作曲の上達を考える上で、「続けること」は大きな意味を持ちます。
とはいえ、多くの人が継続することの難しさを感じているのも事実です。
こちらではそれを踏まえ、
作曲を続けるコツ
としていくつかの案をご紹介してみます。
作曲を続けるための5つのコツ
1. 作業を定時化/定型化する
まずひとつめに挙げられるのが「作業を定時化/定型化する」というやり方です。
これは、簡単にいえばやるべきことを整理したうえで「この時間にこれをやる」と決めて、あれこれ考えず自動的に作業に取り組むことを意味します。
この、いわゆる「ルーティン化」の概念はビジネス書の時間術などでもよく扱われる有名な概念で、多くの場所で語られるのと同じく作曲活動にも大きな効果を発揮します。
例えば、
- 寝る前に10分メロディ出しをやる
- 晩ご飯を食べ終わったら曲分析を30分やる
- 風呂上がりに必ず15分楽器を弾く
というように、作曲上達につながる行動を生活のサイクルに合わせて定時/定型化することで、それが例えば「歯磨き」や「食事」などと同じく習慣化され、無理なく続けられるようになっていきます。
時間の無駄をなくす
この定時/定型化の概念は、「時間(の使い方)の無駄をなくすこと」とも言い換えることができます。
ダラダラとネットサーフィンをしたりテレビを見たり、作曲と関係のないところに時間を使ってしまうことを避け、有意義な日々の過ごし方ができるようになることで達成感や自己肯定感も高まっていきます。
また、既に述べた通りこれを実施するためには取り組むべきことを事前に整理しておく必要がありますが、行き当たりばったりでやることを決めてそれに取り組むのに比べ、少ない労力でやるべきことをこなしていくことができるはずです。
2. 1回をがんばりすぎない
上記の「定時化/定型化」につながるものとして、「1回をがんばりすぎない」という点もあわせて挙げることができます。
やっていることが楽しかったり、気分が乗っているとやりたい気持ちが高まって1回あたりにすごく時間を使い、必要以上に頑張ってしまうケースは案外多いものです。
しかし、私の経験上それはあまりおすすめできず、むしろ「少し物足りない」というくらいで切り上げる方がやるべきことを毎日続けられると考えています。
これは、具体的には
- 曲作りをやりすぎず1時間程度にする
- 曲分析の曲数を追い求めずに1曲に30分程度の時間をかけてじっくり分析する
などを指しますが、なるべく1回あたりに力を使いすぎず、「またやりたい」と思える程度にとどめておくのが熱意を維持しつつ物事を続けるためのコツです。
続けられる量と時間のバランスを取る
もちろん、本気で作曲上達を目指すうえでは、なるべく多くの時間をそこに費やすべきです。
とはいえ1回あたりを頑張りすぎて息切れしてしまい、やることそのものに嫌気が差してしまっては意味がないため、続けることを前提にするとそのあたりのバランスを取ることが欠かせません。
そもそも、人間の集中力には限界があるため、自分自身の特性やコンディションを踏まえて、最適な量や時間を見極めたうえで取り組むようにしてみてください。
3. 行動できる環境を整える
作曲を続けるためのコツとして三つ目に挙げられるのが、「行動できる環境を整える」という点です。
これは、例えば
- ギターやピアノなどをすぐ触れるところに置いておく
- DTMでの作曲のために常にPCを立ち上げておく
- 思いついたメロディをいつでもすぐに記録できるように楽譜や録音機材を置いておく
などを指します。
こちらも既に述べた「定時化/定型化」につながる考え方で、あらかじめ準備ができていれば、あれこれ考えず即それに取り組むことができます。
環境の重要性
この「環境を整える」という心掛けは、単純なことのように思えて案外奥が深いです。
環境が整っていることで時間を有効に使えたり、また思い立った時すぐ作業に取り掛かれることで熱意も維持できます。
当然のことながら肝心の作曲が伴っていなければ意味がありませんが、続けていくことを目的として、環境の整理に一度きちんと時間を使ってみることをおすすめします。
4. やるべきことを絞る
四つ目に挙げられるのは「やるべきことを絞る」という点で、これは限られた時間を有効に使うのと同時に、作曲や音楽活動全体の質が下がってしまわないようにすることを目的とするものです。
すべてが大事だと思えてしまう
ひとえに「作曲」や「作曲上達につながる行動」といってもやるべきこと・やれることはいくつかあり、またそれらは例えば、
- 弾き語りで歌を作る
- DAWソフトを使ってBGMを作る
- 楽譜によってオーケストラ用の曲を作る
などのように、目的とする音楽のジャンルや作曲のスタイルによっても細分化されていきます。
その一方で、「曲を作る」という点はすべてに共通しているため、自分が取り組んでいること以外についても一概に無視できない、という難しさがあるのも事実です。
作曲を続けていると、すべてのことを上手にこなせなければならないような気がしてくるもので、やることの幅を広げすぎて息苦しさを感じてしまうケースは案外多いものです。
自分のスタイルを定める
作曲を効率よく続けるためには、まず自分のスタイルを定め、それに必要なものを見定めて優先順位をつけ、やるべきことをある程度絞って行動していくのがおすすめです。
それによってひとつの行動の質が高まり、本当に必要なことをきちんと身につけることができるようになっていきます。
あれこれとを手を出しすぎてすべてが中途半端になってしまうより、ひとつのスタイルに特化したほうがより満足感を高めながら作曲を続けていけるはずです。
5. 「継続は力なり」を心に留める
作曲を続けるコツとして最後のひとつに挙げられるのが、
できない自分を許容して、長い目で見て上達を目指す
という点です。
特に、作曲を始めたばかりの頃はメロディを作ってもいまいちなものしか思い浮かばなかったり、また曲全体も盛り上がりに乏しく、自分のできなさ加減に嫌気が差すことも多いはずです。
そんな時に、
今はこの程度だけど、続けているうちにだんだん良くなっていく
と思うことができれば、必然的にそれが作曲を続けるための力になり、また必要以上に落ち込まずに済みます。
あらゆる活動にいえること
実際のところこれはなぐさめの言葉ではなく、他のあらゆる活動にもいえることです。
この点を踏まえ、「継続は力なり」という考え方を心に留めながら前向きに作曲やそれにつながる活動に取り組んでいってほしいです。
まとめ
以下はここまでに「作曲を続けるコツ」として挙げた5点のまとめです。
- 作業を定時化/定型化する
- 1回をがんばりすぎない
- 行動できる環境を整える
- やるべきことを絞る
- 「継続は力なり」を心に留める
これらに加えて、もちろん作曲そのものを楽しむことも欠かせません。
楽しいと思えれば必然的に作曲を続けていくことができて、それによっておのずと上手くなり、自分にも誇りが持てるようになることでさらに続けられるようになります。
これらを、日頃の活動の参考にしてもらえると嬉しいです。
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