ピアノ曲をオーケストラアレンジに書き換える「トランスクライビング」を通して、オーケストラアレンジの実践的な手法を学んでいく書籍「DTMによるオーケストレーション実践講座」についてレビューしていきます。
DTMでオーケストラを知る
トランスクライビングを通して実践的に学ぶ
本書はタイトルの通り、DTMを活用しながらオーケストレーションの技法を学ぶことを目的としています。
楽器ごとの音域や特性、弦楽器・木管楽器・金管楽器のそれぞれのパートの絡み合いなどについての解説は、管弦楽技法の理論書にも通じるところがあります。
既成の楽譜を漠然と眺めていただけではわからない実践的テクニックを知ることで、オーケストレーションの理解を深めていくことができるはずです。
既存曲の「アレンジング」にも言及されています。
オーケストレーション入門書としても良い
「DTMによる~」というタイトルがついていながらも、ソフトの操作方法等についてはあえて割愛されており、反面で、作曲・編曲における根本的な事柄についてしっかりと触れられている、という印象を受けました。
ピアノ一台による演奏をオーケストラアレンジに置き換えていく過程などは、クラシック曲が実際どのようにアレンジされていくかということを体感できるはずです。
高度な編曲法の理論書を読む前の入門書としても活用できると感じました。
リンク