃、タイミング良く私はあるきっかけから小さな音楽事務所とやり取りをするようになっていきます。話が徐々に進んでいく中でインディーズながらその事務所の持つレーベルからのシングルリリースを目指すことになり、そこから自分の事務所通いが始まっていきました。

制作のスタイルを変える大きな出来事

事務所通いは主にリリースのための曲チェックを目的としていました。オリジナル曲での音源化を予定していることで、必然的に自分の作品が必要となり、同時にそれを担当者の方に、「音源化できるか」という観点から判定してもらう作業が行われていきます。

それまですべて自分の考えで自分の思うとおりに制作をしてきた私にとって、作品の良し悪しを他人にはっきりと判断されること、また作品に対してアドバイスをいただけるという環境を得たことはとても新鮮でした。そして今思うに、この『オリジナル曲を作り担当者の方にアドバイスをいただく』という一連の作業こそが、自分の作曲に対する取り組み方を大きく変えるきっかけとなりました。

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作曲教室もやっています