質問「コード進行を作れるようになるにはどうすればいいですか?」→ヒット曲のコード進行を真似して、それを理論的に解釈できるようになりましょう

日頃から作曲の先生として活動していると、いろいろな人から、

「コード進行を作れるようになるにはどうすればいいです?」

という質問を受けます。

思いのままに自分一人の力だけでコードをつなげていけるようになるにはいくつかのやり方がありますが、特に私がおすすめしている二つの方法があります。

その点について、こちらで改めて考えてみたいと思います。

コード進行を作れるようになる二つの方法の概要

冒頭の質問「コード進行を作れるようになるためには?」に対する私の回答は、

  • ヒット曲のコード進行を真似しましょう
  • それを理論的に解釈できるようになりましょう

の二つです。

上達の方法は複数ありますが恐らくこのやり方が一番能率が良く、かつきちんと技術が身につきます

ポイントとなるのは

まずは真似から始める→その後にそれを理論的に捉えられるようになる
という手順を踏むことです。

それぞれについて、詳しくはこれ以降で考えていきます。

1. ヒット曲のコード進行を真似する

「コード進行を作れるようになりたい」と考えて、いろいろな勉強をしたり、とにかくゼロから自分でコードを作り出そうとする人も多いはずです。

しかし、私が一番におすすめするのはそういった自力での努力ではなく「真似」で、これは言い方を変えれば「パクる」とも表現することができます…。

「パクる」は若干響きが悪いので、ここでは「流用する」としましょう(笑)
これを実施するうえで、なかでも多くの人が知っているヒット曲のコード進行などはその題材として最適です。

一見すると本流だと思えないこのやり方も、実はすごく理にかなったコード進行の学習方法なのです。

結果が出ているお手本を使う

そもそも、ヒット曲のコード進行は「結果が出ているお手本」のようなものです。

そのコード進行によって多くの人が「ああ良い曲だな」と感じている、ということはそこに良いコード進行である理由のようなものが詰まっているということです。

結果的にそれが最良の学習材料になるのです。

そのまま使ってメロディだけを考える

ここで私が述べている「真似る」とは、コード進行をそのまま自分の曲に流用することを指します。

ただメロディまでも同じようなものにしてまうと完全なる盗作になってしまうので、メロディのみは自分で考えるようにして下さい

point
  • ヒット曲のコード進行をそのまま流用する
  • そのうえで、メロディのみを自分で考える

コード進行を流用する範囲は…、例えば一曲まるまるでもいいです。

…これはかなり極端な例ですね(笑)。

現実的なところでは、

  • 曲の冒頭部分の数小節を「A」という曲から…
  • その次のブロックを「B」という曲から…

のような調子で、いくつかの曲を参考にするやり方が想定できます。

流用したコードのうえにメロディを乗せるコツ

コード進行があってもその上にメロディを乗せることが難しい、と感じる方もいるはずです。

そのような時は、まずそのコード進行を流用した曲のキーを明らかにし、そのキーのメジャースケールをメロディに活用するようにしてみて下さい。

このあたりについて、詳しくは以下のページにて解説しています。
コード進行から作曲する方法(特定のコード進行をもとにメロディを考えて曲を発展させる)

いくつかの曲を、「流用したコード進行」で作りきる

上記の手順を通して、実際に曲を完成させ、それを何曲か繰り返してください。

もちろん、一部に自分のオリジナルな構成を含むのも良いですし、「Aメロは自分で作る、サビのコード進行だけ他から流用する」というやり方でも問題ありません。

いずれにせよ曲をきちんと作り切り、かつそれを何曲も経験することでさまざまなコード進行のパターンを「使った経験」として蓄えるようにして下さい。

2. 作った曲のコード進行を理論的に解釈する

ここまでにご紹介した状態を経て、次のステップとしてそこに理論的な解釈を入れていきます。

理論的な解釈が入ることで初めてそれを作れるようになる

「コード進行を作れるようになる」を実現するにあたり、この「理論的な解釈」が最も重要です。

なぜなら「理論」とは「仕組み」であり、それを把握できることは「生み出せる」ということにつながるからです。

英会話で例えるなら、

コードを流用して作曲すること
=「例文をそのまま使って会話をする」ということ
それを理論で解釈すること
=「その例文にある単語の意味や文法を把握する」ということ
というように捉えることができます。

