小学校六年生の時からビートルズにハマって以来、人生のあらゆる局面でビートルズに助けられて数十年…。
特技が「ビートルズの曲イントロクイズ」でもあるそんな私が、こちらではビートルズの有名な曲を厳選して7曲ほどご紹介していきます。
人前で演奏する機会や、何かのタイミングでビートルズを紹介するときなど、これらの曲を引き合いに出してもらえれば「あ~あの曲ね」とほとんどの人が理解してくれるはずです。
曲は「有名度」という観点で、星三つ~一つで分けてみました。
目次
有名度:☆☆☆
Let It Be(レット・イット・ビー)
- 作詞作曲:Lennon-McCartney
- アルバム:「Let It Be」
言わずと知れた、ビートルズ最大の有名曲にして彼らのトレードマークにもなっている本作。
この曲によって「ビートルズといえばレットイットビー」というイメージがついてしまい、ビートルズを「ピアノアレンジのゆったりした曲をやるバンド」として捉えてしまっている人も少なくないはずです。
神聖な曲
作詞作曲はポールで、歌詞に登場する「マザーメアリー」とはポールのお母さんのことを指しますが、「Let it be(なすがままに…)」という哲学的な言葉や、教会音楽風なアレンジから「マザー=聖母」という解釈もできます。
神聖な雰囲気があり、かつメロディも覚えやすく展開も単純。
本作はビートルズ解散間際に作られた作品ですが、バンドとしてもうほとんど機能しなくなりつつある時に、ここまでの代表作を生み出してしまうポールは本当にすごいと思います。
Hey Jude(ヘイ・ジュード)
- 作詞作曲:Lennon-McCartney
- アルバム:「Past Masters, Volume Two」
「レット・イット・ビー」と同じくピアノアレンジが印象的な本作もまたポールの作詞作曲で、ビートルズの代表曲の一つとして広く知られています。
エンディングの「ナ~、ナ~ナ~、ナナナッナ~…」というリフレインはこの曲を象徴するフレーズですが、7分以上ある曲の半分の時間を占めるほど延々と繰り返されます。
本作のネタ
当時ジョンと奥さんが不仲になってしまい、その間に産まれた息子「ジュリアン」を励ますように、ポールが「がっかりするなよ」と歌詞にしているというのが本作の元ネタとされています。
歌詞の中に「ショルダー」という単語が出てきますが、制作途中ポールがジョンに「この部分の歌詞がイマイチだと思ってるんだよね~」と相談したところ、ジョンが「いやいや、この曲はその『ショルダー』の部分の歌詞が良いんだよ!」と返した、というのはファンの間で有名な話。
有名度:☆☆
Ob-La-Di, Ob-La-Da(オブ・ラ・ディ、オブ・ラ・ダ)
- 作詞作曲:Lennon-McCartney
- アルバム:「The Beatles(ホワイトアルバム)」
タイトルの持つ雰囲気や曲調などから、子供向け音楽のような位置づけとして知られている曲です。
新旧問わずいろいろな人にカバーされており日本語でのカバーバージョンもいくつか存在します。
こちらもまたまたポールの作詞作曲ですが、「これってビートルズの曲だったの?」とアーティストを知らずに曲の存在だけを知っている人も多いのではないでしょうか。
ポールは物語調の曲が得意
「デズモンド」と「モリー」という二人を描いた物語調の歌詞はポールの得意とするところで、ビートルズ時代~ソロ時代を含め、ポールは本当に沢山の物語ソングを世に送り出しています。
「Ob-La-Di, Ob-La-Da」というフレーズは日本語で言う「ラララ」のような意味を持たない造語に近いものですが、歌詞の文脈からポールは前向きな言葉としてこれを使っていると感じられます。
Help!(ヘルプ)
- 作詞作曲:Lennon-McCartney
- アルバム:「Help!」
「ヘ~ルプ!」という歌詞とメロディが有名な本作は、彼らの主演する映画主題歌でもありアルバムタイトル曲でもある、というアイドル期ビートルズの最終形ともいえる作品です。
