と考えているギター弾きのみなさんのために、こちらのページではギターで学べる音楽理論本の中でも、私が実際に読んだうえで特におすすめできると感じた5冊をご紹介してみます。
私はギターを25年ほど弾いてきていますが、日頃作曲の先生として活動していることから理論本をそのような視点から読むことが多く、参考にしてもらえるかと思います。
※扱われている音楽理論の深さによって「マニアック度」で本を分類しています。
目次
マニアック度:☆
「最後まで読み通せる音楽理論の本」
「ギターのための音楽理論の本」ということを考えるとき、真っ先に思いつくのがこちらの本です。
著者は、数々のギタートレーニング系書籍を監修されている宮脇俊郎さんで、ご自身の経験とギタリストの視点に立ったわかりやすい解説は折り紙付きです。
特に、こちらの書籍は「最後まで読み通せる~」というタイトルからもわかるとおり、音楽理論学習に馴染みのない初心者に向けた親しみやすさに配慮されています。
手書き解説で親しみやすさアップ
内容はそのコンセプトの通り確かに取っつきやすく、実際にギターを弾きながら楽しみつつ学べるものとなっています。
個人的に好きなのがところどころに書かれた手書きの解説用挿絵で、これが実際に個人レッスンを受けているような感覚にさせてくれます、
私もこれまで宮脇さんの本にはお世話になってきましたが、この本の語り口もいつものようにソフトで親しみやすいです。
著者の提唱する「イドフリミエロ」という呪文はこちらでも紹介されています。
マニアック度:☆☆
「プレイがもっと上達する ギタリストのための音楽理論」
ちょっと理論的な内容を突っ込んで学びたいという人におすすめできるのがこちらの書籍です。
内容は程良く親しみやすく、かつきちんとした情報が盛り込まれています。
ギター系理論書として書店などでもあまり見かけませんが、良い本なのでこちらに加えました。
理論をプレイの向上につなげる
ポイントとなっているのはタイトルにある「プレイがもっと上達する」という点で、その内容からは、ギターを理論的に把握して、それをプレイの向上につなげて欲しいという著者の気遣いが感じられます。
イラストや文字も多く、指板の状態などを視覚的に把握することができます。
また、部分的に設けられた練習問題に取り組むことで、さらに理解を深められるはずです。
「ギター音楽理論 ~ベーシックセオリー編~」
「ギター向け音楽理論」としてひとつの流派を作っているのが本作のシリーズです。
この「ベーシックセオリー編」以外にも、「コードワーク」「ソロメイキング」など、ギタリストの演奏に役立つ音楽理論がいくつかの書籍にまとめられています。
その中でもこちらはその土台になる本ともいえるもので、基本的な事柄からリズム・スケール・コードまで幅広く必要な理論的情報が取り上げられています。
理論派ギタリストを目指す人の入門書として最適
ギター弾きに向けて書かれた理論書ということで特にその辺りに期待が持ってしまいますが、中身には五線譜が思いのほか多く、ギター指板のイラストも案外少なめかなと感じました。
ただ、解説はギターでの演奏を想定したものとなっており、ギターを弾くための総合的な理論をきちんと学ぶという意味では十分な内容となっています。
理論的な内容をある程度おさえたうえで、頭を使ってギターを弾きたい人には最適な書籍といえます。
マニアック度:☆☆☆
「ギターのためのコード理論体系」
音楽理論を扱った書籍「コード理論大全」の著者でもある清水響さんが記した、ギター弾きのための理論書です。
内容は、「コード理論大全」をよりギタリスト向けに掘り下げて、特にギターを弾くために必要となる知識に絞って解説したようなものとなっています。
タブ譜を多く掲載し、ギタリストの読みやすさにも配慮されています。
実用的方法と理論の紐付け
個人的におすすめできるのは、ギターソロやウォーキングベース、ヴォイシングなどの実用的な方法と理論をきちんと紐づけて解説している点です。
やや硬派な内容に感じますが、ギターを弾きながら読み進めることでそれまでになかった観点から演奏に取り組めるようになるはずです。
またページ数が多く、本のサイズも「コード理論大全」と同じようにやや大きめで存在感がありますが、その分所有する喜びのようなものも感じられます。
「ヴァイデオロジー ギタリストのための初級音楽理論」
最後にご紹介するのが、スティーブ・ヴァイが書いたギタリスト向け音楽理論書です。
こちらは洋書を翻訳したものであるため、語り口や本の構成がやはり海外的です。
また「~研究」と記されている部分も多く、音楽理論を学問として捉えて書かれた書籍だと感じられます。
オシャレな理論書
洋書的な取っつきにくさはあるものの、扱われている内容は音楽理論の初級的なものであり、どちらかといえば楽典に近いともいえそうです。
また、なんといっても「スティーブ・ヴァイによって書かれた音楽理論書」という点が一番のポイントで、ファンの人にとってはそれだけでも読む価値があるはずです。
表紙やカラフルなページなども含め、どこかオシャレな雰囲気もあわせ持っています。
まとめ
ギターのための音楽理論の本について、ここまでいくつかおすすめをご紹介してみました。
ひとえに「ギター向け」と絞ってもいろいろな切り口からさまざまな本がリリースされており、「理論を知ったうえでどのようにギターをプレイしたいか」という点が本を選ぶための目安となりそうです。
まずは上記でご紹介した本をきっかけに理論に触れ、そこからより本格的な音楽理論の学習に進んでいくこともできるはずです。
是非作曲や演奏の品質向上のために、これらの本を上手に活用してみて下さい。
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