メロディのパターン・種類を考える|音階やリズムによる17のアイディア

こちらでは、メロディのパターン・種類の例を挙げ、それぞれの聴こえ方や特徴などを解説します。

また、記事の最後では動画での解説も行います。

メロディ作りの前提

まず前提として、ポップスやロックの作曲においてはメロディおよびコードに「メジャースケール(ドレミファソラシ)」が活用されます。

音楽理論|メジャースケールの内容とその覚え方、割り出し方、なぜ必要なのか?について

「メジャースケールを作曲に活用すること」の詳しい解説は上記ページに譲りますが、こちらの記事ではそれをもとに、「キー=C」の中で「Cメジャースケール(ドレミファソラシ)」を活用しながらメロディを作っていくこととします。

メロディの一覧

ここからはいくつかの例を挙げながら、メロディのパターン・種類を考えていきます。

メロディをより把握しやすくするために、五線譜とDAWのピアノロール画像を掲載しており、それとあわせてメロディの音源も聴ける状態としています。

またメロディにはコードの伴奏を付けていますが、すべてのメロディにおいて「C→Em」という同じコード進行の伴奏を使用しています。

さらには、メロディはポップスやロックにおけるボーカルメロディを想定していますが、ここではメロディラインを正確に提示するためピアノの音として打ち込んでいます。

1. 4分音符・単音のメロディ

メロディとしてまず初めに想定できるのが、曲の拍子である四分音符に合わせた単音のメロディです。

ここでは「Cメジャースケール(ドレミファソラシ)」の主音である「ド」の音を単に四拍子に乗せて連打しているだけの形となっています。

この状態ではやはり少し機械的で、メロディと呼ぶには味気ないものだと感じられるはずです。

単調なリズム・単音は機械的な印象を与える

この例から、リズム(音符)に変化がなく、かつ音階も同じままではメロディからは単調で無機質な雰囲気が生まれることがわかります。

あえてそのような印象を与えたい場合には、リズム・音階ともに変化をさせないというメロディの作り方が想定できます。

また、多くのポップス・ロックの作曲においてはリスナーになんらかの感動を与えることが目的となるため、このようなメロディが大々的に使われることは稀です。

それでも、このような単調なメロディを人間の声によって歌うとそこから感じられる雰囲気は違ったものになるため、構成の中の一つのアクセントとして活用することもできるでしょう。

2. 4分音符・順次進行のメロディ

次に、前述のメロディをスケールの音階に沿って上昇させるように変形させています

音の高低が生まれたことで少しメロディらしい雰囲気になりました。

それでも、やはり四分音符の単調なリズムに沿って「ドレミファソラシ」を上昇させただけのメロディであるため、無機質な雰囲気がまだ残っています。

スケールをなぞるだけのメロディには注意

既に述べた通り、この例では単にスケールに沿って音を上昇させるだけでメロディを作っています。

音が上がったり下がったりすることでメロディには活き活きした雰囲気が生まれますが、単にスケールをなぞるだけでは不十分であることがこの例を通して理解できるはずです。

※もちろん、状況に応じてそのようなメロディが効果的に働くケースも多く存在します。

また、ここまでにご紹介した二つの例は、メロディを作る技術がなくてもスケールと四分音符を使用するだけで誰にでも作れてしまうものです。

リスナーが魅力的だと感じるメロディを作るためには、まずこれらの例のような機械的で味気ないメロディをどのように回避するか、というところがテーマとなるかもしれません。

3. 4分音符・跳躍進行のメロディ

次に、四分音符のリズムはそのままで、音階を順次進行ではなく跳躍進行のような形になるようにつなげています

メロディ内の各音の間に一音~二音程度の音階の幅が生まれているため、「2」の順次上昇のメロディに比べて少し華やかな雰囲気が感じられます。

また二小節目以降は音を下げていますが、これはボーカル用のメロディであることを前提とした場合の歌いづらさを考慮したものです。

それにより音階にも表情が生まれています。

音程を広げると躍動感が生まれる

前述の「2」の例とこちらのメロディの違いは、音階が「順次進行であるか」「一音~二音飛ばしであるか」の違いだけです。

それを考慮すると広めの音階(音程)が躍動的な雰囲気を生み出すために大切な要素となることがわかります。

この例ではスケールに沿って間隔を空けて音を上げているためメロディ全体の音程も偶然広くなっていますが、活き活きとした雰囲気を出すためにはそのような(メロディ全体の音域を広げるという)観点での作り込みも効果的です。

4. シンコペーション・跳躍進行のメロディ(1)

