【ビートルズのアルバム】ファン歴30年の個人的おすすめ5作


私が小学校六年生で自発的にビートルズを聴き始めてから、はや30年…。

彼らがリリースしたアルバムは、ベストアルバムや企画アルバムを除くと結局のところ以下の12枚しかありません。

  1. プリーズ・プリーズ・ミー
  2. ウィズ・ザ・ビートルズ
  3. ハード・デイズ・ナイト
  4. ビートルズ・フォー・セール
  5. ヘルプ!
  6. ラバー・ソウル
  7. リボルバー
  8. サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド
  9. ザ・ビートルズ
  10. イエロー・サブマリン
  11. アビイ・ロード
  12. レット・イット・ビー

では

「この中でどれがおすすめなのか?」

といわれれば、ファンとしては「全部」と答えたいところですが、そうもいかないと思うので、こちらではその中でも特に「これは聴いておきたい」と思えるアルバム5作を厳選して解説してみます。

※おすすめには1~5の番号を振っていますが、これは通番的な意味で、そこに優劣はありません。

目次

おすすめ[1]ラバー・ソウル


まず、

ビートルズをあまり詳しく知らない、でもポップス・ロックは好き

という人にも胸を張ってお勧めできるのが、こちらの「ラバー・ソウル」です。

リリース年は1965年、ということで彼らのキャリアの中では「中期」にあたる時期にリリースされたアルバムです。

収録曲

以下、「ラバー・ソウル」の収録曲です。

  1. Drive My Car(ドライヴ・マイ・カー)
  2. Norwegian Wood(ノルウェーの森)
  3. You Won’t See Me(ユー・ウォント・シー・ミー)
  4. Nowhere Man(ひとりぼっちのあいつ)
  5. Think For Yourself(嘘つき女)
  6. The Word(愛のことば)
  7. Michelle(ミッシェル)
  8. What Goes On(消えた恋)
  9. Girl(ガール)
  10. I’m Looking Through You(君はいずこへ)
  11. In My Life(イン・マイ・ライフ)
  12. Wait(ウェイト)
  13. If I Needed Someone(恋をするなら)
  14. Run For Your Life(浮気娘)

※英語名が原作のタイトル、カッコ書きが日本名のタイトルです。

こう見ると、例えば「Norwegian Wood」は村上春樹さんの同名小説「ノルウェーの森」としても有名です。

また「In My Life」「Nowhere Man」あたりはテレビ番組やその他の場面で使われているのを耳にしたことがある人もいるかもしれません。

おすすめポイント:アーティスト化し始めたビートルズが聴ける

この「中期ビートルズ」といえば、いわゆるデビュー当時からアイドル的な売り方をされてきた彼らが、ライブやツアーなど「人前での演奏をそろそろやめようかな~」という過渡期にあたる時期です。

プロミュージシャンとしてトップを走る彼らの中に「アーティスト」としての自我が芽生え始めて

もっとスタジオでレコーディングに熱中したい!!!

という欲求がふつふつと湧き上がってきているような、そんな頃ですね。

そのため、サウンドがそれまでよりもさらに洗練されてきていて、「ロック!」「ミュージシャン!」という雰囲気がアルバム中に満ち溢れているような状態です。

おすすめポイント:グループとしての一体感

またこの時期はグループとしての仲も良好な頃で、それはアルバム収録曲からもうかがうことができます。

ジョンもポールも作曲にノってきている時期ということでいろいろな曲を作っていますし、末っ子として雑な扱いを受けがちだったジョージも2曲をきちんと提供しています。

リンゴも…「What Goes On」でボーカルとして全面で出てます(笑)。

この4人の良いバランスも、「ラバー・ソウル」の魅力の一つです。

おすすめ曲:Drive My Car(ドライヴ・マイ・カー)


