「作曲あるある」代表的な7パターン|作曲をしているとよくあること、およびその対処法をまとめました

作曲の先生として活動している内山です。

こちらのページでは、作曲に取り組む多くの人がよく体験する出来事を「作曲あるある」と題して、いくつかご紹介してみます。

「あー、あるある(笑)」

と、共感しながら楽しんでもらえるとありがたいです。

「作曲あるある」のまとめ

今回取り上げる「作曲あるある」は以下の7つです。

  1. 当初考えていたものと全然違うタイプの曲ができあがる
  2. せっかく思いついたメロディを数時間後に忘れてしまう
  3. メロディに合うコードがわからず無理やりコードをつけるも「何だか変だなあ」
  4. 曲を作っていると別の曲のアイディアが思い浮かぶ
  5. 「良いメロディが思いついた!」→「これってどこかで聴いたことあるような…」
  6. Aメロとサビは完成したけどBメロだけが思い浮かばない
  7. 勢いで作って、後で聴き返すと全然良い曲じゃない

作曲をやっている方なら、どれも共感していただける内容ではないでしょうか。

これ以降は、それぞれについて対処法も含めより詳しく考えていきます。

1. 当初考えていたものと全然違うタイプの曲ができあがる

作曲に慣れていない頃、よくあるのがこの

思っていたものと違うものが完成してしまう

というケースです。

私個人としても、特に作曲初心者の頃=作曲をしたい欲求だけが強くて知識や技術が乏しい時期にこのような経験をしています。

「違うもの」ができてしまう原因

このような状況に陥ってしまう原因として考えられるのは、

  • 目的とする曲調に仕上げるために必要となる要素を事前に考えていない
  • 上記要素や曲調を実現するための作り方をしていない

などです。

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より平たくいえば、作曲前にきちんとした完成イメージを持てていない、ということです。

このあたりがあやふやなまま走り出してしまうことで、結果的に違う目的地についてしまうことになります。

裏を返すと、

  • 作曲の前にきちんと完成のイメージを固める
  • 目的とする曲調を実現するためにどのような要素や作り方が必要かを見極め作曲を進める

などを徹底することで、このような状況は避けることができます。

※関連ページ 作曲の前のイメージ作りと、イメージ通りに曲を仕上げるための方法

あえて「違うもの」を楽しむ

このような状況を逆手に取って、あえてその「当初考えていたものと違うタイプの曲」を偶発的な作品として楽しんでしまうこともできます。

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私の場合、作曲を覚えたての頃は曲作りそのものを楽しんでいたため、イメージと違う曲に仕上がってもそれはそれで満足できていました。

自分の持てる力を総動員して作り上げた作品であれば、どんな曲でも愛着が持ててしまうものです。

作品をコントロールする、という意味では未熟ですが、そのように楽しむ姿勢も作曲を続けるうえで大事だと私は考えます。

2. せっかく思いついたメロディを数時間後に忘れてしまう

「思いついたメロディを忘れてしまう」、というケースも作曲をしているとよくあります。

音楽は目に見えないため、頭の中に浮かんだものをメモとして書き留めたりすることが難しく、その点で「記録すること」に何かと苦労するのも作曲の特徴のひとつといえます。

思いついたメロディを忘れないようにする対策

この「忘れてしまう」を回避するためには、純粋に音を記録しておくのが一番手っ取り早く確実です

具体的には、スマホのボイスメモアプリやレコーダーなどを活用し、思いついたメロディはすぐに歌って記録しておくようにします。

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楽譜が書ける人は、五線譜にメロディを書き留めることもできます。

