作曲のコツ|コードを切り替える速さやタイミングに配慮して、ストーリーの速度を明確に提示する

こちらのページでは、ポップス・ロックの作曲において意識すべき「コードを切り替える速さ、タイミング」について解説していきます。

聴き応えのある曲を作るために、是非参考にしてみて下さい。

コードチェンジで「ストーリーのスピード」を演出する

コードの切り替わりは「背景の切り替わり」

ポップス・ロックにおいて、コードの切り替わりは「背景の切り替わり」のような働きを持ちます。

コードが次々と切り替わると、リスナーは「ストーリーがどんどん展開していく」と感じます。

反面で、コードが切り替わらずにひとつのところにとどまっているとリスナーは「ストーリー展開に乏しい曲だ」と感じるのです。

「I Love You(尾崎豊)」の例

この「コードの切り替わり」の例として挙げることができるのが「I Love You(尾崎豊)」です。

Aメロ

冒頭Aメロでは、小節とコードは以下のような関係になっています。


ここでは一小節の中にコードがひとつだけ存在しており、小節が切り替わるとコードも「A→C#m」と切り替わっていきます。

リスナーが感じているコードのスピード感は標準的なもので、曲の導入部分として落ち着いて曲に向き合うことができます

Bメロ前半

曲はそこからBメロに移り、小節とコードの関係は以下のように変化します。


ここでは一小節中のコードの数が二つに増えます。

コードひとつあたりの拍数は二拍になり、前半にある「D→C#7」が切り替わるスピードはAメロよりも速くなっています。

実際に音を聴いてみると、ゆったりしていたAメロに対してこの部分からはストーリーが動き出したような印象を受けます。

Bメロ後半

さらにそこからBメロ後半に移ると、小節とコードの関係はさらに以下のように変化します。


この部分では、Bメロ前半の速度を維持しつつさらにコード切り替えのタイミングを速めています。

最後の「A→E→(F#m)」の部分ではコードひとつあたりの拍数が一拍のみになっており、次々と違うコードに切り替わっていくことがわかります。

上記例からわかること

上記「I Love You」の例からわかる通り、コードチェンジの速度が速まるほど物語は展開して行くように感じられます。

既に述べたとおり、コードの動きが少ないAメロにはどっしりしている雰囲気があって、曲の導入部分として効果的です。

またコードが切り替わるタイミングをブロックごとに分けているところもポイントで、「Aメロはゆったり」「Bメロはスピードを速める」というように、ブロックが持つ雰囲気を変えています。

これにより、AメロからBメロへブロックが展開したこと明確に打ち出すことができるようになります

作曲への活用方法

曲のスピードをコントロールする

この「コードが切り替わる速さ」の概念を作曲に活かせば、例えば「どっしりした雰囲気を出したい部分」ではあまり頻繁にコードを変えない、という検討ができるはずです。

「I Love You」のAメロのように、一小節中のコードを一つ以下にとどめて、ひとつのコードが変わらずに鳴り続けるような構成を作れば必然的に物語の展開は緩やかになります。

特に曲の導入部分や、Bメロの途中、間奏後など曲の雰囲気を落ち着かせたい場面などでそのようなアプローチを取り入れることができるでしょう。

また、反面で賑やかな雰囲気を出したいような部分では意識的にコードの数を増やして、コードチェンジが頻繁に行われるようにすると求める曲調を表現しやすいはずです。

ブロックの切り替わりを明確にして、曲に起伏をつける

お伝えした通り、この概念はブロック展開を明確に打ち出す際にも活用できます。

「Aメロ」「Bメロ」など、それぞれを明確に違ったものとして提示したい場合にはコードが切り替わる速度を変えるべきです。

それにより曲の中に起伏ができて、コードチェンジの切り替わりによって感じられる曲のストーリーにも緩急が生まれていきます。

また反面で「あえて曲中すべてのコードを同じタイミングで変えていく」というやり方も選択することが出来ます。

これは、曲の始まりから終わりまでコードが淡々と四拍ずつ切り替わっていくような構成を作ることを指します。

このような構成にすることで、曲からは規則正しさのようなものが感じられるはずです。

まとめ

ここまで「コードを切り替える速さ、タイミング」について解説してきました。

作曲において、コードチェンジのタイミングに配慮することは曲のストーリーを効果的に聴かせるために大きな意味を持ちます

是非この点を意識的に作り込み、聴き応えのある曲を目指してください。

コードが切り替わる速さに着目して、既存の曲を分析してみましょう。