楽曲提供の方法|楽曲提供したいと思ったときにできる3つの行動と10個の具体的なアイディア

作曲を続けていくなかで、「自分の作った曲を誰かに提供したい」と考える方も多いはずです。

こちらのページでは、普段作曲の講師として活動する私が自分の経験も踏まえ、主にネットを活用した楽曲提供のアイディアや行動、その準備などについてご紹介していきます。

楽曲提供のためのアイディアまとめ

楽曲提供を行うためのアイディアとして、主に以下のような行動が挙げられます。

楽曲提供や自作曲を出品する
  • スキル系サイト(ココナラ等)を利用する
  • ネットショップ(BASE等)を利用する
  • 各種SNS(X[旧Twitter]、Facebook等)を利用する
楽曲募集に応募する
  • クラウドソーシングサービスを利用する
  • 音楽メンバー募集サイトを利用する
  • 単発の募集記事に応募する
自発的に宣伝する
  • ライブ配信サービスの配信者に宣伝する
  • 各種SNSアカウント向けに宣伝する
  • ネット広告を出す
  • 楽曲が必要になるところへ直接コンタクトを取る

これ以降は、それぞれについてより詳しく考えていきます。

1. 楽曲提供や自作曲を出品する

まず一つ目に考えられるのが、楽曲提供を行っていること、または自作曲そのものを直接的に公開し、募集を受け付けるというやり方です。

こちらは、いわば「待ち」の部類に相当するアイディアとなりますが、今すぐに行動できる方法でもあります。

スキル系サイト(ココナラ等)を利用する

現在は、自分の技能をスキル系サイトに出品して応募者を募ることができます。

なかでも「ココナラ」はその代表格で、「スキルのフリーマーケット」という別名がついているように、いろいろな人が、例えば以下のようなサービスを販売しています。

  • イラストを描きます。
  • オンラインレッスンでボイストレーニングをします。
  • ダイエットの相談に乗ります。

リピート依頼もあるかも?

サイトに出品者として登録をしたうえで、上記のように「オリジナル曲を提供しています」という旨を明記すれば、すぐにでも楽曲提供の受付状態を作り上げることができます。

決済などについても、サイトが仲介者として入ってくれるため、個人間の直接の取引に比べて安心です。

自分の曲を気に入ってもらえたら、繰り返し楽曲提供のオファーをいただけるかもしれません

ココナラ

ネットショップ(BASE等)を利用する

いままでは若干敷居が高かったネットショップの開設も、現在では手軽に行えるようになっています。

それらを活用して、「楽曲提供をしていること」や自作曲そのものを商品としてネットで販売することも検討できます。

ネットショップ開設サービスの「BASE」はその筆頭ともいえるものです。

商品ページや決済システムも簡単

「BASE」では簡単な登録によってネットショップのオーナーになることができ、商品ページの作成決済のシステムなども手軽に導入可能です。

商品の販売に際してはいくつかの決まりがあるため、利用にあたり注意が必要です。

BASE

各種SNS(X[Twitter]、Facebook等)を利用する

スキル系サービスやネットショップよりも手軽なのが、SNSを使ってアピールすることです。

例えばXやFadebookなどで

楽曲提供しています。オリジナル曲が欲しい方はご一報ください。
というような旨を定期的に発信すれば、そのような希望を持つ方が何かしらの反応をしてくれるかもしれません。

アカウントのプロフィールページにその旨を明記したり、タイムラインの固定投稿など目立つところに記載しておくやり方も考えられます。

2. 楽曲募集に応募する

二つ目が、既に楽曲を募集しているところに自ら応募するやり方です。

前述のアイディアに比べて、こちらは「攻め」の部類に入るものです。

クラウドソーシングサービスを利用する

最近は、フリーランスで仕事をしているWebライターやエンジニアに向けて、単発で仕事を依頼する「クラウドソーシング」というサービスが充実してきており、そこでは「楽曲を作ってほしい」という仕事の募集がかけられていることがあります。

「ランサーズ」「クラウドワークス」はその代表的なサービスで、それらに自ら応募してみる、というやり方が考えられます。

これは立派な仕事の依頼であり、採用された際には、それが「仕事として楽曲提供を行った経験」になります。

ライバルも多い

そもそも上記のようなクラウドソーシングサービスは、お伝えしたようにWebライターやエンジニア向けの仕事がそのほとんどを占めており、楽曲提供の案件はごくわずかです。

