実体験から作曲上達への道を考える「私はこうやって作曲を上達させました」(1/6)

作曲を独学で進めていくにあたっては、できる限り遠回りをせず、最短距離で最大限の結果を得たいものです。

私も作曲テクニックのほとんどをほぼ独学で身に付けていますが、作曲を始めてから25年ほど経った今、当時あれこれ試行錯誤した経験やそこで得た知識は確実に自分の中に根付いていると感じます。

こちらのページでは、そんな私の独学による作曲上達の経緯を「自分はこんな感じで作曲を上達させました」という切り口でご紹介しています。

この実例が、現在独学で作曲を進めている人、またこれから独学で作曲を覚えていこうとしている人の参考になれば幸いです。

知識ゼロから「独学での作曲」へ

見よう見まねの作曲スタート

私が人生で初めて作曲をしたのは高校一年生の秋、年齢で言えば16歳の頃です。

当時やっていたドラマの、登場人物がオリジナルソングを作る、というシーンを見て、「自分も作ってみようかな~」という軽い気持ちでなにげなく作曲を始めたのがきっかけでした。

中学生のころからギターを弾いてはいましたが、作曲となると未知の領域。

なにから手をつけていいのかさっぱりわかりませんでしたが、それでも弾き語りの経験から「コード」という概念は自分の中にありました。

そこから、「メロディを頭の中で考える」→「それに合うコードを探していく」、という原始的なやり方だけはイメージできました。

鼻歌にコードを付けて、それをつなげていくような感覚です。

こうやって誰にも教わらない作曲活動が始まっていきます。

「コードの特定」が難しい

全くの初心者である自分は、まず思いついたメロディの音をギターで確認し、次にその音が使われているコードを片っ端からリストアップしていきます。

そこから、歌の伴奏としてそれらのコードをひとつずつ弾いて、「どのコードがメロディに一番合っているか?」という観点でコードを確定させていきます。

今考えると、とても骨の折れる作業ですね…(笑)。

我ながらよくやってたなと思います。

理論的な知識が一切ない自分にとって、この「コードを特定する作業」がまず第一の壁でした。

メロディを思いついた時点で「なんとなくこんな響き」というコードのイメージはあるのですが、では実際にそれがどんなコードなのか?ということは言葉では言い表しようがないもの。

とにかく耳で聴いて、目指す響きを特定していく以外に方法がありません。

感覚だけを頼りにやみくもに作業をしているとそのうち何が正解なのかわからなくなっていきます。

自分が割り当てたコードがメロディと合っているのか明確な自信が持てずに、中途半端な気持ちで作曲していたことを覚えています…。

理論もわからず、またコードの機能や効果も知らない自分にとってそれぞれのコードは「ただのアルファベット」でした。

それでもその骨の折れる作業を経て、どうにかして作曲は行われていきました。

初オリジナル曲の完成

出来上がった人生初のオリジナル曲は、今思うとメロディやコードのつながりがギクシャクしていて、さらにはサビもない単純な曲でした。

当時通っていた高校の先生を題材にして歌詞を付けた、いわゆる内輪ウケを狙った曲でした。

それでも当の本人は自分の作品に大満足で、創作の楽しさを体感した高校生の私はそこから次の曲、またその次の曲と制作を継続していくことになります。

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