オンラインレッスンやっています

作曲のコツ | R&B風コード進行の作り方

ここでは、R&B風の、ちょっとオシャレなコード進行ができるまでを解説しています。

※記事最後では動画による実演も行っています。

シンプルなコード進行を変形させることでR&B風コード進行になる

R&Bやジャズなどにおける複雑なコード進行は、そのほとんどがスリーコード等によるシンプルなコード進行が元となっています。

こちらでは、それらシンプルなコード進行がどのように変形して複雑なコード進行になっていくのか、その過程を解説します。

(ここでは、キー=Cとして解説します)

基本形:スリーコード

まず、コード進行の最も基本的な形として、スリーコードによる構成を思い浮かべることが出来るはずです。

下記は、スリーコードのみを使ったコード進行の例です。

C → F → G[I → IV → V]
ダイアトニックコードの中でも、最も安定したコードである「C(I=トニック)」から始まり、「F(IV=サブドミナント)」「G(V=ドミナント)」を経由する、という、シンプルな構成です。

(トニック:安定、サブドミナント:一時不安、ドミナント:不安定)

変形(1):代理コードによるコードの置き換え

次に、上記コードの中にある「F(IV)」を、ダイアトニックコード内の「Dm(IIm)」に置き換えます。

それぞれは、構成音と響きが似ているため、同じ機能(サブドミナント)となり、互いに置き換えて使用することが可能です。

変形前:C → F → G[I → IV → V]
変形後:C → Dm → G[I → IIm → V]
マイナーがひとつ加わることで、コード進行中に少し違った雰囲気が生まれます。

変形(2):セカンダリードミナントコードの挿入

次に、上記コード進行中にある「Dm」に対して、そのセカンダリードミナントコードである「A7(VI7)」を挿入します。

変形前:C → Dm → G[I → IIm → V]
変形後:C → A7 → Dm → G[I → VI7 → IIm → V]
セカンダリードミナントコードは、このように、あるひとつのコードの直前に挿入するような感覚で使用することが出来て、この例では、「Dm」に対するドミナントモーションの形を作っています。

参考 音楽理論 | セカンダリードミナントコードサイト内

ダイアトニックコードのみの構成の中に、それ以外のコード(A7)=ノンダイアトニックコードが加わることで、個性的な響きが生まれています。

変形(3):「A7」以外のセブンスコード化

次に、上記コード進行のうち、「A7」以外の三つのコードをセブンスコード化して、四和音とします。

この場合、ダイアトニックコード内に収まる形で四和音とするため、「C」には「M7」が、「Dm」と「G」には「7」が付加されます。

変形前:C → A7 → Dm → G[I → VI7 → IIm → V]
変形後:CM7 → A7 → Dm7 → G7[IM7 → VI7 → IIm7 → V7]
参考 音楽理論 | セブンスコードサイト内

コードそのものの構成音が三つから四つに増えるため、全体的に響きが華やかになります。

変形(4):テンションの付加

次に、上記四和音構成のコードに対して、テンションを付加します。

ここでは、「CM7」と「Dm7」にはナインス(9)を、「A7」と「G7」にはサーティーンス(13)を付加します。

また、ここでの「A7」と「G7」では、テンションを変形させて使用することも可能であるため、「A7」のみに、サーティーンスを半音下げた「♭13」を付加することとします。

【変形前】
CM7 → A7 → Dm7 → G7
[IM7 → VI7 → IIm7 → V7]
【変形後】
CM7(9) → A7(♭13) → Dm7(9) → G7(13)
[IM7(9) → VI7(♭13) → IIm7(9) → V7(13)]
テンションが加わることで、四和音に比べてさらに音が華やかになり、都会的でオシャレな雰囲気が生れます。

変形(5):Dm7(9)からコード進行を始める

次に、上記コード進行の中で中間部分にある「Dm7(9)」を、コード進行のスタート位置として、全体の構成を組み替えます。

具体的には、下記のような構成となります。

【変形前】
CM7(9) → A7(♭13) → Dm7(9) → G7(13)
[IM7(9) → VI7(♭13) → IIm7(9) → V7(13)]
【変形後】
Dm7(9) → G7(13) → CM7(9) → A7(♭13)
[IIm7(9) → V7(13) → IM7(9) → VI7(♭13)]
もともと、「I=トニック」から始まっていた構成が「IIm=サブドミナント」から始まる構成となることで、さらに個性的な雰囲気が生れます。

番外編:リズムをR&B風のリズムにして演奏する

コード進行そのものの構成に加えて、「演奏の際にどのようなリズムを提示するか」、という点も、そのコード進行が与える印象を大きく左右します。

具多的には、ロックやポップスで扱われるストレートな8ビートのリズムよりも、R&Bで多用する16ビートのリズムとしてコードを演奏する方が、R&B的な雰囲気を与える意味で好ましく、また、テンポもそれに見合ったもの(ややゆっくりなテンポ)にする方が効果的です。

動画で解説

文章ではよくわからない!」という方のために、下記動画でもR&B風コード進行ができるまでについて、実演を交え解説しています。

是非参考にしてみてください。

まとめ

R&B風コード進行がどのような解釈から出来上がっているかについて解説してみました。

ここまでを通して、スリーコードのみによるシンプルな構成が、テンションを含む複雑なコード進行に変形していく流れを、体感していただけたかと思います。

ここまでの解説をまとめると、下記の通りとなります。

  • もとになるコードはスリーコード
  • ダイアトニックコード内でコードを代理する
  • セカンダリードミナントコード等のノンダイアトニックコードを活用する
  • コードを四和音にしたり、テンションを加えたりして、響きを華やかにする
  • コード進行の構成そのものを見直して、個性的な構成となるように検討する
  • 効果的なリズムを使って演奏する

R&Bやジャズなど、一般的なポップス等にない複雑なコード進行を作ろうとするとき、それらを直接的に作り上げようとしてしまいがちです。

その際に、コード進行の基礎が身についていると、その成り立ちが理解できることで、さらにそれを応用したり、目指す曲調に合わせて柔軟に変形して対応することもできるようになります。

まずは、初歩的な練習を通して、シンプルなコード進行を複雑なものへ発展させる感覚を養ってください。

「いきなり複雑なコード進行を作ろうとしない」というところがポイントです。