作曲のコツ|コードの機能を各ブロック冒頭・末尾で意識して聴き応えのある構成を演出する

こちらのページでは、曲の中にあるブロックの冒頭および末尾においてどのような機能を持ったコードが扱われるか、という点を解説していきます。

※コードの機能について
ダイアトニックコードとスリーコード(成り立ちとコードの役割などについて)

今回は、例として「Aメロ→Bメロ→サビ」の曲形式を取りあげていきます。

またページの中で使用される、コード機能の種類である「トニック」「ドミナント」「サブドミナント」それぞれの意味は以下の通りです。

  • 「トニック」=安定(落ち着く)
  • 「ドミナント」=不安定(落ち着かない)
  • 「サブドミナント」=一時不安(少し落ち着かない)

聴き応えのある曲を目指すために、是非参考にしてみて下さい。

Aメロは「導入部」

Aメロの冒頭

Aメロは導入部であるため、静かで安定感のあるブロックとして作りこまれるのが一般的です。

リスナーがゆっくりとその曲に入り込んでいけるようなムードを提示するため、Aメロの冒頭では「安定」の機能を持つトニックのコードが頻繁に使用されます。

また、あえて「一時不安」=サブドミナントの機能を持つコードを配置してインパクトを与える、というやり方も選択できます。

サブドミナントはトニックよりも落ち着かない響きを持っています。

トニックに比べて個性的なサウンドを演出できる分、安定感がないためはっきりとした意図を持ってコード進行をまとめ上げていくことが求められます。

Bメロの末尾

「Aメロ→Bメロ→サビ」形式の場合、その後に控えるBメロにつながるようなコードを用いる手法が考えられます。

Bメロ冒頭のコードに対してドミナントモーションを作るようなコードは、リスナーに「次を聴きたい」という印象を抱かせる為、Aメロ末尾のコードとして効果的です。

またAメロは提示部とも捉えることができるため、ブロック単体で雰囲気が完結してしまってもそれほど不自然に感じられません。

そのため、Aメロ末尾にトニックのコードを配置して展開を一旦落ち着けるやり方も考えられます。

コード進行の安定感や使い勝手の良さを求める場合には、こちらの手法のほうが扱いやすいはずです。

Bメロは「サビへの掛け橋」

Bメロの冒頭

Bメロは展開を感じさせるブロックです。

その為、冒頭には多くの場合トニックのコード以外が配置されます。

中でもサブドミナントのコードは頻繁に用いられます。

サブドミナントのコードであるダイアトニック内の「IV」を配置する場合には、Aメロが「I」で締めくくられていた場合に「I → IV」という強進行の形となります

※強進行解説ページ
強進行について(ドミナントモーションの元になる力強い音の動き・ツーファイブなど)

これ以外にも、あえて安定した雰囲気を提示する場合にはトニックを使用することもできますが、Aメロをトニックから始めている場合には似たような印象を与えてしまうことになります。

そのような場合には、その他の性質(メロディに使用する音符の種類やコードの長さ、空白の多さなど)をはっきりと変えていくことで差別化ができます。

または、あえてAメロと同じムードで作り込んでいくこともできるでしょう。

Bメロの末尾

「Aメロ→Bメロ→サビ」形式におけるBメロの末尾は、サビを聴かせるための準備部分となる重要なポイントです。

いかにしてサビにつなぐか、という構成上の配慮が求められ、その手法は一概には言い切れません。

一般的にはBメロの末尾にドミナントコードを配置して、その不安定な響きを活用しながらサビ冒頭のトニックコードにつなぐ、という構成が一番シンプルでリスナーに伝わりやすいとされています。

サビは「曲の象徴」

サビの冒頭

サビの冒頭にはトニック「I」のコードがよく用いられます。

これは、ブロックを安定感のあるコードから始めることで、その後の印象的な構成を作るための土台とできるためです。

前述したようにBメロの終わりをドミナントコードにすることで、サビへのつながりにドミナントモーションが活用できて、勢いをつけたままサビを始めることができます.

変わり種として案外多く用いられているのがサブドミナントのコードです。

トニックとは少し違った雰囲気を持っているため、サビ冒頭を印象付ける意味で効果的です。

この例の場合にはその後の構成の中であえてトニックを排除して、サビ全体を動的なものとして作り込んでいく手法がよく見かけられます。

サビの末尾

AメロからBメロ、サビを経由して締めくくりとなるのがこの部分です。

リスナーに「落ち着いた」という印象を持たせるために、サビの末尾にはトニック「I」がよく使用されます

「V7→I」というような、ドミナントモーションによってサビの最後に安定感のある「I」のコードを提示することで、曲のストーリーが無事に完結したという印象を与えることが出来ます。

この反面で、「I」の使用があまりに普通だと感じる場合には、同じトニックの機能を持つ「VIm」を使用することも検討できます。

他にも、あえてサブドミナントのコードを使うことで個性的な構成を提示することも出来ます。

まとめ

ここまで、ブロックの冒頭および末尾においてどのような機能を持ったコードが扱われるか、という点を解説してきました。

コードをつなげてストーリーを作っていくにあたり、コードの持つ機能を意識することは欠かせません。

また、今回はダイアトニックコード内のコードのみを想定して解説を行いましたが、ノンダイアトニックコードなども活用することでアプローチの幅はさらに広がって行きます。
いろいろなコードを使いながら、是非効果的なコードの展開を探ってみて下さい。

コードの機能が理解できると、ストーリー作りが上手になります