サブドミナントマイナーコード|その概要と使い方(代理コード、終止部分への活用など)

こちらの記事ではコードの種類のひとつである「サブドミナントマイナー(コード)」について解説していきます。

「そもそもサブドミナントマイナーとはどのようなコードなのか?」ということや、サブドミナントマイナーの使用方法などについても考えていきます。

あわせて記事最後では動画による解説も行います。

「サブドミナントマイナー」の概要

「サブドミナントマイナー(コード)」とはその名前のとおり「『サブドミナント(コード)』をマイナーにしたもの」を意味する音楽用語です。

ダイアトニックコードとスリーコード(概要や成り立ち、コードの役割などについて)

上記ページでも述べている通り、メジャーダイアトニックコード内にある四番目のコード「サブドミナント」という機能を持っており、このコードはどんなキーにおいても常に「メジャー」になります。

以下は、その例として「Cメジャーダイアトニックコード」を表にしたものです。

この表でいう「F」が「四番目のコード」ですが、これをマイナーコードにした「Fm」が「サブドミナントマイナー」にあたります。

ノンダイアトニックコードのひとつ

通常、ポップス・ロックなどの音楽では「キー」という概念の元、そのキーに沿ったダイアトニックコードを活用してハーモニー(=コード進行)が組み立てられます。

※関連ページ キー(音楽)について|キー=「中心音」と「まとまりのある音のグループ」を意味する言葉

そのうえで、ダイアトニックコードに無いコードを活用することは

「キーの範囲から外れる音を使ってコード進行を組み立てること」

を意味しますが、こちらでテーマとしている「サブドミナントマイナーコード」はその「ダイアトニックコードに無いコード」にあたるものです。

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通常サブドミナントコードは「メジャー」の状態にあるところ、それをマイナーコードにすることでキー範囲外の音が含まれることになります。

ダイアトニックコードに無いコード(=ノンダイアトニックコード)であるサブドミナントマイナーを活用することによって音楽にキー範囲外の音が含まれ、それによって特徴的な響きが生まれます。

つまり、サブドミナントマイナーを活用することで単調なコード進行にアレンジを加え、より個性的なサウンドを生み出していくことができるようになる、ということです。

※ノンダイアトニックコードについては以下のページでも解説しています。 「ノンダイアトニックコード」の意味とその種類の解説(活用のルールやコード進行例等)

「サブドミナントマイナー」の使用方法

通常の「IV」の代りに使用する

サブドミナントマイナーは通常のダイアトニックコード四番目のコード=「IV」と同じく「サブドミナント」の機能を持っています。

これは「機能を維持したまま置き換えができる」という解釈につながり、例えば上記のキー=Cメジャーにおいて

「C → F」

というコード進行と共に

「C → Fm」

というコード進行も検討できます。

以下は通常の「スリーコードのみによる構成」と「サブドミナントマイナーを活用した構成」の比較例(キー=Cメジャー)です。

スリーコードのみによる構成
C→F→G→C
(I→IV→V→I)
サブドミナントマイナーを活用した構成
C→Fm→G→C
(I→IVm→V→I)
ここでは既に述べたように「F」を「Fm」に置き換えただけですが、このように前後の関係を考慮せずそのまま置き換える形でサブドミナントマイナーを使用することができます

また上記のようなサブドミナントマイナー単体での利用以外にも、その直前に「IV」を配置して「IV→IVm」というコードの変化をあえて聴かせる構成もよく見かけられます。

C→F→Fm→G→C
(I→IV→IVm→V→I)
直前で「F」が鳴っていることでマイナーへの変化をよりはっきりと感じられます

この「IVm」以外にもそこから派生したコードとして「IVm7」「IVm6」なども同様にサブドミナントマイナーとして広く利用されています(以下例)。

C→F→Fm6→G→C
(I→IV→IVm6→V→I)
「IVm7」や「IVm6」は三和音である「IVm」に比べて構成音が多く響きが豊かであるため、目指す曲調によってそれぞれを使い分けられると理想的です。

サブドミナントマイナーの終止への活用

展開したコード進行がトニック(I)へ回帰することを「終止」などと呼びますが、サブドミナントマイナーはこの終止部分に活用されることもあります。

以下は、ドミナントコード(V)を活用した通常の終止サブドミナントマイナーによる終止の比較例です。

ドミナントコードを活用した終止
F→G→C
(IV→V→I)
サブドミナントマイナーを活用した終止
F→Fm→C
(IV→IVm→I)

上記例において「G→C」が「Fm→C」にアレンジされているように、サブドミナントマイナー(Fm)から直接トニック(C)へ向かうことで、サブドミナントマイナーが持つ特徴的な響きをより際立てることができます。

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ノンダイアトニックコードの多くは通常ピンポイントで使用され、そのような観点からサブドミナントマイナーはこの例のように終止部分のみに活用されることも多いです。

※関連ページ 終止の詳細とその種類(全終止・偽終止・アーメン終止・サブドミナントマイナー終止など)

サブドミナントマイナーの代理コード

「IVm」系以外にもあるサブドミナントマイナー

既に述べたとおりサブドミナントマイナーは「ダイアトニックコードの四番目(IV)をマイナーにする」という発想により導くことができるコードです。

その上で「IVm」と似た響きを持ったコードも同様に「サブドミナントマイナー」にあたるコードとして活用されます。

なかでも、「IV」の代理コードにあたる「IIm」を活用した「IIm7-5」はその代表的なものです。

※関連ページ 代理コードについて(マイナーコードをスリーコードのかわりに活用する)

以下は、既にご紹介した「サブドミナントマイナーを活用した構成」と、それをさらに「IIm7-5」によって置き換えた構成の比較です。

サブドミナントマイナーを活用した構成
C→Fm→G→C
(I→IVm→V→I)
「IVm」を「IIm7-5」に置き換えた構成
C→Dm7-5→G→C
(I→IIm7-5→V→I)
「IVm」に比べてコードの構成音がさらに複雑になることでより特徴的なサウンドが生まれます。

その他の代理コード

また上記以外にも、サブドミナントマイナーの代理コードとして以下のようなコードが活用されます。

「Fm(IVm)」代理コードの例
  • D♭M7(♭IIM7)
  • A♭7(♭VI7)
  • A♭6(♭VI6)
  • B♭7(♭VII7)
曲調や他メロディラインなどを考慮するにあたり、「IVm」のアレンジとしてこれらの代理コードを覚えておくと重宝するはずです。

動画で解説

「文章ではよくわからない」という方のために、以下の動画でもサブドミナントマイナーについて実演を交え解説しています。

まとめ

以下は、「サブドミナントマイナー」についてのまとめです。

  • サブドミナントマイナーはダイアトニックコード内の四番目のコード(IV)をマイナーにしたもの
  • 「サブドミナント」としての機能は維持されるため通常のサブドミナントから置き換える形で使用することができる
  • さまざまな代理コードがあり、なかでも「IIm7-5」はその代表的なものである

既に述べた通りサブドミナントマイナーは特徴的な響きを持っており、コード進行のアクセントとして活躍してくれます。

ワンランク上の作曲を目指し、是非積極的に活用してみて下さい。

通常のサブドミナントコードから置き換えるような感覚で取り入れてみると、使いどころを把握しやすいはずです。