より発展的な対処法

また、この「数時間経ったら忘れてしまう」という状況を

「結局、忘れてしまうくらいに印象の薄いメロディだったということ」

と判断して切り捨てるやり方で対処している人も見かけますが、それもひとつの方法だといえます。

個人的には、少しでも「良いな」と思ったメロディは逐一ボイスメモに記録していくのがより健全かなと考えています。

3. メロディに合うコードがわからず無理やりコードをつけるも「何だか変だなあ」

作曲に慣れていない時によくあるのが、

メロディに無理やりコードをつけて、何だか変だなあと思いつつもその改善方法が見つからず結局そのままにしてしまう

というケースです。

メロディを思いついた時点で、ぼんやりと

「こんなハーモニー(コード)が合うかも」

というイメージがありながら、それを具体的なコードネームや和音の響きとして表現することができない、という状況などもこちらに分類されます。

コードを明確な判断によって定めていくための方法

メロディに対してコードをきちんとつけていけるようになるためには、ある程度の理論的な知識が必要です。

主には、

  • キー
  • ダイアトニックコード
  • コードの機能と代表的な流れ
  • セブンスコード
  • ノンダイアトニックコードの基礎

などを理解しておくことで、ほとんどの局面でコード付けに対処できるようになるはずです。

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これを満たすために、作曲とはまた別の時間を使って音楽理論について学習を進めることが必要です

※関連ページ 音楽理論を知りたい人のための「学習の見取り図」※独学に活用できる「音楽理論の何をどの順番で学べばいいか」のまとめ

それでもコードに納得できない場合

音楽理論の知識がそれなりにある状態で、メロディにつけたコード進行に納得できない場合、そもそも判断の軸がぶれている、ということも考えられます。

そのような場合には

  • ひたすらいろいろなコード進行を試してみる
  • 理想とする音を具体的に楽器などで鳴らしたり、紙に書き出したりして緻密に積み重ねコードにする

などによって対処することが考えられます。

また、いずれにせよ「コードを判別する感覚」は必要となるため、日常的に音楽を沢山聴いてそのようなセンスを磨いておくことも大切です

4. 曲を作っていると別の曲のアイディアが思い浮かぶ

ある一曲を作り上げている過程で思いもよらず創作の感覚が刺激されて、現在取り組んでいる曲とは別の曲のアイディアが思い浮かぶこともよくあります。

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このような状態を「目の前の創作に集中できない浮気性」のように捉え、悪いことをしているように感じてしまう人も多いはずです。

私個人の見解としては、このようなケースは「創作欲求に溢れる素晴らしい状態」だと捉えています。

アイディアは別途記録しておく

このような場合は、そのまま純粋に「思いついたアイディアを必ずきちんと記録しておくこと」をおすすめします。

既にご紹介した通り、ボイスメモアプリを使ったり、思いついたコード進行を書き留めるなどして、忘れないようにしておく姿勢は大切です。

基本的にゼロから曲作りのアイディアをひねり出すのには苦労するもので、それが思いがけず湧いて出てくる状態は歓迎すべきことだといえます。

同時進行の作業はなるべく避ける

また作曲に慣れていないうちは、このような場合になるべく二曲同時に作る行為を避けたいところです。

というのも、一曲を仕上げるのにもエネルギーを使う初心者の段階では、二曲を並行してきちんとしたものに仕上げるのは思いのほか大変だからです。

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「二兎を追うものは一兎をも得ず」という状態になりかねない、ということです。

さらには、次の曲が気になって現在取り組んでいる曲をいい加減に仕上げてしまったり、途中で投げ出してしまうのもあまり良くないケースです。

どんな状況にあっても目の前の曲作りには真摯に向き合っていくべきで、そのような姿勢が

  • 曲をしっかりと作り上げる感覚を身につけること
  • 総合的な作曲レベルを向上させること

につながっていきます。

5. 「良いメロディが思いついた!」→「これってどこかで聴いたことあるような…」

思いついたメロディに対して、

「これってどこかで聴いたことのあるメロディかな?」

と感じ自信が持てなくなってしまうのも、代表的な「作曲あるある」のひとつです。

慣れないうちはあまり厳しくしすぎない

そもそも「メロディ」は、限られた音階や心地良いリズムによって成り立つ音の連なりであるため、少なからず似たようなものができてしまうのは避けられないともいえます。

そのため、この「似たようなメロディ」をある程度許容する姿勢が必要だと私は考えており、特に作曲に慣れていない段階ではその辺りに対してより寛容になるべきです。

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メロディの良し悪しをあまりに厳しく判断してしまうと曲はいつまで経ってもでき上がらず、自己否定の連続のようになってしまうことで作曲そのものもつまらないものに感じられてしまいます。