曲にはイントロが無くいきなりこのフレーズから始まりますが、それが「助けて」というジョンの心の叫びに聴こえます。
実は凝った曲
作っているのは主にジョンで、数あるビートルズ時代の曲の中でもこの曲は結構お気に入りだったようです。
この曲を聴くとジョンは歌が上手いなあと感じますが、実はコード進行やメロディなどに特徴があって、演奏してみるとその異質さに気付かされます。
歌詞にはちょっとひねくれた雰囲気もあり、サウンドはやっぱりロックであり、いかにもジョンらしい作品といえます。
Yesterday(イエスタデイ)
- 作詞作曲:Lennon-McCartney
- アルバム:「Help!」
こちらもアイドルビートルズの時代にリリースされた作品で、初期の代表作ともいえます。
特に年配の方は、ビートルズといえばこの曲を連想することも多いはずです。
それまでいわゆるバンドサウンドでガーンとやってきた彼らが、アコースティックかつ物憂げな曲で勝負してきたところに革新性がありました。
アレンジにはストリングスも導入されており、幅広い音楽性に挑戦していくための転機にもなった曲だと感じます。
有名だけど…
「夢の中で作った」というのは作詞作曲者であるポールの言葉ですが、その時のいきさつについてはドキュメンタリー映像の「ビートルズ・アンソロジー」で詳しく語られています。
ポールの全キャリアを通しても代表的な曲であり、特に海外では「レット・イット・ビー」に匹敵するほど認知されています。
確かに有名ですが、若干地味です(笑)。
有名度:☆
Hello, Goodbye(ハロー・グッドバイ)
- 作詞作曲:Lennon-McCartney
- アルバム:「Magical Mystery Tour」
こちらもまたポール作詞作曲の作品で、「ハローハロー~」というフレーズもおなじみです。
他の作品にもあるように、こういうリフレイン系の曲をきちんとまとめあげてしまうポールの作曲技術にはいつも感動させられます。
わかりやすい歌詞、でもシュール
「You say yes, I say no」など、歌詞は日本人にもわかりやすく、そのあたりも多くの人に受け入れられている理由になっているかと思います。
とはいえ歌詞の意味をよくよく考えると内容は結構シュールで、直訳してみても結局何が言いたいのかよくわかりません(笑)。
哲学的な歌詞として意訳することで、ポールの深いメッセージをそこから読み取ることができるかもしれないですね。
All You Need Is Love(オール・ユー・ニード・イズ・ラヴ)
- 作詞作曲:Lennon-McCartney
- アルバム:「Magical Mystery Tour」
「愛こそはすべて」という邦題が付けられた本作もまた、ビートルズの作品を代表するものとして歌い継がれています。
作詞作曲をしているのはジョンで、歌詞に多用されている「二重否定」の語法はこの曲を語るとき必ず話題にあがるものです。
その「~なかったものはない」という言い回しは、「否定」をさらに否定することで前向きな意味を持ち、「愛」というテーマをより引き立てています。
アイディア盛りだくさんなアレンジ
また、フランス国家がイントロで使われていたり、エンディングでクラシック・ジャズのフレーズやビートルズ自身の「イエスタデイ」「シーラヴズユー」なども取り入れてしまうというコラージュも聴きどころのひとつ。
曲の拍子が若干複雑で、実はこの曲も演奏してみるとなかなか高度なことをやっているとわかります。
まとめ
ここまで、ビートルズの有名な曲を7曲ご紹介してきました。
「あの曲が入ってない!」という異論もありそうですが、こちらではあえて「有名=誰でも知ってる」を優先して、曲を絞ってみました。
こうして改めてまとめてみると、ビートルズは実にさまざまな曲を作り出していることがわかります。
作曲・編曲・演奏面においてもこれらから学べることは沢山ありますので、そのような観点からも是非参考にしていただけるとありがたいです。
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