「作曲できる人」の特徴を探る【作曲の先生が見てきたリアルなデータ】|どんな人が作曲に向いているのか

作曲の先生として活動している内山です。

日頃からいろいろな人の作曲活動を見ていると、

  • 〇〇な人は作曲ができる(上達できる)
  • ××な人はなかなか作曲ができない(上達できない)

というデータのようなものが見えてくるものです。

これに通じる内容について、先日ツイートでも以下のように述べています。

以下、作曲の先生を9年くらいやってきて得たデータです。

・音楽が大好きでも曲を作れない人はいる

・音感やリズム感は作曲センスおよび上達に関係ない

・作曲できる自分に誇りを持てるかが上達に大きく関連する

・分析的な視点を持てる人ほど上達する

・最も作曲の原動力になるのは創作欲求

こちらのページでは、それぞれを踏まえて

「作曲できる人」とはどのような人なのか?(「作曲できる/できない」を分けるものとは何か?)

について、考えてみます。

「作曲できる人」の特徴

前述のツイートにもあったように、「作曲ができる=上手くなっていく」という点につながる要因は、私の先生としての経験上いくつかあります。

ツイートをもとに、その点についてより詳しく解説します。

1. 最も作曲の原動力になるのは「創作欲求」

まず、何を差し置いても一番に強調したいのがこの「創作欲求」についてです。

これは、簡単にいえば「曲を作りたい!」という強い熱意のようなものを指します。

作曲ができるか・できないか、また作曲を始めたあとに上達していけるかどうかの土台となるのがその熱意です。

私自身の経験からいえること

そもそも「曲を作る」という部分だけに着目すれば、作曲は本来とても原始的な行為です

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自由に鼻歌を歌うことも、ある意味で「作曲」だと解釈できます。

本当に作ってみたいという気持ちがあればどうにかして曲にしていくことはできるもので、これは私自身の経験からもいえることです。

以下のツイートでも述べている通り、超初心者時代に私がやっていた作曲方法はかなり強引なものでした。

【私が超初心者時代にやっていた作曲法】

鼻歌でメロディを歌う

それを忘れないように録音

録音を流しつつ歌いつつ…

メロディに合う!と感じるコードを探す

(メロディの音を元に)

さらに次のメロディを歌う…

ここまでの流れを繰り返して発展

知識ゼロでもこれで結構曲が作れました

ここで述べている通り、鼻歌でまず自由にメロディを歌い、そこになんとかハーモニー(コード進行)の伴奏をつけ、どうにかして一曲にまとめていく、というのが当時の私のやり方でした。

誰に教わったわけでもなく、もちろん知識もゼロ、今思えばかなり強引なやり方ですが、それでも何曲も作れました

この時の私の行動を支えていたものは、

「どうしても曲を作りたい!」

という欲求のみです。

作曲初期の困難を乗り越える原動力になる

この「作りたい」という欲求は、言い方を変えれば

作曲初期に体験するいろいろな困難を「楽しい」(やりがいのあるもの)と感じられるかどうか

につながります。

慣れない頃はとにかくメロディを作るのも、ハーモニーを作るのも、また曲を展開させて一曲にまとめていくのも、なにかと大変だと感じるものです。

反面で、そこに創作の欲求があればそれらの行為自体も楽しめて、なんとかそれを乗りこなそうと奮闘できるものです

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私が先生としてこれまでに見てきた作曲初心者の人たちも、この「創作欲求」が強い人ほど初期の難しさを楽しんでいます

これらを踏まえると、直接的に

「作曲できる人」=「作りたいという欲求を強く持っている人」

とも言い換えることができてしまいそうです。

※関連ページ なぜ、曲が作れない(作れなくなった)のか?|根本的な理由は「熱意がないから」です。

2. 分析的な視点を持てるかどうか

「作曲ができる/できない」を分けるもう一つの要因となるのが「分析的な視点を持てるかどうか」です。

「分析」というとすごく大げさなことのように感じられてしまいますが、より簡単にいえば

「曲(音楽)ってこうだよね」

というビジョンを持てるかどうかが作曲できる・できないに大きく関係する、ということです。

「楽曲」のあるべき姿をすぐにイメージできるか

作曲は文字通り「曲を作ること」であるため、そもそも「曲とはどのようなものか?」をある程度把握しておく必要があります。

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作るべき対象の姿やイメージが定まっているほど、それを自分でも生み出しやすくなります。

