こちらでは、作曲を始めたばかりの人が作曲に挫折してしまう理由とそれを防ぐための対処法をご紹介していきます。
目次
なぜ挫折してしまうのか?
作曲に取り組む誰もが良いメロディ、良いコード進行を使った名曲を作り上げて「これが自分のオリジナル曲だ!」と胸を張りたいものです。
でも初心者の時点ではそう簡単にいかず、多くの人はそこで作曲に対する熱意を失ってしまい作曲に挫折してしまいます。
これは作曲を教えている立場からすると、とても寂しいことです。
では、そんな挫折につながる直接の理由は主にどのようなものなのでしょうか?
以下に代表的なものを挙げてみます。
- 何をやればいいのかわからない
- 自分に厳しすぎる
- 作曲するのが大変だと感じる・楽しめない
- 他にやるべきことがある・時間が作れない
また、これ以外にも以下のような理由から作曲に挫折してしまう方もいます。
- メロディや曲構成が思いつかない
- 作曲のルールや音楽理論を覚えるのが大変
- 作曲する環境が整っていない
- 楽器が演奏できない
これ以降は前述の代表的な4つの理由の詳細と、対応方法のアイディアをご紹介します。
1. 何をやればいのかわからない
まず一つ目は「そもそもどのように作曲を行えばいいのかがわからない」という理由です。
確かに、やることがはっきりしていないと気持ちもモヤモヤしますし、やる気も起きないものです。
「何をやればいのかわからない」の対処法
この理由への対応方法は簡単で、「作曲を学ぶ」ということに尽きます。
現在はネットがあり、Webサイトや動画などを通して無料で作曲を学ぶことができます。
また、作曲関連の書籍もとても充実しておりそれらを活用することもできるでしょう。
具体的な不明点があった場合には「Yahoo!知恵袋」のような質問サイトを活用したり、SNSで誰かに質問を投げかけることもできます。
一人ではいまいち理解できない場合には音楽教室に通ったり、私が企画しているような勉強会を活用してもいいでしょう。
いずれにせよ、「わからない」という理由で挫折しそうになっている場合には作曲を学ぶことで次第にそれが解消されていくはずです。
2. 自分に厳しすぎる
二つ目は「自分に厳しすぎる」という理由です。
これは、自分の作り上げる曲がいまいち盛り上がりやインパクトに欠けるものだったり、幼稚なものだと感じてしまう、という状態です。
作曲に慣れていない段階では本来そのような曲しか作れないものですが、そのような人の多くは「自分にはセンスがない」とか「こんな低レベルなものを作っていてはダメだ」と必要以上に自分に厳しくします。
「自分に厳しすぎる」の対処法
この場合の対処法は、「自分のやっていることを認めてあげる」ということです。
これは「曲を作り上げることができた自分に誇りを持つ」とも言い換えることができます。
どんなにシンプルな曲でも、ゼロからメロディを生み出し、ゼロからコードをつなげ、曲展開を考えることができているのです。
これは、それ以前の「作曲をやったことがない状態」を抜け出て「曲を作れる状態」にステップアップできたということを意味します。
昔のあなたと同じように「作曲をする」ということに対して憧れを持つ人からすれば、それはとても素晴らしいことです。
作品の質はさておき、まずはそのことを噛みしめて、自分を誉めてあげてみてください。
この点については、以下のページでも詳しく解説しています。
作曲初心者にありがちな「作曲が進まない」の対処法|いきなり「しっかりした曲」を作ろうとしないほうがいい
また、「自分の作る曲はいまいち」とか「自分にはセンスがないのかも?」という疑問は、作曲を続けていくと徐々に解消されます。
ここでいう「作曲のセンス」とは、いわば「経験値の差」です。
沢山の経験を重ねることで必然的に作曲できる力が身に付いていきますので、焦らず楽しみながら作曲を続けてみて下さい。
「作曲のセンスがない」は経験値の差|音楽経験を沢山積んで作曲センスを身に付ける
3. 作曲するのが大変だと感じる・楽しめない
三つ目の理由は「作曲するのが大変で楽しめない」というものです。
憧れを抱いて始めた作曲もいざやってみると思いのほかうまくいかず、楽しさ以上に困難さを感じてしまうことがあります。
特に作曲に慣れていないうちはわからないことだらけで、メロディやコード進行をスムーズにつなげることができず労力も大きいです。
「作曲するのが大変だと感じる・楽しめない」の対処法(1)
この理由への対処法としてまず考えられるのが、「経験を重ねるほどに大変さが緩和される」と知る、というものです。
何ごとにおいてもそうですが、やり始めは何かと苦労を感じるもので、そこから経験を重ねていくにしたがって徐々にその苦労が減っていきます。