そのような中に応募するということは、少ない募集枠を同じような希望を持ったその他のライバルたちと競うことを意味します。

仕事としての依頼であるため先方の求めるレベルも高く、そのような意味から上級者向けの方法であるといえるでしょう。

ランサーズ

クラウドワークス

音楽メンバー募集サイトを利用する

バンドやユニットなど、音楽メンバーを募集するサイトでは「作曲者」を募集している記事をいくつか見つけることができます。

それも広い意味での「楽曲提供」であり、そこに応募をすることで「作曲者として曲を作ること」を請け負うことができます。

代表的なサイトは「OURSOUNDS」などです。

「作曲者」として、より大きな責任を負う

ここまでにご紹介したいくつかのアイディアが「曲そのもの」や曲を作ることに重きが置かれているのに対し、こちらの場合は一人の「作曲担当者」として、依頼者とより深く関わることになります

楽曲提供を通して誰かとつながったり、複数の人とより親密に楽曲を仕上げていきたいという希望を持った人に合ったアイディアだといえます。

OURSOUNDS

単発の募集記事に応募する

純粋に「楽曲募集」ということだけを考えると、常時さまざまなところでそのような企画は持ち上がっているものです。

例えば

  • ローカルアイドルグループがライブで歌うためのオリジナル曲
  • 地方ラジオで流すための企業のCMソング
  • 劇団が自分たちの公演のために必要とする舞台音楽

などがそれにあたります。

これらの多くは、それぞれの運営するWebサイト上で募集がかけられていたり、公募関連のサイトや雑誌なとに掲載されていることがほとんどです。

それらを定期的にチェックしつつ、チャンスがあれば楽曲提供者として名乗りを上げることができます。

3. 自発的に宣伝する

三つ目にご紹介するアイディアは、楽曲提供を行っている旨をアピールして、未来の案件獲得につなげるというやり方です。

一つ目にご紹介したアイディアに若干似ていますが、そちらが楽曲提供の行為や自作曲そのものを直接的に公表していくのに対して、こちらは潜在的なニーズを掘り起こす意味合いを持っています

ライブ配信サービスの配信者に宣伝する

オリジナル曲は、「自ら歌ってパフォーマンスをしたい、けれどカバー曲では満足できない」という人たちの間でニーズが高いものです。

オンラインで歌やダンスを披露したり、ファンの人たちとつながりを持つ「ライブ配信サービス」には、上記のような希望を持つ方が多く存在するため、そこで

「オリジナル曲を歌ってみませんか?」
と楽曲提供の旨を持ちかけてみる、というやり方が、検討できます。

アプローチする人を見極める

ポイントとなるのが「配信者が『オリジナル曲を歌いたい』という希望を持っているか」という点です。

それには、一定期間そのライブ配信サービスに視聴者として参加をして、配信者がどのような配信を行い、どのようなことを話しているかを観察するのが一番です。

日頃からカバー曲を多く歌っていたり、「オリジナル曲がほしい」というようなことを発言していたら、こちらからのコンタクトにも何らかの反応を示してもらえる可能性が高まります。

またどのライブ配信サービスにおいても、基本的には「『配信者』対『視聴者』」という関係は重視されるため、楽曲提供を打診する際にはそれなりの配慮が必要となるでしょう。

各種SNSアカウント向けに宣伝する

こちらも前述の「ライブ配信サービス」の例と同じく、そのような希望を持った方に向けて直接的にコンタクトを取るアイディアです。

具体的には前述したXやFacebookなどを使い、各ユーザーの日頃からの発言を見極めて、オリジナル曲を欲しているユーザー宛に楽曲提供したい旨を提案します。

YouTubeには歌唱動画をアップしているユーザーも多く、カバー曲ばかりを歌っている人の中にはそのようなニーズも多く埋もれているものです

ネット広告を出す

もっと直接的に楽曲提供を宣伝するやり方が、「ネット広告を使う」というアイディアです。

現在では個人でも手軽にネット広告を出稿することができ、中でも「Google広告」「Facebook広告」「Instagram広告」などはその代表的なものです。

広告を出す以上、費用が発生してしまいますが、真剣に楽曲提供を行っていきたいという方はこのやり方も検討できます。

Google広告

Facebook広告

Instagram広告

楽曲が必要になるところへ直接コンタクトを取る

最後にご紹介するのが、楽曲を求めていそうなところへ直接的にコンタクトを取る、というやり方です。

これは、前述した例でいえば、

  • ローカルアイドルグループがライブで歌うためのオリジナル曲→アイドルグループの所属する団体や事務所
  • 劇団が自分たちの公演のために必要とする舞台音楽→劇団

