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出来上がった曲がいまいちだと感じるときのチェックポイント(原因と思われる事項)と7つの改善策

曲がある程度完成した後にいざ聴き返してみると「う~ん、なんだかいまいち…」と感じてしまうことがあるはずです。

でも何がその原因になっているかはなかなかわからないもので、結局そのままにしてしまう、という人も多いのではないでしょうか。

ということで、こちらのページでは完成した曲がいまいちだと感じる時のチェックポイント(原因と思われる事項)とその改善策について解説していきます。

曲がいまいちだと感じる原因の一覧

まず初めに、曲がいまいちだと感じる原因として考えられるものを下記にまとめてみました。

  1. メロディのリズムが単調
  2. メロディの音域が狭すぎる
  3. メロディに空白がない
  4. コードチェンジのタイミングが全部同じになっている
  5. メロディの始め方が全部のブロックで同じになっている
  6. コード進行が同じものばかりになっている
  7. トニックコードを使い過ぎている

多くの場合このあたりに問題があり、それを修正することで曲は魅力的なものに生まれ変わっていきます。

反面で、例えば上記一覧にある「単調なリズムを持ったメロディ」によって曲が魅力的なものになっていることももちろんあります。

これらを考える時は、あくまでも曲のスタイルに沿ってその原因を探り、改善させていくことを前提としてください。

これ以降はそれぞれの原因詳細とその改善策について解説していきます。

曲がいまいちだと感じる原因の詳細とその改善策

1. メロディのリズムが単調

まず「メロディのリズムが単調」という原因が考えられます。

ここでいう「単調」とは、具体的には「一本調子で変化に乏しい」ということを指します。

曲の中にあるメロディのほとんどが同じリズムの形になっていたり、メロディそのものにありきたりなリズムばかりが使われていることなどがその例です。

まずはメロディを「どのようなリズムになっているか?」という観点から確認してみてください。

「メロディのリズムが単調」の改善策

上記を改善するために、曲の中のメロディにいろいろなリズムが使われるよう修正してみてください。

ポイントとなるのは「音を伸ばす」と「音を畳みかける」の配分です。

歌われているメロディを小さな単位に区切った時に、その「伸ばす」「畳みかける」のバリエーションによっていろいろな表情が生まれている状態が理想的です。

それがいわゆる「メロディが活き活きしている」という状態で、そのようなメロディは聴いていて飽きず、また歌いたくなる魅力も持っています。

そして、曲の中のある部分ではリズムの形を穏やかにし、またある部分ではリズムを活発に動かすなどして全体を通してメリハリをつけることも大切です。

穏やかな部分と活発な部分のそれぞれがお互いを引き立て合うように存在すると聴き応えのあるメロディに仕上がっていくはずです。

※メロディのリズムについて詳しくは下記ページをご確認ください。
作曲のコツ | メロディに使われる音符の種類に気を配りリズム的印象を操作する

2. メロディの音域が狭すぎる

「メロディの音域が狭い」ということも、曲がいまいちだと感じられる原因として挙げることができます。

ポップスやロックにおいて曲にはなんらかの盛り上がりが必要になります。

狭い音域の中でうねうねとメロディを動かしているだけでは、やはりリスナーに「地味な曲だ」という印象を与えてしまいます。

反面でメロディに幅広い音域が使われていると、その分メロディにダイナミクスが生まれて「ドラマチックな曲だ」という印象を与えることができます。

「メロディの音域が狭すぎる」の改善策

この原因を改善するためには、まず第一に曲全体を通してなるべく広い音域の音が使われるようメロディを作り込んでみて下さい

そのうえで、サビなどの一番盛り上げたいブロックに高音域のメロディを配置するようにします。

前述の「メロディのリズム」と同じように、「高音域のメロディ」は「低音域のメロディ」があってこそ目立ちます。

