こちらのページでは、作曲のスランプを乗り越えるためのアイディアについてご紹介していきます。
作曲をやっていく中で
- なんだか最近作曲が面白くない
- 似たような曲ばかりできてしまってつまらない
- 作曲を始めても気分が乗らない
などの悩みを持つことは良くあります。
そんな「これって作曲のスランプかも?」という状態を脱して、改めてフレッシュな気持ちで作曲できるようになるために、以下の解説を是非参考にしてみて下さい。
目次
「作曲のスランプ」を正しく捉える
スランプは成長の証し
まず大前提として、これまで作曲を楽しく行えていた人が「なんだか最近作曲を始めても気分が乗らなくて…」という悩みを持つのは決して悪いことではありません。
というのも、以前に比べて作曲がいまいち楽しめなくなってきているのは同じことを既に体験してきているからで、「経験がある=それだけ成長してきている」とも捉えることができるからです。
作るメロディにも、コードにも、以前に比べてどこか面白みが感じられないのはもう既にそれらを作った経験があるからではないでしょうか。
成長していく以上、誰もが必ずこのような気分を味わうもので、同じことを何度もやっていればそれがだんだんと当たり前になり、面白いと思えなくなるのは当然です。
そのような意味から、上達していく過程で味わうそのスランプは必然であり、作曲を楽しめていない自分を必要以上に責めることはないのです。
作曲から心が離れてしまうケース
反面で、「作曲が思うように進まない…」という悩みを発端として、本当に作曲から心が離れてしまうケースもあります。
ただ、このような場合はそもそも作曲のことが大切だと思えなくなってきているため、「自分はスランプだ」とは思わないものです。
「以前に比べて楽しめない、なんとかしなきゃ」と思えている時点で作曲に愛着があり、それを乗り越えるだけの素質を持っているといえます。
作曲のスランプを乗り越える4つの行動
原因は「新たなことに視野を広げられていない」という点
では、冒頭で例として挙げたような「作曲のスランプ」の原因はどこにあるのか?といえば、それは「新たなことに視野を広げられていない」という点に尽きます。
作曲のスランプに悩む多くの人は、同じようなアイディアで、これまでと同じ方法によって作曲をしようとして行き詰まっています。
「新鮮味がない」「いいアイディアが浮かばない」「モチベーションが維持できない」など、それらはすべてマンネリによるものです。
裏を返せば、その点を打破するように行動していけば必然的にスランプは解消されていきます。
4つの行動
以下は上記を踏まえたうえで挙げることができる、作曲のスランプを乗り越えるための4つの行動です。
- 新しい知識を身につける
- 新しい経験をする
- 新しい音楽を聴く
- 新たに音楽を分析する
以下よりひとつずつ解説していきます。
1. 新しい知識を身につける
まず「作曲が楽しめない」という悩みの多くは、新しい知識を身につけることで解消できます。
同じ知識だけを使って、同じようなことばかりをやって曲を作っていればマンネリを感じるのは当然です。
ここでの「新しい知識」とは、作曲の技法やアイディアに関することです。
知らなかったことを学ぶほどにやれることが増えるため、新たな切り口で作曲に取り組んだり、覚えたことを使って作曲をしてみたいという気持ちによってモチベーションが回復していきます。
音楽理論や作曲法をしっかりと学ぶ
「新しい知識」の中でも、音楽理論や作曲法を学ぶことはその好例です。
これまで感覚だけで作曲をやっていたなら、理論や作曲法を一から学ぶことでそれらの感覚が整理され、やるべきことがより鮮明になるはずです。
また、すでに少しだけそれらを学んでいた場合にはより高度な理論を習得することもできます。
現状の自分にとってすこし敷居が高いと感じる音楽書を読んでみたり、教室や学校のようなところに通うこともできるはずです。
現在ではインターネットにさまざまな情報があふれているので、そのようなものも活用できるでしょう。
新たな知識を学ぶことでやれることは必然的に増えていき、結果的に「似たような曲ばかり…」という悩みが解消されます。
