「カノン進行」という呼び名で知られている定番のコード進行があります。
カノン進行によるコードのつなげ方と例 定番のコード進行とそのアレンジについて
詳しい内容については上記ページにて解説していますが、こちらではそんなカノン進行をギターでどう表現できるか、という点に絞って解説していきます。
日頃の作曲やギターアレンジに役立ててもらえれば嬉しいです。
目次
カノン進行のおさらい
まず、改めてカノン進行によるコードのつながりをおさらいしておきます。
「キー=C(メジャー)」のカノン進行とギターポジション
以下は「キー=C」におけるカノン進行を表したものです。
[I→V→VIm→IIIm→IV→I→IV→V]
これを見ると、普段からギターを弾いている人にとっては馴染み深いコードばかりだと感じるはずです。
これらは「キー=C」という性質もあり「F」のコード以外すべてをローコードで表現できています。
各キーのカノン進行とそれぞれのギターポジション
上記をそれぞれのキーに移調することで、いろいろなキーによるカノン進行を作り上げることができます。
以下に、特にギターで演奏することが多いキーのカノン進行を挙げます。
冒頭でご紹介したページでも述べている通り、カノン進行が親しみやすいと感じる理由は構成音のつながりにあります。
それぞれのキーにおいてカノン進行を表現する場合にも、その点を意識して演奏できると理想的です。
カノン進行のギターポジションによるアレンジ
上記で述べた「構成音のつながり」をより明確に打ち出すために、ギターの指板をより広く使ってポジションをアレンジすることもできます。
例1. 構成音のつながりをポジションアレンジによって表現する
以下は例として、「キー=A」のカノン進行における構成音のつながりをより強く打ち出すためのアイディアです。
上記の例では主に4弦~2弦にコードの構成音を割り当て、ハイフレットからそれを下降させるように組み立てています。
ポイントとなっているのは冒頭のコード「A」における4弦7フレットの「ラ」の音です。
この音が、コードが展開するにつれて
と徐々に下がっていくことで、「ラ」の音が「Aメジャースケール」に沿って
と、順次進行で下がっていく形を生み出しています。
このように、構成音のつながりを重視してコードフォームを組み立てることで、スムーズな響きの変化を演出することができます。
例2. 構成音のつながりを最高音(トップノート)で表現する
カノン進行における構成音のつながりは、コード最高音によっても表現することができます。
以下は同じく「キー=A」のカノン進行における構成音のつながりを、コード最高音で表現するためのポジションアイディアです。
上記の図を見ると、1弦で押さえられているフレットの位置がコードの展開によって
という流れを作っています。
このように、コードポジションの構成によってトップノートにおいても綺麗なつながりを生み出せるところがカノン進行の特徴です。
ここでご紹介した例以外にも、それぞれのキーによってスムーズな構成音のつながりを生み出すためのポジションアレンジが検討できます。
例3. あえて構成音の変化を少なくするポジションアレンジ
また、上記2例とは反対に、カノン進行はそれぞれのコードに共通音を多く含んでいるため、あえて響きの変化を少なくするようにアレンジすることもできます。
以下は、前述した「キー=A」におけるカノン進行をセブンスコードによりアレンジして、極限までコードの動きを少なくしたものです。
セブンスコードの解説 コードに「7度」の音を含む四和音、その成り立ちと詳細について
この例では、カノン進行にある8つのコードすべてを0~2フレットで表現しています。
この例にある「A」と「F#m7」のように、それぞれのコードは共通音を多く含んでいるためひとつのコードフォームで両方のコードを表現することができます。
このような場合には、ベースなどによって別途「A」「F#」という音を加えることで「A」と「F#m7」のコードを成り立たせることができます。
まとめ
ここまで、「カノン進行」のギターによる演奏方法について解説してきました。
ポイントとなるのは、
- 構成音のつながりをどう聴かせるか
- 共通音を見つけて響きの変化を少なくする
などの点です。
上記でご紹介した例にテンションを加えたり、コードそのものを他のコードに差し替えたりしてアレンジすることでアイディアはさらに広がって行きます。
ギターを実際に弾きながら、いろいろなアプローチを探ってみて下さい。
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