そのため、例えばサビに高音域のメロディを配置するとしたら、Aメロなどそれ以外のブロックは低めの音域で作り込むことが望ましいです。

逆に、この場合のAメロにある低音域のメロディは、サビの高音域のメロディによって引き立つのです。

同じことがサビそのものにもいえて、高音域のメロディだけで畳みかけるような構成とするよりも幅広い音域に渡ってまんべんなく音が上下するメロディの方がより理想的です。

3. メロディに空白がない

メロディは常に打ち鳴らしていればいいということではなく、そこには適度な間隔が必要です。

そのため「メロディが詰まりすぎていて空白が一切ない状態になっている」ということも曲がいまいちだと感じる原因として考えられます。

リスナーは曲を聴きながら潜在的に空白を求めているもので、1コーラス中のどこかに明確な「メロディの空白(メロディが途切れるところ)」があるとそこでひと呼吸を置くことが出来ます。

結果としてメロディにメリハリが生まれて、魅力的なメロディだと感じてもらえるのです。

「メロディに空白がない」の改善策

これを改善するために、例えばAメロなど、ゆったりとした雰囲気に作り込めるブロックにはメロディが鳴っていないところを意識的に多く設けます。

既に述べた通り、その空白がリスナーにとって休める部分となり、落ち着いて曲に向き合ってもらえるようになります。

またこの「空白」の観点もその他と同じですが、それがあることで「空白が無い部分」がより際立ちます。

曲の中の特定部分に空白を設けることで、逆に畳みかける部分が際立ちメロディの配置具合にメリハリが生まれるということです。

あわせて、例えばひとつのブロックの中でもメロディが鳴り続けた後にあえて突然空白を登場させたり、アイディア次第でメロディを印象的に聴かせることができます。

※メロディの空白について詳しくは下記ページをご確認ください。
作曲のコツ | メロディに空白を設けて聴きやすさやメリハリを生む

4. コードチェンジのタイミングが全部同じになっている

コードチェンジは、リスナーに「風景が切り替わっていくような雰囲気」を感じさせます。

そのため「一つのコードが何拍鳴ったあとに次のコードに移るか」という要素が、風景が切り替わるリズムのようなものを左右します。

この点が曲の中のすべてのコードにおいて同じになっている(または変化に乏しい)と、「風景の移り変わりが単調」というような印象をリスナーに与えてしまいます。

これは、具体的には「すべてのコードが4拍単位で切り替わっている」というような状態を指します。

「コードチェンジのタイミングが全部同じになっている」の改善策

これを改善するためには、意識的に曲の中でいろいろなタイミングでコードチェンジが行われるようにします。

通常四拍子の曲では、コードは4拍または、1拍、2拍、8拍等で変わることが多いですが、それらをバリエーション豊かに曲の中に盛り込むのです。

と言っても、すべてをただやみくもに盛り込めばいいということではなく、そこにはある程度の規則性が必要です。

例えば、

  • Aメロは4拍単位でシンプルにコードが切り替わっていく
  • Bメロに入ると「1拍・1拍・2拍」というタイミングでコードが切り替わる
  • サビの前半は「2拍・2拍・4拍」で切り替わり、後半はひとつのコードを長く「8拍」鳴らす
というようなやり方が望ましいです。

これをすることで、前述した「風景の移り変わり」にバリエーションが生まれて、曲に聴き応えが生まれます。

5. メロディの始め方が全部のブロックで同じになっている

曲が、例えば「Aメロ」→「Bメロ」→「サビ」と展開していくなかで、それぞれのブロックの切り替え(場面転換)はストーリーを提示するために重要な意味を持ちます。

そして、そのブロックの切り替えを感じさせる要素として、ブロック冒頭にあるメロディの始め方が大きな役割を果たします。

ブロック冒頭にあるメロディの始め方は「ブロックと同時に始める」「ブロックより前から始める」「ブロックより後から始める」という三種に分けることができますが、これが全部のブロックで同じだと場面転換の印象が薄れます。