こちらの例では、音階は「3」の例のままリズムのみを変形させています

具体的には、小節の頭より前からアクセントが付くようなシンコペーションの形を取り入れたり、部分的に八分音符を取り入れてアクセントの位置をずらしています。

単にリズムが変わっただけですが、四分音符だけの単調なリズムを使っていたこれまでのメロディには無かった「メロディらしさ」が生まれていることがわかります。

リズムが与える影響

この例を実際に聴くとわかるように、音階はそのままでもリズムのみを調節するだけでメロディの持つ躍動感は大きく変わります。

特に、この例のような「シンコペーション」や「二種類以上の音符の混在」がそのための鍵となります。

これ以外にも、十六分音符や休符が入ることでさらにメロディはリズミカルなものに変わりますが、どちらにせよ口ずさみたくなってしまうような多くのメロディはこのようなリズムの形になっていることが多いです。

これらを踏まえると、活き活きとしていて魅力的なメロディを作ろうと考えるときにはまずメロディの持つリズムに配慮することがその第一歩になるといえるでしょう。

5. シンコペーション・跳躍進行のメロディ(2)

こちらの例では、「5」の例とは逆に1オクターブ上の「ド」からメロディが始まり、跳躍進行のような形で音が下がって上がる構成となっています。

リズムは同じ形であるため、こちらも同じくメロディらしい雰囲気を持ったものになっていると感じます。

6. シンコペーション・順次進行のメロディ

シンコペーションや音符混在のアイディアはもちろん順次進行の音階にも活用することができます。

こちらのメロディは「2」の例で挙げたメロディをそのようなアイディアによって変形させたものです。

聴き比べてみると、やはりリズムに変化がつけられただけで同じ順次進行の音階を持ったメロディでもその印象が大きく変わることがわかります。

7. 8分音符・単音のメロディ

これまでの四分音符をメインとしたメロディとは別に、より音符のアクセントを細かくするため八分音符を主体としたメロディを想定することも出来ます。

「1」の例と同じような観点から、こちらの例では「ソ」の音を単音として八分音符で連打することでメロディを作っています。

音のアクセントが細かくなったことで四分音符を主体とした単音連打のメロディよりもやや緊張感があると感じます。

ただ、やはりこのような形で組み立てられたメロディは機械的なものに感じられてしまいます

8. シンコペーション・単音のメロディ

次に前述の八分音符のメロディを、既に述べた「シンコペーション」のアイディアによって変形させています。

こちらでは音符を混在させず、小節をまたぐ部分のみをシンコペーションの形としています。

単に八分音符を連打したメロディに比べて、部分的にリズムが少しずれるだけでやはり少し躍動感が生まれていることがわかります。

シンコペーションがアクセントになる

この例からもやはりリズムがメロディに与える効果を感じ取ることができて、少しだけシンコペーションの部分が加わるだけで、単音で無機質だったメロディが活き活きとしたものに変わります

特筆すべきは、このシンコペーションによって少し躍動感が生まれていながらも、元のメロディが持っていた雰囲気がそこまで大きく崩れていないということです。

作曲をしていく中で作っているメロディが少し味気ないものだと感じられた場合には、そこに少しだけシンコペーションを加えることで元となるメロディの雰囲気を保持したまま動きを付けることができるはずです。

9. 8分音符・冒頭/中間切り取り・単音のメロディ

こちらの例ではシンコペーションの代りに小節頭にある音を切り取り、休符が挿入された形となっています。

シンコペーションとはまた違ったリズムのずれが感じられて、こちらもメロディに動きが生まれています。

このような休符を入れるアイディアも活き活きしたメロディを作るために活用していくことができます。

10. 冒頭切り取り・後半シンコペーション・単音のメロディ

こちらでは、前述のシンコペーションと休符のアイディアを掛け合わせるような形でメロディを変形させています。

単音を八分音符で連打していただけの「7」の例に比べて、アクセントが多彩になったことでメロディから感じられる雰囲気が大きく変わっています。

11. 上記メロディの後半を上下させる

「10」の例として挙げたメロディのリズムを保持したまま、後半の音階のみをスケールに沿って上下させています。

なるべく順次進行にならないよう、間に一音程度幅が生まれるように動かしていますが、ここまで来るとかなりメロディらしくなっていることがわかります。

音の上下とアクセントが躍動感につながる

この「11」のメロディからわかることは、いわゆる「活き活きしたメロディ」の要素となるものは「音の上下(音程・音階)」と「アクセント(音符・リズム)」だということです。

