作曲や音楽全般を勉強する時についてまわるのが、「音楽理論がさっぱりわからない(難しいと感じる)」という悩みではないでしょうか。
こちらでは、その悩みをどのように解決して、「音楽理論がわかる!使いこなせる!」という状態をどう実現するか、という点について解説していきます。
目次
「音楽理論がわかる」にするための二つ
「音楽理論がわからない」という悩みを解決する方法は、以下の二つです。
- 理論を学びながら、実際の作曲や演奏にそれを結び付ける
- いちから順を追って学ぶ
この悩みを持つ人は知識を学ぼうとしていることがほとんどで、その多くは「使う」というところに目が向いていないものです。
そのため、「その理論を覚えることでこんなにいいことがある」というところをまず明らかにし、学んだ知識を作曲や演奏に結びつける作業を並行して行うと理解が深まります。
これを踏まえると、作曲や演奏を一切やらずにいきなり音楽理論の学習から始めるのは「わからない」を招きやすく危険だといえます。
また他の学習と同じように、やはり基礎があいまいだとその後の知識も理解できないため、必ず順を追って学ぶようにすることが大切です。
これら二つに注意して音楽理論の学習を進めていけば、「わからない…」と思い悩んでしまう事は格段に減っていくはずです。
そもそも音楽理論とはどのようなもので、なぜ必要なのか
音楽理論は「道具」である
結局のところ音楽理論は「作曲(演奏)をやりやすくするための道具」であるため、「それをどう使うか」が見えていないと学習がどうしても息苦しいものになってしまいます。
これは、例えれば「取扱説明書や仕様書だけを延々と読んで覚えているような状態」に似ています。
やはり「何が実現できるか」「なぜ便利なのか」→「結果的に自分の作曲や演奏がどう変わるのか」というところを意識するのが大切なのです。
理論を知っていることで作業が早くなる、正確になる、楽になる
では音楽理論が作曲や演奏に必ず必要かと言われれば決してそうではなく、極論、音楽理論を知らなくても曲は作れますし演奏もできます。
しかし常に経験や感覚に頼ってそれらを行っていると品質にはムラができて、また手探りでやる作曲はものすごく時間が掛かってしまいます。
音楽理論はそれらを緩和してくれるもので、理論を知ることで具体的には以下のような恩恵を受けることができます。
- 論理的に(筋道を立てて)考えながら作曲を進めるため、完成までの時間が早くなる
- きちんとした解釈のもとに作業をするため、常に水準以上の結果が出せる
- 手探りで進める局面が減るため、作業が楽になる
上記で「音楽理論は作曲(演奏)をやりやすくするための道具」と述べたのはこのような理由からです。
「わからない」を無くす、具体的な学習の進め方
これ以降は、「音楽理論がさっぱりわからない…」を極力少なくするための学習の進め方(姿勢)について具体的に考えていきます。
1. 目的を明確にする
既に述べた通り、音楽理論を学ぶうえで何よりも大切なのがこの「目的」です。
「曲を作りたいからまずは理論から勉強しなくちゃ」と、何も考えずに学習を始めてしまうとほとんどの場合壁にぶつかってしまうはずです。
学習に手を付ける前に、まず「理論を学ぶ理由」や「ゴール」などを明確にするところから始めて下さい。
- メロディを作れるようになりたい
- コード進行を作るための基礎知識を知りたい
- 平凡なコード進行しか作れない状態を脱したい
- ヒット曲のコード譜を分析したい
- ギターソロを作れるようになりたい
など、目的がしっかりしていれば理論を学ぶことが意味のあるものになっていきます。
2. 順序に沿っていちから学ぶ
例えば英語の学習が簡単な文法や単語を覚えるところから始まるように、音楽理論もまずは基礎的な理論から覚え、それを踏まえたうえで次なる学習に進む、という手順で進めていきます。
この「音楽理論学習の順序」という点に関しては、以下のページにて詳しく解説しています。
音楽理論を知りたい人のための「学習の見取り図」※独学に活用できる「音楽理論の何をどの順番で学べばいいか」のまとめ
また、中でも特に基礎的な内容に絞って解説しているのが以下のページです。
音楽理論の基礎|初心者が最初に学ぶべき音楽理論の項目と学習の順番(知識ゼロからしっかり理解するための順序と注意点)
ポイントとなるのは「基礎をおろそかにしない」「きちんと理解できるまで次へ進まない」という点で、これを補うのが次の手順です。
3. 実用的な例を通して理解を深める
各段階で学んだ理論は、実用につなげることでより深く理解することができます。
例えば、初級音楽理論にあたる「メジャースケール」という概念がありますが、ただこの理論の詳細を学ぶことと、それをきちんと理解して使いこなすことは全く違います。
そのため、具体的には以下のような取り組みを通して、その「メジャースケール」の知識を実用につなげていきます。
- 「メジャースケール」を使ってメロディを作ってみる
- 既存の曲を「メジャースケール」の概念によって分析してみる
- 既に知っている理論的な知識があれば「メジャースケール」でそれを解釈してみる
これらを通して、単なる「知識」が実用的な道具に変わり、その理論を覚えることの大切さや「その理論をどう便利に使うことができるか」を体感することで理解を深めることができます。
4. 徐々に高度な理論を習得していく
これ以降は、ここまでの手順を繰り返す形で進めていきます。
学習の順番に沿って進め、かつ具体的な活用方法を体感することも並行して行っていきましょう。
【番外編】音楽理論学習の前に、悩みがあってもいい
ここまでは「音楽理論を学ぶこと」を前提としていましたが、理論は実用的であることが大切であるため、突き詰めると学習は悩みを前提としていても構いません。
例えば、既に作曲や演奏をやっていて
というような悩みがあり、
という観点で音楽理論の学習を進める、ということです。
結局これは「目的→学習」という順序をたどることになるのですが、やはり切実な理由があると学習にも前向きになり、実用にもつなげやすくなっていきます。
音楽理論学習のための本について
以下のページでは、音楽理論が学べる書籍をご紹介しています。
そちらも是非参考にしてみて下さい。
音楽理論本おすすめ9冊 作曲にも演奏にも使える音楽理論の知識を書籍で身に付ける
まとめ
ここまで、「音楽理論がわからない…」をどのように解決していくべきか、という点について解説してきました。
「音楽理論」という言葉の響きからはものすごく難しい解釈や定義が連想できて、「理論」と聞くだけで腰が引けてしまっている方も多いのではないでしょうか。
しかしそれを「道具」だと理解して、それによっていろいろな恩恵が受けられるとわかれば、理論を知ることが「学習」ではなく「レベルアップの過程」に変わっていくはずです。
上記手順を通してゆっくりと学んでいけば確実にものにできますので、是非焦らずに、好奇心をもって音楽理論習得に取り組んでみて下さい。
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