また、それまで知らなかったコードの響きや音階の概念、作曲の手法やコツを知るとそれが刺激となって、新たにやる気が出てくるはずです。
2. 新しい経験をする
次にお勧めするのが「新しい経験をする」ということです。
「音楽」という枠の中で、これまでに自分が経験していなかったものに挑戦することも、スランプを乗り越えるためにとても効果があります。
例えば、それまでギターばかりを弾いていたなら新たにピアノに挑戦してみたり、ベースやドラムなどその他の楽器に挑戦することもできます。
それらを通して新しい体験をすると、例えば「ピアノで曲を作ってみようかな」と思えたり、ベースの演奏を通してベースラインを意識した作曲ができるようになるものです。
また、楽器の作曲ばかりをしていたら、PCを使った作曲を経験してみることもできます。
それとは逆に、普段DTMで作曲をしている人は楽器に挑戦することもできます。
新たな環境で音楽に触れることで、それまでになかった視点で作曲に取り組めるようになり、結果的に「作曲がいまいち面白くない…」という悩みは解消されていきます。
3. 新しい音楽を聴く
単純なことでありながら、新しい音楽を聴くことも作曲のスランプを脱するのに効果をもたらします。
悩みを持つ人は、多くの場合自分の好きな音楽だけを狭い範囲で聴いているものです。
聴く音楽の幅を意識的に広げて、新たなサウンドに触れるように行動してみて下さい。
例えば、邦楽ばかりを聴いている人は洋楽を聴くことができます。逆もまた然りです。
ロックが好きな人はジャズを聴いたりクラシックを聴いたり、またいろいろな音楽をある程度聴いてきた人はラテン音楽やその他の民族音楽などに触れてみてもいいでしょう。
作曲とは自分の中に蓄えられた音楽を外に出していく作業であるため、インプットの幅を広げるほど必然的にアウトプットも多彩になっていきます。
「似たような曲ばかりできてしまう…」という悩みは取り入れる音楽を増やすほどに解消されていくでしょう。
現在では定額制の音楽サービスも一般化してきているため、新たな音楽を気軽に聴くことができます。
また、インターネットを活用することで余分なお金をかけずにいろいろなジャンルの音楽を聴くこともできるはずです。
4. 新たに音楽を分析する
作曲のスランプを解消するために最も効果的なのが、この「音楽を分析をする」という行為です。
分析とは「曲の成り立ちを紐解く作業」ですが、これにしっかりと取り組むほど作曲の際の判断力や分析力が鍛えられ、結果として作曲が思い通りにコントロールできるようになっていきます。
是非、ここまでにご紹介した「新しい知識」「新しい経験」「新しい音楽」という三つ掛け合わせて、さらにそれらを分析してみて下さい。
それによって、これまでに自分が知らなかった音楽の側面に触れることができて、それを自分でも作ってみたいと思えるようになるはずです。
結果として「作曲ができない・つまらない」というような悩みは無くなっていきます。
心を柔軟にして音楽と向き合う
分析をするうえで大切なのが「新たな視点を持つ」「音楽をしっかり吟味する」ということです。
そのために既に述べたような「新たな知識・経験・音楽を取り入れる柔軟性」が必要になるのです。
そう考えると、作曲のスランプを乗り越えるための方法すべては「心を柔軟にして音楽と向き合う」ということに集約されるのかなと思えます。
まとめ
ここまで作曲のスランプを乗り越えるためのアイディアについてご紹介してきました。
作曲を何曲か経験していると、誰もがこのような状態に直面するものです。
それでも、既に述べたように「作曲のスランプ」は成長している証拠で、悪いものではありません。
柔軟な心で音楽と向き合い、新たなことに取り組みながらより深く作曲を掘り下げるように対処して、是非前向きな気持ちでスランプを乗り越えていって下さい。
補足
上記の内容に関連して、作曲の学習方法や上達のための道筋について以下のページで解説しています。
是非参考にしてみて下さい。
作曲を独学で進めるときの勉強方法 「上達に欠かせない5つの柱」とは? これをやれば作曲は上手くなる!
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