作曲上達できる1時間の使い方 隙間時間を上手に使って作曲のレベルアップにつなげる

日々暮らしているとちょっとした時間を持て余すことがあり、そのような隙間時間を有効に使いたいと考えている方は案外多いはずです。

そこで、こちらでは

「隙間時間」を作曲の上達につなげるためにどんなことをするのがおすすめか?

という観点で、具体的な行動内容をまとめてみます。

ここではその隙間時間を1時間と仮定して、「作曲上達できる1時間の使い方」をいくつかご紹介します。

※当記事はこちらのポッドキャストの内容を編集/再構成したものです。

具体的な1時間の使い方案

1. 曲を作る

まずひとつ目は、やはり「曲を作る」という行為です。

これはあまりにも直接的すぎますが、持て余した隙間時間をそのまま曲作りの作業に充てるのが、結局のところ一番作曲上達につながります。

そもそも作曲は作ることを通して上手くなるものであるため、例えば自宅で隙間時間を活用したい場合には、そこで曲作りを強引にでもやってしまうのが最も効率的だといえます。

それを踏まえると、すぐに作曲に取り掛かれる環境を常日頃から整えておくということは思いのほか大切で、楽器や機材を手の届くところに置いて、すぐに音を出して作曲に向き合えるような状態にしておくことが欠かせません。

2. 「フレーズ出し」をやる

上記で述べた曲作りが少し大掛かりだと感じる方や、また時間を持てあました場所や環境によって曲作りができない、けれど少しだけならできる、という場合には「ミニ作曲」のような感覚で、メロディのかけら(=フレーズ)だけをあれこれと考えてみる、ということもおすすめできます。

これは、より具体的には

大きなメロディーの一部を構成する2~4小節程度のような、ちょっとしたフレーズのつながりを短い時間の間に出来る限りたくさん出す

という行為を指します。

メロディー作りは、頭をひねっていちから「なんとしてでも良いメロディを作るぞ!」と意気込んで究極の一本を探す、というよりは、ある程度こだわりつつもいくつかのフレーズを出したうえで、その中から光るものを採用する、というやり方によって組み立てるほうがより効率が良く、心理的負担を和らげながら良いメロディーを仕上げていきやすいものです。

そのため、隙間時間をフレーズ出しに充てるのはとても有効な時間の使いかただといえて、より突っ込んでいえば、その時間に

  • ギターやピアノの弾き語りなどをしながらフレーズを歌ってみる
  • 鍵盤楽器で視覚的に音の位置を確認しながらフレーズを組み立てる

などに取り組むことをおすすめします。

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現在はスマホでピアノアプリなども活用できるので、「鍵盤を使ったフレーズの組み立て」は特に歌の無い曲などを作っている人にはおすすめできます。

この「フレーズ出し」を1時間程度やるだけでも、相当な数の「メロディの卵」のようなものが溜まっていくはずです。

3. 曲分析を丁寧にやる

次におすすめできるのが「曲分析」で、もし1時間の隙間時間があったら、その間に題材として決めた1曲をみっちりと、楽曲の隅から隅まで紐解くつもりで分析してみるのも作曲上達に効果があります。

より具体的には、

  • コード進行
  • メロディライン
  • 曲構成
  • 各ブロック(Aメロ、Bメロ等)の比較
  • 扱われているサウンド
  • 各サウンドがどんなアレンジによって重ねられているか

などを分析できて、さらには、作詞をあわせてやっている人はここに歌詞の分析を加えたり、DTMでトラックまで作っている人はミキシング的な観点から各サウンドの音量バランスやエフェクト、定位などを紐解いてみるのもおすすめです。

これをやることによって曲の成り立ちがわかり、そこで得た分析力や情報をそのまま自分の作曲に活かしていくことができます

この「曲分析」の行為についても、現在ではスマホの音楽プレーヤーとメモアプリなどを使ってイヤホンで音を聴きながら進めていくことができるため、場所を問わずどこでもやれてしまうという良さがあります。

例えば移動の電車の中や、病院の待合室などで1時間程度を持て余してしまうことなどはよくありますが、そんな時に上記で述べたような曲分析に取り組むようにすると、より時間を有効に使うことができるはずです。

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これを踏まえると、本当に再現性の高い隙間時間の使いかたという意味で曲分析が一番現実的なものだといえそうです

4. 音楽を聴く(新規アルバム/プレイリストなど)

上記で述べた「曲分析」ほどきちんとした作曲の視点を持たなくても、ただ音楽を聴くことも作曲上達のために十分効果的だといえます。

中でも特におすすめなのは、その1時間の隙間時間でこれまでに聴いたことがない新規のアルバム(または、サブスク音楽サービスにあるプレイリストなどの音楽のまとめ)を聴き込むようにすることです。

それによって新たな刺激を受けることができて、それを自分の作曲につなげることができますが、より望ましいのはそこで出会った気になるメロディやコードの流れなどを分析につなげることで、作曲的な観点からその曲に向き合うことでそれをきちんと上達に結びつけられます。

こちらも既に述べた「曲分析」と同じく環境を問わずできるものであるため、より現実的な案だといえそうです。

5. 音楽関連の本を読む

次に挙げられるのが「作曲に関連する書籍を読む」という過ごし方で、隙間時間の過ごし方としてはある意味で定番ともいえますが、やはりおすすめです。

ここでいう書籍とは、具体的には音楽理論書や作曲のコツなどをまとめた本などを指し、もちろん作曲に関する学びが得られればどのような本でも構いません。

最近ではYouTubeなどを活用して動画で作曲に関する知識を得ることもできますが、多くの動画は情報が断片的で、10分程度の短い動画を自分から選びにいかなければいけない、という扱いづらさがあります。

一方で、音楽関連の書籍であれば情報がひとつにまとめられていて、ひとまずそれに目を通すだけでも効率よく、かつ体系づけられた情報を知ることができる利点があります。

もちろん情報をきちんと音で確認することも大切で、音源が付属しているような書籍であればそれを聴いたり、また理論書であれば楽器や前述したピアノアプリなどを活用して音を聴きながら理解を深めることをおすすめします。

6. 弾き語りをやる

最後のひとつとして挙げられるのが「ギターやピアノを使った弾き語り」で、音を出すことが必須となりますが、個人的にはかなりおすすめできます。

いろいろなところで述べているように、弾き語りには以下のとおり作曲上達に対してさまざまな効能があります。

  • メロディを歌う練習
  • コードをつなげる練習
  • いろいろなコード進行を音を聴きながら確認できる
  • 曲構成を確認できる(=曲分析)
  • 音感を鍛えられる

1曲を弾き語るだけで上記で挙げたような内容を一度にトレーニングできるという意味で、隙間時間をより効率よく使うことができます

弾き語りは既に挙げた「フレーズ出し」や「曲分析」などを兼ねるような行為ともいえるため、例えば自宅など、音が出せて楽器が手元にあるような環境で時間を持て余してしまった場合、かつ体を動かして楽しみたい時などにはこの弾き語りを中心的に行うことをおすすめします。

まとめ

以下は、「作曲上達できる1時間の使い方」として挙げた項目のまとめです。

  • 曲を作る
  • 「フレーズ出し」をやる
  • 曲分析を丁寧にやる
  • 音楽を聴く(新規アルバム/プレイリストなど)
  • 音楽関連の本を読む
  • 弾き語りをやる

既に述べた通り、この中で「環境を問わずにできる」という意味では曲分析が一番におすすめできますが、それぞれの状況に合わせて、是非上手に時間を使ってみて下さい。

1時間で曲をどこまで作れるかやってみるのも面白そうです。

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