「ラバー・ソウル」といえば、やっぱり1曲目にあたる「Drive My Car」かなあと思います。

ギターのリフから始まる曲ですが、アルバムを冒頭から聴くとき、このリフのサウンドを耳にしただけで

ああ、ビートルズはもはやアイドルではなくアーティストになっちゃったんだ

と納得してしまう、そんなシャープさと説得力を持った曲だと感じています。

コーラスワークもカッコイイし、サウンドも太くてコシがあって聴いててテンションが上がります。

おすすめ曲:In My Life(イン・マイ・ライフ)


若干月並みな感じもしますが、やっぱりおすすめの曲として「In My Life」も挙げないわけにはいかないです。

この曲は、いわゆるアルバムの中の一曲に過ぎないのですが、なぜだか多くの人から評価を得ています。

バラード曲的なゆるやかさと感動もあり、それでいてこの時期ならではの尖った音も垣間見える、という不思議な曲です。

あと、やはり間奏でジョージ・マーティン(ビートルズのプロデューサー)が弾くバロック風ピアノはこの曲の代名詞的なものです。

おすすめ[2]リボルバー


二枚目に挙げるのが、上記「ラバー・ソウル」の次にリリースされた「リボルバー」です。

こちらもポップス・ロックファン納得の仕上がりで、曲調のバリエーションは前作よりさらに広がっています

コラージュ的なジャケットもカッコイイです。

収録曲

「リボルバー」は以下です。

  1. Taxman(タックスマン)
  2. Eleanor Rigby(エリナー・リグビー)
  3. I’m Only Sleeping(アイム・オンリー・スリーピング)
  4. Love You To(ラヴ・ユー・トゥ)
  5. Here, There And Everywhere(ヒア・ゼア・アンド・エヴリホエア)
  6. Yellow Submarine(イエロー・サブマリン)
  7. She Said She Said(シー・セッド・シー・セッド)
  8. Good Day Sunshine(グッド・デイ・サンシャイン)
  9. And Your Bird Can Sing(アンド・ユア・バード・キャン・シング)
  10. For No One(フォー・ノー・ワン)
  11. Doctor Robert(ドクター・ロバート)
  12. I Want To Tell You(アイ・ウォント・トゥ・テル・ユー)
  13. Got To Get You Into My Life(ゴット・トゥ・ゲット・ユー・イントゥ・マイ・ライフ)
  14. Tomorrow Never Knows(トゥモロー・ネバー・ノウズ)

一曲目にジョージの「Taxman」が来ている辺りが、また特別な感じがします。

それでも、この曲は本作のトレードマークともいえるものです。

またインド曲の「Love You To」もあるなど、ジョージの本格的なインド化が始まりつつあるのも興味深いです。

おすすめポイント:完全にアーティスト化してしまったビートルズ

前作が「アイドルビートルズ」と「アーティストビートルズ」の中間だとしたら、次作となるこのアルバムではもう完全にアーティスト化してしまっているような感じです。

まず演奏や曲調がより複雑化されて、例えば「Eleanor Rigby」「Tomorrow Never Knows」など、これはライブでは再現できないでしょうと感じるような曲も多いです。

歌詞にも皮肉的な内容が増えてきて、彼らとしてもあえてそのような方向を狙っていたのかもしれません。

おすすめポイント:レコーディング技術の発達

このアルバムのもう一つの特徴といえばやっぱりサウンドです。

テープの逆回転や「フランジャー」と呼ばれるエフェクト類など、それまでのロックに無かったようなさまざまなレコーディングアプローチが試されています。

現在あるいろいろなレコーディングの常識はこの時期のビートルズによるアイディアによって発明された、とも言われているほど、それは今も受け継がれています。

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当時のビートルズは売れていてお金もあったので、気の許すまでスタジオであれやこれやと時間を使えた、というのも大きいのかもしれません。

アルバムを聴くときは、是非このサウンド面にも注目してほしいです。

おすすめ曲:Eleanor Rigby(エリナー・リグビー)