これは言い方を変えれば「全部のブロックで同じことをやっている」=「メリハリがなく単調な曲」という印象を与えてしまう、ということです。

「メロディの始め方が全部のブロックで同じになっている」の改善策

上記を改善するためには、既に述べた三種の始め方を理解し、それらをバランスよく各ブロック冒頭に配置するようにします

例えば、「ブロックより前から始める」というメロディの形には勢いを感じさせるような効果がありますが、それをサビ冒頭で使うようにします。

そのうえで、Bメロ冒頭では「同時」の形を使用することでBメロとサビの性質が変わり「B→サビ」の場面転換が明確になるのです。

メロディの始め方は三種類しかないためバランスよく配置をするのにも限界がありますが、常にそのような意識を持つことが大切です。

※ブロック冒頭のメロディの始め方について詳しくは下記ページをご確認ください。
作曲のコツ | ブロック冒頭におけるメロディの始め方に気を配り印象を操作する

6. コード進行が同じものばかりになっている

曲がいまいちだと感じる原因として「コード進行が変化に乏しい」ということも挙げられます。

これは、AメロもBメロもサビも、すべてのブロックで似たようなコード進行を使用しているような状態を指します。

ダイアトニックコード内のみでコードを組み立てていると、そもそもコードの選択肢が少ないためこのような状態に陥りやすいといえるでしょう。

「コード進行が同じものばかりになっている」の改善策

これを改善するために、各ブロックごとで同じようなコードの流れにならないようにコードを組み立てていきます

既に述べた「コードチェンジのタイミング」の概念をこれに組み合わせて検討して行くとバリエーションを付けやすいはずです。

またダイアトニックコード内のコードのみによる構成でも、コードの開始点を変えたり、「トニック」「サブドミナント」「ドミナント」のつながりを意識するだけでいろいろなパターンを想定できるはずです。

最も確実なのはダイアトニックコード以外のコード(ノンダイアトニックコード)を活用することで、その耳慣れない響きがスパイスになってコードから感じられる雰囲気が多彩になっていきます。

7. トニックコードを使いすぎている

ダイアトニックコード内の一番目のコード(トニックコード、「キー=C」でいう「C」)は安定した響きを持っています。

そのため、それをあまりに多用すると曲全体のコードの響きが安定しすぎて盛り上がりに欠けるものだと感じられてしまうことがあります。

コードのつながりや響きがぎくしゃくしていると感じる時には、この点に原因があることが考えられます。

「トニックコードを使いすぎている」の改善策

トニックのコードを使用することはコード進行をすっきりとまとめる意味で重要です。

反面で、例えば「キー=C」において一番目のコード「C」を多用して、「C→F→C→G」のような構成ばかりで曲がまとめられている状態はドラマチックな展開を演出するという意味であまり好ましいとはいえないでしょう。

そのような場合には意識的にトニックを減らすようにコードを組み替えたり、トニックの機能は保持しつつも代理コードの概念を活用して一番目のコード以外を活用するようにしてみて下さい。

例えば、前述の「C→F→C→G」を、代理コードを活用して「C→F→Am→G」とするだけでもコードの表情が変わるはずです。

また、特にコード進行が落ち着く部分においてトニックのコードが活用されがちですが、それをサブドミナントのコードで裏切ったり、部分的に転調させたりして回避させることもできます。

この辺りはさまざまな構成が検討できるため、音楽理論の習得と並行していろいろな可能性を探ってみて下さい。

※代理コードについて詳しくは下記ページをご確認ください。
音楽理論 | 代理コード

まとめ

ここまで、曲がいまいちだと感じる時の原因とその改善策についてご紹介してきました。

前提として、曲をなんとなく適当に作っていくと、その仕上がりは「なんとなく適当に作った曲」になります。

考えてみればこれは当然ですが、曲を「いまいち」だと感じないためにはそもそも曲を作る時点でそのための意図を込めることが重要だということを意味しています。

上記でご紹介した改善策を、曲が完成したあとではなく曲を作りながら意識するようにして、納得できる一曲を完成させられるように作曲に向き合ってみて下さい。

「音楽理論」や「作曲の方法論」の知識があれば、作曲を意図的にコントロールできるようになります。