いまは大変でも、「慣れれば大変だと感じなくなる」と考えれば、それを上達への過程として捉えることができるはずです。
その苦労が「誰もが必然的に感じるもの」だとわかれば、なんとか乗り越えることができるのではないでしょうか。
「作曲するのが大変だと感じる・楽しめない」の対処法(2)
この理由に対するもう一つの対処法は「思い切って作曲をやめる」ということです。
上記の「経験を重ねるほど…」という対処法よりも、実はこちらのほうが現実的かもしれません。
音楽が好きで本当に作曲をやりたいと思っている人は、実際は初期の大変さすらも楽しめてしまうものです。
現在作曲そのものに対し「ああ大変だ」「全然楽しくない」という気持ちで向き合っているのであれば、あなたにその特性がないのかもしれません。
そうであれば、無理して作曲を続ける必要はありません。
楽しいと感じられないないものに時間を使っているほど人生は長くないのです。
もっと自分に合った、心底楽しいと思えるものに打ち込んでいきましょう。
そして、この場合の「作曲をやめる」は「挫折」ではなく「方向転換」であると私は考えます。
4. 他にやるべきことがある・時間が作れない
最後は「他にやるべきことがあったりして時間が作れない」というものです。
作曲を通して一曲作り上げるにはある程度の時間が必要です。
それが慣れない段階となればなおさらで、メロディを考え、コードを考え、曲全体の構成を考えてしっかり曲を作ろうとすれば、少なくとも数日はかかります。
仕事が忙しかったり、家庭の事情などによって時間を作ることが困難な場合にはやはり作曲を継続させることは難しいでしょう。
「他にやるべきことがある・時間が作れない」の対処法
この理由に対する対処法は、まず作曲の優先順位をはっきりとさせることです。
そのうえで、変わらず作曲を続けていきたいと考えたなら、なんとか時間を捻出する以外に方法はありません。
この辺りは「時間術」「ライフハック」というような分野に分類される概念になるかと思いますが、ネットや本などで情報を得て自分なりに時間を作る努力をしてみてください。
また、作曲の優先順位がとても低いという結果になった場合には、既に述べたように「思い切って作曲をやめてしまう」ということも考えられます。
「DTMによって作曲を始めた」ということが根本的な原因になる場合もある
作曲に挫折してしまう根本的な問題として「DTMによって作曲を始めている」ということも考えられます。
現在では誰もが気軽にPCやスマホを使って音楽制作に取り組めるようになりました。
作曲への敷居が下がった、という点でこれは喜ばしいことなのですが、気軽に始められる反面でいわゆる「データを使った作曲」に馴染むことができず、作曲に挫折してしまうというパターンがよくあるのです。
データによる作曲は音感がつかみづらい
楽器を使って実際に演奏したり歌ったりしながら作曲すると、体の動きが直接的に音となります。
一方で、PCやスマホを使った作曲では音を鳴らす前に「データを打ち込む」という過程が必要になるため、音感をリアルタイムでつかむという意味で劣ります。
作曲の経験が豊富な人間であればそれでも対応することはできますが、作曲に慣れないうちはこれが思いのほか大変で、音をデータとして扱いながら作曲するということに苦労を感じる人が多いようです。
この点についての詳しい考察は、以下のページでも行っています。
作曲をするために楽器は必要?DTMを活用した作曲との違いとは
この「DTMによって作曲を始めた」という理由は、前述の「作曲するのが大変だと感じる・楽しめない」にも通じるものですが、この場合の対処方法は、やはり「楽器を練習すること」に尽きます。
そのうえで少しでも楽器を使った作曲を経験することで音感が養われ、次第に作曲する感覚が身に付いていくはずです。
楽器の経験が少ない人がピアノを使って作曲する方法について解説した以下のページを是非参考にしてみて下さい。
【ピアノで作曲!楽器が弾けなくても大丈夫】作曲初心者がピアノやキーボードで作曲する方法
まとめ
ここまで作曲に挫折してしまう理由とそれを防ぐための対処法をご紹介してきました。
憧れを持って始めた作曲が思いのほかうまくいかず、なんとなく挫折してしまったという人は案外多くいるものです。
上記を参考に是非前向きな姿勢で作曲に取り組んで、挫折を乗り越えて「作曲って楽しい!」と感じてもらえたら、作曲を教えている立場としては嬉しい限りです。
補足
上記に関連して、「ではどのように作曲を学習していけばいいのか?」という点について以下のページで解説しています。
【作曲を独学で進めるときの勉強方法】これをやれば作曲は上手くなる!「上達に欠かせない5つの柱」とは?
作曲が上達する「曲分析」について知る