音を単音にして、かつリズムも単調にすればするほどそこからは無機質な印象を受けます。

反面でこれらをなるべく避け、音を上下させてリズム的アクセントを多彩にするほどメロディは躍動感のあるものに仕上がっていきます。

12. 音数を減らしたメロディ

次に、これまでのアイディアとは反対にこちらの例では音数をなるべく減らす方向でメロディを作り込んでいます。

音源を聴くと、全体にゆったりした雰囲気が生まれていることがわかります。

「音を減らす」という発想

「メロディ作り」というとどうしても音を沢山鳴らすことを考えてしまいがちですが、この例のようにあえて音を長く伸ばし、空白を大きく取ることも考えられます。

音が詰まりすぎている構成はリスナーに息苦しさをあたえる原因にもなってしまうため、作っているメロディが騒がしく感じられたり、意図して落ち着いた雰囲気を演出したい場合などには音を減らすことを取り入れてみて下さい。

13. フレーズを繰り返すメロディ

こちらの例では一小節に収まるフレーズを繰り返してつなげることで大きなメロディを作っています。

このように、フレーズを繰り返すことでメロディの大きな流れを作ることもできます。

ここではフレーズの始まりの部分にシンコペーションを入れたり、途中で音符をつなげるなどして少し躍動感を出しています。

繰り返すことで大きくなる

この例にある「小さなフレーズを繰り返す」という発想は、メロディを展開させるときに大きなヒントになります。

こちらでは全く同じフレーズを単に繰り返しているだけですが、それでも伴奏のコードが展開していることで不思議とメロディらしくなってしまうものです。

このような「フレーズ繰り返し型」のメロディは、メロディ全体の構造を把握しやすいためリスナーが親しみを持ちやすい傾向があります。

また、ここでも音の上下やリズム、音数に関する部分はこれまでの例と同じで、音を動かすほどに活き活きした印象を与え、音数を減らすほどにゆったりとした雰囲気が生まれます。

14. フレーズを繰り返すメロディの後半を変化させる

こちらの例では、前述の「13」のメロディを流用し、後半の音階とリズムに変化を付けています。

音の進み方にバリエーションが生まれて、より自然な形のメロディになっていると感じられます。

繰り返して変化させる

この例のように、フレーズを繰り返しながら変化させる、という手法はメロディを大きなものに展開させていく際の常套手段ともいえます。

多くのメロディがこのような観点から作られており、古くはクラシックの名曲のメロディなどにも「フレーズを繰り返しながら徐々に変形させていく」というアイディアが取り入れられています。

フレーズ(モチーフ)を繰り返してメロディを展開させていくことについては、下記のページでも別途解説しています。
作曲初心者向け|作曲超入門(2)メロディを作るためのコツ

15. 小さなフレーズを繰り返すメロディ

「フレーズを繰り返す」というアイディアはそのままに、こちらの例ではより小さな音のまとまりを繰り返すことでメロディの流れを作っています。

ピアノロールの画像をみると、三段の階段が規則正しくつながっているような構成になっていることがわかります。

前述の例と同様に、こちらのメロディも単にフレーズを繰り返しているだけでありながらどこか親しみやすさが感じられ、童謡のようにコミカルな雰囲気も感じられます。

16. 小さなフレーズを繰り返すメロディの後半を変化させる

こちらもフレーズを繰り返しながら後半を変化させたメロディの例です。

前述した「14」の例と同じく、少し変化が加わったことでよりメロディらしさが出ています。

17. 伴奏冒頭より前から始まるメロディ

最後は、伴奏の冒頭よりも前から始まるメロディの例です。

小節より前にはみ出した部分を細かい音符で作り込んでいる分、後半部分は音数を減らして対比を付けています。

小節の頭を意識しすぎない

この例のように、メロディは小節の冒頭より大きく前から始まるよう作り込むこともできます。

ここまでに挙げた例はすべて小節冒頭付近からメロディが始まるものばかりでしたが、小節の頭を意識しすぎずに自由な発想でメロディを始めるということも魅力的なメロディを考える際にひとつのアイディアとなりそうです。

動画で解説

ここまでの内容を、下記動画にてまとめて解説しています。こちらも是非参考にしてみてください。

まとめ

ここまでメロディのパターン・種類を、例を挙げながら解説してきました。

こちらで取り上げたもの以外にもさまざまな形のメロディが存在するため、既存曲のメロディを抜き出して「音階」「リズム」「音数」などの観点から自分なりに分析をしてみると、メロディの仕組みやその作り方が理解できるはずです。

是非魅力的なメロディ作りの参考にしてみて下さい。

良い音階と良いリズムを組み合わせることで「良いメロディ」が生まれます。