などを見定め、それらに対して「楽曲募集をしているか?(楽曲提供をしたいと考えているがそういうニーズがあるか)」という旨を確認することを意味します。

先方がそのような希望を持っていれば、何かしらの反応は示してもらえるはずです。

楽曲提供の準備としてやっておくべきこと

ここからは、楽曲提供に際して準備しておくべき事柄について考えていきます。

サンプル音源を用意しておく

音源が「楽曲提供」の判断基準になる

楽曲提供をするにあたり、まず必要となるのが「サンプルの音源」です。

上記でご紹介した「1」~「3」のアイディア全てにおいて、楽曲提供を受ける側の人は「どんな曲を提供してもらえるだろう?」という点を真っ先に気にします。

そのため、楽曲提供を告知する時点で既にサンプルとなる音源を聴けるようにしておく必要があり、それが先方による「提供を受けるか否か」の判断基準にもなります。

check
先方から「音源を下さい」と言われたときすぐに提出できるようにしておくのはもちろん、自分自身のWebサイトやYouTubeなどに楽曲をアップロードしておき、希望者がネット経由ですぐに聴けるようにしておくこともできます。

楽曲の仕上がりと音質を重視する

既に述べたようにサンプル音源は、楽曲提供を受ける人が「この人にオリジナル曲を頼むべきかどうか」を判断する大事な資料となります。

そのため、楽曲そのものの仕上がりには十分に配慮し、さらには音質や聴きやすさにもこだわりたいところです。

音源を用意するにあたっては、必要に応じてきちんとしたレコーディングなどにお金をかけることも考えられます。

ボーカル曲のサンプル音源は、メロディラインを歌声で表現する

ボーカル曲を提供するにあたり、メロディラインは歌声によって表現されている音源が好まれます

これは、その曲が実際に歌われるものになるからで、例えばピアノや管楽器の音でメロディラインが打ち込まれていたり、ボーカロイドでそれが表現されていると、聴いた人はイメージを浮かべづらいものです。

歌詞が付いている状態が最も望ましいですが、歌詞がないとしても「ラララ…」のようになんらかの言葉を使い、歌声によってメロディを歌うようにしましょう

プロフィールを用意しておく

プロフィールでアピールする

前述の「サンプル音源」と共に、楽曲提供の判断材料となるのがプロフィールです。

同じように、提出を求められたら簡潔な文面によってすぐにそれを提出できる状態にしておいたり、自分自身のWebサイトやSNSのアカウントページにプロフィールを掲載しておくこともできます。

特に、以前に楽曲提供を行ったことがある場合にはその旨を記載することで、「一定の経験と技術を有している」ということを先方に伝えることができるでしょう。

プロフィールによって信頼感を与える

上記でご紹介した「ココナラ」やSNSなどを使って個人間で楽曲提供を行う場合には、得意とする音楽ジャンルや、影響を受けたアーティストの情報などもアピールのひとつになることがあります。

また、そもそも顔写真を公表しておくと、依頼者からの信頼度をアップさせることができるため効果的です。

作曲技術を磨く、維持しておく

修正への対応力、作業スピード

「楽曲提供」という性質上、やはりそのメインは「曲を作ること」になるため、その準備として作曲技術を磨いておくことが最も大切です。

特にきちんとした形で曲を提供する場合には、既に提出した楽曲の一部分を修正するよう指示を受けたり、状況に応じてすべてを作り直すことも求められます。

そのような時に、相手の意向を汲んで、素早く質の高い修正ができるか否かが先方からの信頼感につながります

日頃から楽曲の制作を繰り返し、いろいろな要望に対して柔軟に対応できる技術を磨いておきましょう。

苦手分野に関する外部メンバーの充実

また、「楽曲提供」とひとえにいってもそこで行われることはさまざまで、曲を作ったり、編曲をしたり、ミキシングをしたりと作業は細分化されます

人によっては「作曲はできるけれど、編曲は苦手」とか「音源制作に関しては全くわからない」ということもあるため、自分が苦手とする分野をサポートしてくれるような外部のメンバーを確保しておくことも、質の高い楽曲を提供するうえでは欠かせません。

まとめ

ここまで、楽曲提供のアイディアや行動、その準備などについてご紹介してきました。

現在は今まで以上に個人による発信力が高まり、アイディア次第でいろいろなアプローチが取れるようになっています。

上記にご紹介したようなやり方を活用しながら、是非自分らしい方法で楽曲提供の経験を積んでみて下さい。

楽曲提供で「誰かのための作曲」が経験できます。

ポップス・ロック作曲の上達につながる「曲分析ガイドブック」について知る

作曲がぐんぐん上達する「曲分析ガイドブック」のご紹介ページ