いろいろある収録曲の中でも、やっぱり特に異質なのが「Eleanor Rigby」ですね。

ロックバンドでありながら、弦楽八重奏で楽曲を組み立ててしまうところが革新的で、歌詞も架空の物語によって構成されています。

もの悲しいメロディと、それでもビートルズ的なポップさもそこにあわせ持っていて、アルバムの中でも良いスパイスになっています。

作者であるポール自身もこの曲を気に入っているようで、映像作品「ビートルズ・アンソロジー」の中ではギターで弾き語る姿も見ることができます。

おすすめ曲:Tomorrow Never Knows(トゥモロー・ネバー・ノウズ)


また、やっぱり「リボルバー」といえばこの曲!ともいえるほどこの「Tomorrow Never Knows」の衝撃は大きかったです。

日本では、同じタイトルを持つMr.Childrenの曲の方がよく知られているかもしれませんが、あちらの曲名のネタ元ともされています。

本作の作風は「サイケデリック・ロック」とも呼ばれていますが、その特徴は

  • テープの逆回転サウンド
  • ひとつのコード(C)のみで構成されている
  • ループサウンドの活用
  • サンプリングの活用

など、現在のミニマルサウンドにも通じる実験的なものばかりです。

この「変な曲(カッコイイ曲)」をアルバムの最後に配置してそのまま締めくくっていく…という彼らのイタズラっぽさも含めて、おすすめしたいです。

おすすめ[3]ビートルズ・フォー・セール


ビートルズの個人的なイメージといえば

  • 初期=若くてきゃぴきゃぴ
  • 中期=アーティストでグループの一体感
  • 後期=大人になってそれぞれバラバラ

というように捉えていますが、中でもグレーな感じがするのがその狭間の時期です。

このアルバム「ビートルズ・フォー・セール」などはまさにそんな中途半端な彼らが聴ける作品かなと思います。

一般的には地味なアルバムだとされていますが、私は結構好きなのでこちらに加えさせていただきました。

収録曲

以下は「ビートルズ・フォー・セール」の収録曲です。

  1. No Reply(ノー・リプライ)
  2. I’m A Loser(アイム・ア・ルーザー)
  3. Baby’s In Black(ベイビーズ・イン・ブラック)
  4. Rock And Roll Music(ロック・アンド・ロール・ミュージック)
  5. I’ll Follow The Sun(アイル・フォロー・ザ・サン)
  6. Mr. Moonlight(ミスター・ムーンライト)
  7. Kansas City/Hey, Hey, Hey, Hey(カンサス・シティ/ヘイ・ヘイ・ヘイ・ヘイ)
  8. Eight Days a Week(エイト・デイズ・ア・ウィーク)
  9. Words of Love(ワーズ・オブ・ラヴ)
  10. Honey Don’t(ハニー・ドント)
  11. Every Little Thing(エヴリー・リトル・シング)
  12. I Don’t Want To Spoil the Party(パーティーはそのままに)
  13. What You’re Doing(ホワット・ユー・アー・ドゥーイング)
  14. Everybody’s Trying To Be My Baby(みんないい娘)

こうして全曲を改めて見ると…

う~ん、地味だな!(笑)

という感じがしてしまいますが、それがまたこのアルバムの良いところです。

半数近くがカバー曲なのでその影響もあるかと思いますが、名曲も多いです。

上記の「ラバー・ソウル」「リボルバー」の二作がロック的なサウンドを押し出していたのに対し、こちらは「フォーク」的である、と個人的には解釈しています。

抒情的、というか、そういう意味ですね。

おすすめポイント:曲調と表現力でストレートに勝負

例えば「リバルバー」がレコーディング技術を飛躍させてサウンド面で勝負していたりするなかで、このアルバムはそのあたりの装飾を排除して、純粋に曲の良さと表現力だけで勝負しているような感じがします

それは一曲目の「No Reply」からしてそうなのですが、他の曲も含めサウンドやアレンジには取り立てて目新しさはないものの、それでもここまで聴けてしまうのはやっぱり純粋に曲が良いからです。

