こちらでは「『メロディ』ってどういう風に作ればいいの?」という疑問をお持ちの方に向けて、メロディの作り方やメロディの持つ性質など、メロディを作るためのコツについて解説していきます。
目次
「メロディを自由に歌う」ということ
「モチーフを発展させる」というイメージで進める
ボーカルメロディのある曲を作る際に基本となるのは「歌いながらメロディを作る」ということです。
それは、作るメロディに「歌って心地良い」とか「歌って無理がない」という性質が求められるためです。
とはいえ「『なにもないところから自由にメロディを作って歌う』なんて、雲をつかむような作業でものすごく大変そう…」と感じてしまう人も多いはずです。
その打開策としてお勧めできるのが「モチーフを活用する」というやり方です。
これは、伴奏として使用しているコードの構成音を足掛かりに小さなモチーフ(小さなフレーズのまとまり)を作り、それを発展させるような感覚でメロディを作っていくやり方を指します。
モチーフ発展の例
モチーフはメロディの最小単位ともいえるものです。
モチーフは、それをそのまま繰り返したり、または伸ばしたり、縮めたり、切ったり、さらには音域を変えたり、反転させたりしながら繰り返してつなげていくことで次第に大きなメロディへと発展させていくことができます。
例えば、伴奏で「C」というコードが鳴っているとします。
その際に、「C」の構成音である「ド、ミ、ソ」を元に「ドミソー」という小さなモチーフを生み出すことができます。
これを単に繰り返してつなげれば
というメロディが出来上がります。
これを反転させて繰り返せば
というメロディが出来上がりますし、伸ばして繰り返せば
となります。
モチーフ発展の複合形でさらに幅を広げる
このモチーフ発展の概念は複合することもできます。
例えば、モチーフを反転させて繰り返す
というかたちをもとに、さらに後半部分に「伸ばす」という発想を複合させると
とすることができます。
さらには、後半部分の一部を切り取れば
というようなメロディも想定できるはずです。
これ以外にも、モチーフ繰り返しと変化・複合の概念を流用することでさまざまなメロディの形を作り出すことができます。
「メロディが思い浮かばない」「メロディがつながっていかない」など、メロディ作りを難しいと感じる場合にはこの「モチーフの発展」の概念が重宝します。
メロディにどのような長さの音符を使うか
メロディのリズムを操る
メロディが持つ音符の長さはそのメロディが生み出すリズム的な性質や印象に直結することが多く、そこに気を配ることでメロディそのものが持つ雰囲気は大きく変わります。
例えば「ド・ミ・ソ・ミ」という音をメロディとして歌う場合、長めの音符を規則正しく使っていけば
というメロディができます。
反対に、短い音符を使えば
というメロディができます。
長い音符をたくさん使えばその分ゆったりとした雰囲気が生まれますし、短い音符を連打するほどにリスナーにはせわしない印象を与えます。
部分的に短い音符を盛り込めば歯切れ良く軽快なメロディも演出できます。
音符の長さによってメロディの持つムードはどのようにも変わるため、メロディを考える際にはそのような点にも配慮が必要です。
まとめ
初心者の方にとって少し難しいと感じられる「メロディ作り」ですが、まずは上記の内容を意識しながら自由な発想で歌ってみるところから始めてみて下さい。
練習を重ねていくことで、少しずつ自由にメロディを生み出せるようになっていきます。
次のページでは、コードの構成を作る時に欠かせない「コードの機能」について解説しています。
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