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ディミニッシュコード(既存曲での使用例とその解説2)

ドミナントセブンスコードの代理としての使用例

「幸せな結末」 大滝詠一


Aメロ終わり部分にて、ドミナントセブンスの代理となるディミニッシュコードが配置されています。

本来「キー=F」でのドミナントセブンスは「C7」ですが、こちらの例ではそのルート半音上「C#」のディミニッシュコード「C#dim」が活用されています。

「C7」「C#dim」それぞれの構成音は

  • C7=ド、ミ、ソ、ラ#
  • C#dim=ド#、ミ、ソ、ラ#

で、双方に三つの共通音が存在しているため、代理コードとして違和感なく使用することができます。

ドミナントセブンスの利用に比べて、ディミニッシュコードが加わることによって、単調になりがちな「F(I)」への終止部分で個性的な響きが生まれていることがわかります。

また、全体的にコード・メロディともに自然な構成であるため、その部分の不思議な雰囲気が特に際立っているように感じました。

「innocent world」 Mr.Children


Bメロの冒頭部分のコード譜例です。

こちらの例では、ツーファイブ(IIm7 → V7)を前提として本来「F#m → B7」となるところ、「B7」のルート半音上「C」のディミニッシュを活用することで「F#m → Cdim」という形が作られています。

「B7」「Cdim」それぞれに三つの共通音が存在していることは前述の例と同様で、「Cdim」によって独特な雰囲気が生まれていることがわかります。

また特筆すべきはその後のコード展開で、本来ドミナントモーションを前提として「F#m → Cdim → E」という構成が想定できるところを、こちらの例では「E(I)」を「C#m(VIm)」でさらに代理することで、偽終止の構成が作られています。

※「C#m」の直前にはセカンダリードミナント「G#7」が想定できるため、それをルート半音上の「Adim」に代理 → さらには同じ構成音を持つ「Cdim」に代理、という流れをとっている、とも分析できるなど、このコード譜例は捉え方によりいくつかの解釈ができます。

「幸せな結末」での例のように、ドミナントセブンスをそのまま「I」につなげて終止させる場合も、またこちらの例のような偽終止やそれ以外、さらにはセカンダリードミナントを含むいずれの場合にもディミニッシュコードによる代理を検討することができます

一般的なドミナントの響きが単調だと感じる場合には、そのルート半音上にあるディミニッシュコードによる代理がアイディアの一つとなるはずです。 → 理論記事一覧を見る