彼らのボーカルの表現にも深みが増していて、結果的にこれがのちの「アーティスト化」につながるわけですが、その過渡期な感じがまた良いです。

おすすめポイント:哀愁が漂う感じ

上記の「曲調」「表現力」にも通じますが、アルバム全体になんとなく哀愁が漂っているところが、このアルバムをおすすめしたい一番のポイントかもしれません。

アルバムジャケットの彼らも笑っていなくてなんだかもの悲しい表情をしていますが、何があったんでしょう…(笑)。

でも、その哀愁がまた作品性を高めていように感じます。

「フォー・セール」というタイトルの通り、クリスマス商戦にあわせてリリースされたアルバムのようで、「12月」「冬」というような季節的イメージもあるのかもしれません。

おすすめ曲:Baby’s In Black(ベイビーズ・イン・ブラック)


カバー曲が多い本作の中でおすすめしたいのはやっぱりオリジナル曲で、中でも「Baby’s In Black」は外せません。

彼らの曲の中では珍しく「ワルツ」的な三拍子のリズムを持った曲で、ロッカバラードの先駆けとも捉えることができます。

聴いてほしいのはジョンとポールのハモりで、基本的に双方が違うメロディラインを歌い続けるのですが、これがまた心地良く重なり合って良いハーモニーになっています。

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どちらのメロディも主旋律のような魅力があって、「主メロ+ハモり」というよりも、ダブルボーカルのような印象を受けます。

これをカラオケでハモったり、バンドでカバーして歌ったりすると本当に気持ち良いです。

おすすめ曲:I’ll Follow The Sun(アイル・フォロー・ザ・サン)


上記で「フォーク的なサウンドを持ったアルバム」と述べたのはこの曲のせいかもしれない、という味わい深さを持った曲がこちらの「I’ll Follow The Sun」です。

多分ほとんどの一般人のみなさんが知らない曲だと思うのですが、こういう良い曲が埋もれているのがまたビートルズ

短くてシンプルな曲でありながらも、個人的にはこのアルバムの中で一番好きな曲かもしれません。

この曲もそうですが、当時のビートルズの曲はイントロ短めですね(笑)。

おすすめ[4]プリーズ・プリーズ・ミー


「おすすめアルバム」という括りの中で、やっぱりそこに加えなきゃと思えてしまうのが彼らの記念すべきデビューアルバム「プリーズ・プリーズ・ミー」です。

まあなんと言っても「若い!」「フレッシュ!」という感じですが、その初々しさがアルバムの一番の特徴です。

1963年リリースなので相当古いですが、それでも古さをあまり感じさせないところがまたすごいです。

収録曲

「プリーズ・プリーズ・ミー」の収録曲は以下です。

  1. I Saw Her Standing There(アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア)
  2. Misery(ミズリー)
  3. Anna(アンナ)
  4. Chains(チェインズ)
  5. Boys(ボーイズ)
  6. Ask Me Why(アスク・ミー・ホワイ)
  7. Please Please Me(プリーズ・プリーズ・ミー)
  8. Love Me Do(ラヴ・ミー・ドゥ)
  9. P.S. I Love You(P.S.アイ・ラヴ・ユー)
  10. Baby It’s You(ベイビー・イッツ・ユー)
  11. Do You Want To Know A Secret(ドゥ・ユー・ウォント・トゥ・ノウ・ア・シークレット)
  12. A Taste Of Honey(蜜の味)
  13. There’s A Place(ゼアズ・ア・プレイス)
  14. Twist And Shout(ツイスト・アンド・シャウト)

デビューアルバムということで、こちらもやっぱりカバー曲が半数を占めます。

初期ビートルズは、「ああ良い曲だなあ」と思ってもそれが他人の作った曲だというパターンが結構多いので注意が必要です。

でもそのカバー曲さえも魅力的なものにしてしまうのがビートルズのすごいところで、例えば「Twist And Shout」「Baby It’s You」あたりはこちらのビートルズバージョンの方が本家よりも有名だと思います。