この感覚は日頃から沢山音楽を聴くことで磨かれますが、具体的には、

  • メロディとはこのようなもの(音階、リズム、流れなど)
  • ハーモニーとはこのようなもの(響きの違い、落ち着く感じ、響きが作り出す波のようなもの、など)
  • リズムとはこのようなもの(アクセントの場所、曲の速さ、など)
  • 曲構成とはこのようなもの(サビがある、イントロや間奏がある、など)

などの感覚を持ちながら曲を聴けているかどうかがポイントとなります。

上記に挙げたようないくつかの点を、例え潜在的にでも感じながら曲に向き合えているほど、それを自分でも作り出すことができるようになるのです。

「曲のイメージ」は演奏や歌を通してより深く理解できる

「作曲できる/できない」を考えるにあたり、よく

「楽器演奏の経験があると作曲に有利」

と言われたりしますが、これはまさに「曲のイメージを持てている」という点につながるものです。

楽器を演奏することや、また歌うことなどは

「曲を自分自身で表現すること」=「曲の成り立ちを紐解き、自分自身で組み立て直す行為」

ともいえます。

それらを経験することで、曲のイメージを体感したり頭に思い描くことができるようになります。

つまり、演奏や歌を通して曲を分析的な視点で聴くことができるようになる、ということです。

センスや音感とはまた違うもの

また、ここで述べている内容は、ある意味で「音楽のセンス(=音感)」などとも捉えることができそうですが、冒頭のツイートでも述べた通り、私の経験上それとはまた違うものだと考えています

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それよりも、もっと「分析的」なもので、言い方を変えれば「論理的(構造的)に音楽を捉えているかどうか」です。

これを踏まえると、ある意味でこの部分は努力によっても補うことが可能で、具体的には「分析的視点」を持って曲を聴くこと=曲を分析することでその感覚を身につけることができるようになります。

同じような理由から、物事を分析したり論理的な観点で捉えることが得意な人は「作曲できる人」により近いといえそうです。

※以下のページでは、この「曲分析」についても解説しています。 「曲分析マニュアル」のご紹介

3. 作曲できる自分に誇りを持てるかどうか

「作曲できる人」の特徴としてさらに挙げられるのが

「作曲できる自分に誇りを持てるかどうか」

です。

これは、既に述べた「創作欲求」にもつながる点ですが、主に作曲を続け、それを上達させていくことができるかどうかを分けるものだと考えられます。

「音楽を作れる」という誇りが「できる」につながる

上記でも解説した通り、作曲は本来とても原始的なものであるため、ほとんどの人がなんとなく見よう見まねでもやれてしまいます

そのうえで、それを本当の意味で「作曲できる」状態にしていくのが

  • 作曲を続けること
  • 作曲をより質の高いものにしていくこと

の二点です。

この行動を支えるのが、ここで述べている「誇りを持てるかどうか」で、これは他のあらゆることにもいえることです。

ものすごく簡単にいえば

  1. 音楽が好き
  2. その音楽を作れる自分を誇らしいと感じられる

という2点が「作曲できる人」の特性として欠かせないのです。

それらが上記で述べた「創作欲求」を生み、音楽を「分析的な視点」で読み解こうとする探究心を生みます

まとめ

以下は、ここまでに述べた「作曲できる人」のまとめです。

  • 「曲を作りたい」という欲求がある人
  • 音楽に対して「分析的な視点」を持てる人
  • 作曲できる自分に誇りを持てる人

既に述べた通り、このうち「作曲できる/できない」を分けるものとして何よりも重要なのが「創作欲求」です。

裏を返すと、いくら分析的な視点を持てていても、また音楽が大好きでも「曲を作りたい」という気持ちが無ければ「作曲できる人」にはなれないものです。

現在、作曲ができないことに悩んでいたり、また「できる/できない」の違いはなんだろうと考えている場合には、是非このあたりを参考にしてみて下さい。

「作りたい」けれど作れない人は、分析をしてみると道が開けるかもしれません。