後者が備わっていないと、やはり英語を自由に操ることはできないのです。

「理論的な解釈」を実現するのは、やはり音楽理論の知識

この「理論的な解釈」を行うためには、当然のことながら理論の知識が必要です

つまり、音楽理論の勉強を別途する必要があるということです。

少しずつ、順を追って知識を入れることが大切

ここで「うわ~音楽理論かあ…」と拒否反応を示してしまう人もいるかもしれませんが、知識を得るうえでポイントとなるのは「基礎から順を追って、少しずつ」という点です。

一見すると難しそうな理論も、すべては基礎という土台の延長線上にあるものです。

基礎を着実にこなして、自分のペースで学習を進めていけば必ず理解することができるはずですので、その点に注意して進めるようにして下さい。

※関連ページ
「音楽理論がわからない…(難しいと感じる)」をどう解決していくべきか|初心者が音楽理論を学習するコツと心構え

流用したコード進行を理論的に解釈

冒頭で述べた通り、ヒット曲に使われているコード進行は、いわば「お手本」です。

それを理論によってきちんと解釈するという点に意味があり、かつ「それを(作曲に)使ったことがある」という経験によって理解はさらに深まります

point
  • 音楽理論の勉強を、基礎からきちんと行う
  • それをもとに、流用して使ったことのあるコード進行を理論的に解釈する

コード進行分析は音楽理論習得方法そのもの

そもそも「特定のコード進行を理論的に解釈すること」は、音楽理論の理解を深めるために最も効果的な行為です。

単なる概念として存在している「理論」というぼんやりしたものを、実用的な形で体感することがその理解を深めるのに最も適しているのです。

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このページのテーマは「コード進行を作れるようになるには?」という点を解決することですが、それは「筋道を立てて、きちんとした解釈の元にコードのつながりを生み出すことができる」ということを意味します。

つまるところそれは、「コードをつなげていく際に論理的な思考が持てるか」ということを意味するのです。

結果的にどうなるか?

コード進行を作れるようになるための二つのステップについてここまで解説してきました。

そのうえで、では実際のところ本当にこれらに取り組むだけで「コード進行を作れるようになる」を実現できるのでしょうか?

それはやはりその人の努力次第というところが大きいですが、しっかりと数をこなし、作曲と理論の勉強の双方を継続してこなしていけばほとんどの人がおのずと魅力的なコードのつながりを作れるようになっていきます

前述したように、まずは完全なる「真似」から始まりますが、それが

作った曲にあるほとんどのコード進行が他の曲から流用したもの
という初期の状態から、
AメロとBメロは自分でコードを組み立てることができた、サビは他の曲からコード進行を流用した
となり、結果的に
ワンコーラス通して、すべてのコード進行を自分の力で組み立てることができた
という状態へと着実に変化していくはずです。

特に重要なのが、やはり音楽理論学習の進め方その理解度です。

これには、以下のページも参考にしてみて下さい。

※関連ページ
音楽理論を知りたい人のための「学習の見取り図」※独学に活用できる「音楽理論の何をどの順番で学べばいいか」のまとめ

「流用」という経験を経て、そこから知識を蓄え、それを理論的に解釈することで自分のものにする、という手順は、考えてみるとすべてのことに通じる「上達に向けた最も効率のいい手順」といえるかもしれません。

確固たる技術を身につけて着実に上達していきたいというひとは、是非上記の手順や概念を参考にしてみて下さい。

コード進行を理論的に解釈できるようになると、コード譜を見るのが楽しくなります。