おすすめポイント:超短時間で完成させた彼らの熱と集中力

「プリーズ・プリーズ・ミー」を語る時に避けて通れないのがレコーディングの時間、とりわけその短さです。

レコーディングのスタイルはバンドで一斉にやる生演奏、それを貫き通してほぼ1日でレコーディングを済ませたとされています。

これは、現在主に行われている

  1. パートごとに演奏
  2. 何日か時間をかけて必要なサウンドをレコーディング
  3. それをあとでミキシングしてアンサンブルにする

というレコーディングの主流を考えると、本当にすごいことです。

ビートルズといえば、膨大な数のステージをこなしてきた下積み期間も有名ですが、彼らのライブでの演奏力というか、生演奏の対応力がまさに活きた事例だと思います。

アルバムに収められているサウンドはまさにそれを体感できるもので、その一体感や力強さはこのアルバムならではのものです。

微妙に歌や演奏を間違ったりしているのですが、それがまた味になっています

おすすめポイント:フレッシュな彼らが聴ける

デビューアルバムということもあって、上記で述べたような若い彼らに触れることができるのも、本作のポイントです。

特にボーカルの歌い回しや声質そのものがフレッシュで、それを聴けるだけでも貴重だと思います。

前述したレコーディングの方式もあり、本当に若いみんながあれやこれや試行錯誤しつつも楽しく、かつ野心を持ってこのアルバムを作り上げたのかなと空想できてしまいます

おすすめ曲:I Saw Her Standing There(アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア)


おすすめ曲としては、やっぱり一曲目の「I Saw Her Standing There」になってくるのかなと思います。

作曲・ボーカルはポールですが、いわゆる「ロック」な曲としてファンの間では有名、でも一般的な認知度は低い、という曲です。

ライブレコーディングということもあって基本的に無駄なサウンドは一切なく、その骨太なアレンジがまた本作の魅力をより引き出しています。

また、そのシンプル編成の中でも「手拍子」はこの曲の味付けになっていて、これによってドライブ感が増しています。

おすすめ曲:Ask Me Why(アスク・ミー・ホワイ)


本作に収録されているオリジナル曲はすべて良いのですが、中でも個人的におすすめしたいのがこの「Ask Me Why」です。

こちらも前述した「I’ll Follow The Sun」のような、フォーク的な味わい深さを持った曲ですが、ややテンポが軽快でその分聴きやすいかと思います。

こちらも、ビートルズファン以外にはまったく知られていないという「埋もれた名曲」で、もしかしたらビートルズファンもノーマークかもしれませんがめちゃくちゃ良い曲です。

地味ですけどね(笑)。でも良い曲です。

おすすめ[5]アビイ・ロード


最後におすすめするのが、個人的に最も思い入れの深い「アビイ・ロード」です。

ビートルズの解散アルバムとしても有名で、前述した「プリーズ・プリーズ・ミー」で始まったビートルズの歴史が、この「アビイ・ロード」で締めくくられるという、そういう意味でも重要なアルバムです。

収録曲

以下が「アビイ・ロード」の収録曲です。

  1. Come Together(カム・トゥゲザー)
  2. Something(サムシング)
  3. Maxwell’s Silver Hammer(マックスウェルズ・シルヴァー・ハンマー)
  4. Oh! Darling(オー!ダーリン)
  5. Octopus’s Garden(オクトパス・ガーデン)
  6. I Want You(アイ・ウォント・ユー)
  7. Here Comes The Sun(ヒア・カムズ・ザ・サン)
  8. Because(ビコーズ)
  9. You Never Give Me Your Money(ユー・ネヴァー・ギヴ・ミー・ユア・マネー)
  10. Sun King(サン・キング)
  11. Mean Mr. Mustard(ミーン・ミスター・マスタード)
  12. Polythene Pam(ポリシーン・パン)
  13. She Came In Through The Bathroom Window(シー・ケイム・イン・スルー・ザ・バスルーム・ウィンドー)
  14. Golden Slumbers(ゴールデン・スランバー)
  15. Carry That Weight(キャリー・ザット・ウェイト)
  16. The End(ジ・エンド)
  17. Her Majesty(ハー・マジェスティー)