「似てる/似てない」より「自然かどうか」

メロディの良し悪しは、「似てる/似てない」より「自然かどうか」で判断すべきだと私は考えています。

「何かの曲に似ている感じがするから、違う形にしなきゃ」

と無理にメロディを変形させるのは、不自然なものを生み出すことにつながってしまいます。

それよりも、多少そう感じてもより自然なものを優先する方がより音楽的で、「曲を作る」という観点からいえばより意味があります

この「何かに似てるかも」という疑念は、その程度にとどめておくのがより健全です。

6. Aメロとサビは完成したけどBメロだけが思い浮かばない

曲の中で特定のブロックだけがどうしても思いつかない、という状況も作曲をしているとよく見舞われます。

中でも「A→B→サビ」の形式におけるBメロなどはその代表的なもので、私のところにもよく

「Bメロを作るのにいつも苦労するのですが、どうすればいいでしょうか?」

という相談をいただきます。

前後のブロックからやるべきことを導き出す

「特定のブロックをどのように作るべきか」という方針は、その前後によって決められるものです。

上記の例でいえば、Aメロでメロディを敷き詰めるようにしていたら、直後のBメロでは場面転換を感じさせるように「メロディを抜いて、空白を多めにしてみよう」という判断ができるはずです。

他にも、

「Aはこう」→「だからBはこうしよう」

という判断はいろいろな観点から行うことができます。

そのように、前後のブロックがどのようになっているかをまず見極めることで、必然的に対象となるブロックでやるべきことが見えてくるものです

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この「ブロックがどのようになっているか」を見極める力は、言い方を変えれば「曲を分析する力」ともいえます。

曲をそのように捉えて組み立てることができていれば、ここで挙げたような「やることがわからない」という悩みはおのずと減っていきます

そのブロックにどんな役割を持たせたいか

また、上記とあわせて「そのブロックにどのような役割を持たせたいか」という点も、特定のブロックをスムーズに作るうえでの助けになります。

例えば「A→B→サビ」形式のBメロは「A」と「サビ」をつなぐ橋渡しの役割を持つことが多く、

  • Aからは展開する
  • サビよりは盛り上がらない

などの役割が求められるものです。

各ブロックをこのような観点から捉え、そこでどんなことを実現したいかを明確にすれば、そこに求められるメロディやコード、リズム、構成などの要素もなんとなくイメージできるはずです。

7. 勢いで作って、後で聴き返すと全然良い曲じゃない

「作曲あるある」の最後に挙げたのが、この

「勢いで作った曲がよくよく聴くとあまり良い曲に感じられない」

という事象です。

なんとなく流れで作ってしまったような曲はほとんどの場合どこかにアラがあるもので、冷静になるとそれらがよりはっきりと見えてきます

曲は、なるべく勢いに任せて作らないようにする

このような状態を避けるためには、曲作りを勢いだけに任せて行わないようにすべきです。

より具体的には、

  • きちんと方針を立てる
  • 作業中に手を止めて曲全体を眺める

などによって、自分の作曲を客観的に捉える姿勢が必要となる、ということです。

適正な作曲の速度

一般的に、一曲を作り上げるのには最低でも数日かかるものです

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もちろん、曲全体の骨組みは数時間でも十分に完成させられますが、それを改めて確認したり、部分的に修正をしたりすることで結果的にその程度の時間は必要となります。

これをある程度の目安として、あまりにも速く曲が完成してしまいそうな場合には少し時間を置いて、冷静になることも大切です

例えば、Aメロを作ったら意図的に時間を空けて、落ち着いた状態で改めて次なるブロックを考える、などをしてみてください。

※関連ページ 作曲のペースを上げ、保ち続けるための方法を考える|日常的に作曲をして曲作りを習慣化させる

まとめ

ここまでに述べた「作曲あるある」の中でも、特に作業の進みを悪くしてしまうタイプのものはなるべく改善していけると理想的です

また、その多くは作曲に慣れていないことからくるものでもあるため、作曲の経験を積んでいくことで、

「昔は『あるある』だったけど、最近は無くなったなあ」

という状態になっていくはずです。

「別の曲が思い浮かぶ」は、「良い『あるある』」に分類されるものです。

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