ポップス・ロックの曲は年代が古いほど短いものが多くなっていく傾向にありますが、ビートルズもそのひとつ。
ましてやビートルズはライブバンド出身ということもあり、サッと始まって短く盛り上がり、スパっと終わってしまう曲が多いものです。
こちらのページでは、そんなビートルズの「短い曲」を集めました。
※オリジナルアルバムおよびシングル曲のみから確認し、メドレー曲は除外しています。
目次
- 1分以内の短い曲
- 2分以内の短い曲
- Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band [Reprise](サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド・リプリーズ)「1分19秒」
- Why Don’t We Do It In The Road ?(ホワイ・ドント・ウィー・ドゥー・イット・イン・ザ・ロード)「1分41秒」
- I Will(アイ・ウィル)「1分45秒」
- I’ll Cry Instead(アイル・クライ・インステッド)「1分46秒」
- Little Child(リトル・チャイルド)「1分46秒」
- Misery(ミズリー)「1分48秒」
- I’ll Follow The Sun(アイル・フォロー・ザ・サン)「1分48秒」
- まとめ
1分以内の短い曲
Her Majesty(ハー・マジェスティー)「0分26秒」
事実上のラストアルバム「アビーロード」の最後に収録された、短いアコースティックナンバーです。
女王様のことを歌ったコミックソング的な位置づけの楽曲ですが、これをバンドとしてのラストアルバムの、しかもエンディングを飾る重要なトラックに採用してしまうところがまたビートルズらしいです。
レコーディングのハプニングから生まれた偶発的な曲ですが、「ビートルズの短い曲」としてこちらを真っ先に思い浮かべる人も多いはずです。
Maggie Mae(マギー・メイ)「0分41秒」
アルバム「レット・イット・ビー」に収録された曲で、こちらはイギリス民謡のカバーとなっています。
このトラック自体が曲と曲をつなぐ箸休め的な存在となっており、そのような意味から短くまとめられているとも考えられます。
アレンジも、セッション的でなごやかなサウンドに仕上げられています。
Dig It(ディグ・イット)「0分50秒」
こちらも上記「マギー・メイ」と同じく、アルバム「レット・イット・ビー」の曲間における短いブリッジのような存在として収録された楽曲です。
このアルバム自体がバンドセッションをそのままアルバムにしたような作風となっており、本作はそんなバンド間でのセッションから生まれています。
歌詞は「Like a rolling stone~」と何度も繰り返されるため、ループ曲の一種とも解釈できます。
Wild Honey Pie(ワイルド・ハニー・パイ)「0分52秒」
通称「ホワイトアルバム」に収められた短い曲です。
こちらの本家として「ハニー・パイ」という楽曲が別途存在しており、それに関連した作品だとされていますが、曲調は全く違います。
しかも、アルバム収録順として本家よりも前にこの「ワイルド・ハニー・パイ」が存在しており、そのあたりのひねくれ具合もビートルズらしいです。
2分以内の短い曲
Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band [Reprise](サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド・リプリーズ)「1分19秒」
こちらはアルバム「サージェント・ペパーズ~」のオープニング曲を再演したもの、という設定の作品で、副題の「Reprise」は日本語で「再び」というような意味を持つ言葉です。
アルバムの終盤でこの曲を短く置き、そこから本格的なエンディング曲「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」へとつながっていきます。
Why Don’t We Do It In The Road ?(ホワイ・ドント・ウィー・ドゥー・イット・イン・ザ・ロード)「1分41秒」
こちらは前述した「ホワイトアルバム」に収められたポールのおふざけソングともいえるもので、タイトルの言葉を歌詞としてひたすら繰り返して歌うような構成となっています。
曲が短いと、このようにどうしても企画的な色が強くなってしまいますが、それでも本作は同アルバムが醸し出すアーティスティックな雰囲気を盛り上げる働きをしています。
ポールが見せる変幻自在のボーカルは必聴です。
I Will(アイ・ウィル)「1分45秒」
こちらも同じく「ホワイトアルバム」に収められた曲で、牧歌的な雰囲気を持った曲として本作をお気に入りだというファンも多いです。
この曲を語る時に避けて通れないのが「スキャットベース」で、なんと本作のベースはポールによる歌声によって表現されています。
こうして改めて整理してみると、曲があまりに充実しているため2分以内に収まっていることが意外だと感じました。
I’ll Cry Instead(アイル・クライ・インステッド)「1分46秒」
初期ビートルズの名盤「ア・ハード・デイズ・ナイト」に収められた楽曲で、比較的話題に挙がりづらい曲でもあります。
アルバムの中でも地味な存在ですが、シングル曲にもなっていたり、カバー曲もいくつかあるなど、一部で根強い人気を誇っています。
Little Child(リトル・チャイルド)「1分46秒」
ビートルズの二枚目のアルバム「ウィズ・ザ・ビートルズ」に収められたアップテンポの曲で、この短い曲長にもあるように、派手に始まって一気に駆け抜けて終わってしまうような雰囲気を持っています。
ピアノが前面に押し出されていることから、サウンドはすこし都会的で、ジャズブルース的なムードも感じられます。
Misery(ミズリー)「1分48秒」
デビューアルバム「プリーズ・プリーズ・ミー」の中でもコーラスワークが美しい曲として知られている本作も、2分以内に収まる短い構成となっています。
特に初期ビートルズは、冒頭でも述べた通りライブバンドの面影を残しており、短くスパっと終わるような曲を多く演奏しています。
このアルバムのレコーディング自体が1日で終わったことを考えると、短い曲を採用したのにはそのような理由もあったのかなと空想できます。
I’ll Follow The Sun(アイル・フォロー・ザ・サン)「1分48秒」
個人的に思い入れのあるビートルズ版フォークソングで、アルバム「ビートルズ・フォー・セール」に収録されています。
この曲も美しいメロディと魅力的な展開を持っているためそれなりの長さがあると勘違いしていましたが、2分以内に収まっていることを知って意外だと感じました。
メロディはポールらしく親しみやすいもので、アコースティックギターの響きも穏やかで、聴いていると優しい気持ちになれます。
まとめ
こうやって改めてまとめてみると、予想通りいくつもの短い曲が存在しているとわかります。
特に、良い曲だという印象を持っていた曲が2分以内に収まっていることを考えると、改めてすごいなと感じてしまいます。
短時間の中に良いメロディとコードと展開が詰め込まれている、短い曲もいいものですね。
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