個人的にはこの曲順を見ただけでもなんだか泣けてきてしまうほどなのですが、実はこの後半の「You Never Give Me Your Money」以降はメドレーのような形式になっています。

そういう意味で、なんとなくパブリックイメージ的な「親しみやすくてわかりやすいビートルズ」をイメージしているとちょっと肩透かしをくらうかもしれません。

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その部分はメドレーなので一曲ずつが短めで、曲に明確に始まりと終わりがなく次々とつながっていくような感じになっています。

おすすめポイント:コンセプトアルバム的な構成

アルバム全体を通して一つの作品となる「コンセプトアルバム」の形式を持ったビートルズの作品といえば「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」が最も有名ですが、本作もそれに近いものがあります。

特に、上記で述べた後半のメドレー部分がそれをより際立たせているのですが、やっぱりこのアルバムは始まりから終わりまで、連続で聴いて楽しむものだと思います

ラストアルバムということで作品から感じられるのはもう完全に「アーティストビートルズ」の風格ですが、それも含めて、空気感を味わってほしいです。

おすすめポイント:最後の一体感

このアルバムの何がいいかといえば、最後の最後でみんなが本当に協力して、素晴らしいアルバムを残してくれた、というところです。

後期のビートルズはもうそれぞれにやりたいことが出てきて、仲もいまいち、グループとしても新鮮味が無くなってバンドの将来もほとんど見えていない状態でした。

そんな中で

「もう一回、アルバムを作るぞ!」

と一致団結して作られたのが本作だとされていて、そのパワーがめちゃくちゃ伝わってきます

ジャケットの横断歩道写真も含め、そういう最後の一体感がこのアルバムをより印象的なものにしていると感じます。

おすすめ曲:Something(サムシング)


おすすめ曲といえば本作に限っては本当にすべてといいたいところですが、中でもやっぱりジョージの成長が素晴らしい。

この「Something」は「ジョージ三大名曲」といわれる

  • Something
  • Here Comes The Sun
  • While My Guitar Gently Weeps

の一つにあたるもので、ファンの中でも人気が高いです。

また、ジョンもポールもこの曲を評価していて、デビュー当時にジョージが作曲面でこの二人に劣る存在として苦労していたことを思うと、これは本当に感動できる逸話です。

バラード曲のようなしっとりとした雰囲気がありながら中間のサビ部分では転調してやや軽快になる、という作曲のテクニックも聴かせてくれます。

おすすめ曲:The End(ジ・エンド)


もう一つ特におすすめできるのが、やっぱりメドレーを締めくくるこちらの「The End」です。

彼らのラストアルバムにして、その最後の最後に文字通り「終わり」を意味するこの曲をもってくるところがまたビートルズらしい。

曲はほぼインストで、ジョン・ポール・ジョージ、三人のギターソロ、そしてなんとリンゴのドラムソロもあり、そこからは

「俺達はミュージシャンなんだー!!音楽が好きだー!!」

という彼らの本心と今後の決意のようなものが感じられます。

また、曲終盤でポールが歌う

「結局、『受け取る愛』は『与える愛』に等しい」

というメッセージも、ラストを飾るのにふさわしいものだと思います。

これを、メドレーからの流れで聴くと完全に泣けます(笑)

そういう意味で、「アビイ・ロード」はビートルズの集大成だし、本当に良いアルバムだなあと思います。

まとめ

ここまで、ビートルズのアルバムのおすすめ5作をご紹介してきました。

改めて5作を以下にまとめます。

  • ラバー・ソウル
  • リボルバー
  • ビートルズ・フォー・セール
  • プリーズ・プリーズ・ミー
  • アビイ・ロード

ファン歴30年の個人的な内容になってしまいましたが、是非ビートルズのアルバムを聴き込む目安にしてもらえるとありがたいです。

もちろん、他のアルバムも、全部聴いてほしいです!