こちらのページでは「作曲の始め方」として、曲を作ってみたいと思ったあなたが取り組むべき事柄について解説していきます。
ご紹介するのは、以下二つのやり方です。
- 「ピアノ弾き語り」によって作曲を始める方法
- PCを使って作曲を始める方法
これから曲作りを始めてアーティストとして活躍していくために、是非参考にしてみて下さい。
目次
最も手軽に始められるのは「ピアノ弾き語り」という方法
作曲の知識が一切ない方が最も早く、かつ安価に、そして手軽に作曲を始めるための方法は「ピアノ(鍵盤)弾き語りによる作曲」です。
以下ページでは「ピアノ弾き語りによる作曲の方法」について詳しく解説しています。
【ピアノで作曲!楽器が弾けなくても大丈夫】作曲初心者がピアノやキーボードで作曲する方法
用意するもの
この方法によって作曲を始めるにあたり、用意すべきものは鍵盤楽器だけです。
それも、入門の時点で立派なピアノなどは必要なく、まずは安価な電子キーボードがあれば十分です。
これなら新品でも一万円程度で手に入れることができるはずです。
キーボードなら大きな音が出せない環境でも音量を絞ったり、場合によってはイヤホンをして音を確認することもできます。
準備のために難しいセッティングは必要ありませんし、楽器を手に入れたその日からすぐに音を出して使うことができます。
手順概要
以下は「ピアノ弾き語りによる作曲」の手順概要です。
- ピアノで簡単なコード(和音)を演奏する
- その響きをもとにメロディを歌う
- 「コード+メロディ」を伸ばして一曲にしていく
「ピアノ弾き語り」という言葉の通り、ピアノを弾き、歌いながら曲を作り上げていきます。
ピアノの演奏について
ここで、そもそも「ピアノの演奏って難しくないの?」という疑問がわきますが、決してそんなことはありません。
まず、鍵盤楽器は押さえるだけで音が鳴ります。これは(ギターなどの)音を出すことが難しい楽器に比べれば大きな利点となります。
そして演奏には「コード」と呼ばれる和音を活用しますが、入門レベルで使うのは白鍵のみで、押さえる鍵盤の数も少ないためそこまで難しいものだとは感じないはずです。
※コードについては後述します。
手順の詳細について
冒頭でご紹介したページに「ピアノ弾き語りによる作曲」の詳細が記載されていますが、改めてこちらでも手順の詳細を記載します。
- まずピアノで「ドレミファソラシド」を鳴らして音を確認する→音が確認できさえすれば、演奏はゆっくりで構いません。
- その音に合わせ「ラララ…」などの声を出して、「ドレミファソラシド」の音階を歌っておく→これ以降「ドレミファソラシド」の音を使ってメロディを歌っていくため、この手順を通して事前に音の高さを把握しておきます。
- 次にピアノで「ド・ミ・ソ」の鍵盤を同時に鳴らす→「ド・ミ・ソ」の鍵盤の音=「C」というコード
- 上記「ド・ミ・ソ」の鍵盤の音に一定のリズムを付けて、伴奏だと感じられるように演奏する→均一なタイミングで「ジャンジャンジャン…」と鳴らします。
- その響きをもとに、事前に鳴らしていた「ドレミファソラシド」の音を思い出しながらメロディを歌う→「ドドレーミー」や「ミーファラソー」のような音階を持つメロディを「ラララ…」と自由に作り出して歌う、ということです。
- 納得できるメロディが思いついたら、それをスマホのボイスメモなどに音として記録する→これ以降、作曲の途中経過は音声として記録していきます。
- 「ド・ミ・ソ」の鍵盤の音(=「C」というコード)からつなげるように、続けて別のコードに変えて演奏する→なるべく伴奏としてつながるようにコードを切り替えていきます。
- 二つ目のコードの響きを伴奏として、続けて新たにメロディを歌う→ボイスメモの音声とあわせて、コードの順番もノートにメモしていきます。
- これ以降、コードとメロディを同様に伸ばしながら曲を大きなものに発展させていく
「コード演奏の切り替え」について
上記の手順を実施するうえでは、いかにコード演奏の切り替えをスムーズに行うかがポイントとなります。
まず、既に解説したとおり「ド・ミ・ソ」の三つの鍵盤を同時に鳴らすと「C」というコード(和音の響き)が生まれます。
同様に「ド・ミ・ラ」(Am)や「シ・ミ・ソ」(Em)などを鳴らすことによっても別のコードの響きが生まれますが、ここで使用するコードは以下の通り全部で六種類です。
※実際にはコードの種類は膨大ですが、入門時点で使用するのはこの六種類のみで十分です。
コードの切り替えをスムーズに行うには、まずこれら(押さえる鍵盤の場所)を把握すること、そしてそれをスムーズに切り替えられるようになるよう演奏に慣れることが大切です。
「メロディを歌う」ということについて
あわせてポイントとなるのが「コードの響きを伴奏としてメロディを自由に歌う」ということで、これにも慣れが必要です。
コツは「ドレミファソラシド」の音階(音の高さ)を把握することと、例えば「タタター」や「ターンタター」のように、いろいろなリズムの形を知って歌えるようにする、ということです。
経験が少ないうちはメロディを上手く歌えないはずですが、繰り返しやっていくことで徐々に良いメロディを生み出せるようになっていきます。
始めたばかりは誰もが上手くいかない
上記でご紹介した手順に沿って作曲を進めていけば、曲は完成していきます。
おそらく作曲の知識が全くない方でも、無理なく作曲を始めていくことができるはずです。
ここで注意すべき点は「最初から立派な曲を目指そうとしない」ということです。
※この点については以下のページでも詳しく解説しています。
「作曲ができない」と悩む多くの人がなぜ作曲できるようにならないのか?を考える
何ごとにおいてもそうですが、始めたばかりの頃は何をやるにも上手くいきません。
コードの切り替えはたどたどしく、メロディを歌うことにも苦労するはずです。
しかしそれこそが「作曲を始める」ということで、慣れないうちはシンプルなものを目指して、作曲そのものを楽しむ気持ちで取り組むことが大切です。
実際にやることの詳細については、冒頭でご紹介したページとあわせて以下のページも参考にしてみて下さい。
作曲初心者向け|作曲超入門(1)具体的な作曲方法とやり方のコツ
「ピアノ弾き語りによる作曲」はすぐに取り掛かれる
「ピアノ弾き語りによる作曲」は、ピアノですぐに音を出せてメロディを歌いながら作っていくことができるという点が一番の魅力です。
作曲に取り掛かるまでのハードルがとても低いため、「今すぐにでも『作曲=曲を作ること』を始めたい」という方には、真っ先にこの方法をお勧めしています。
ここまでご紹介した知識以外にも、作曲のコツや最低限の音楽理論を知っておくと作業を円滑に進めることができるはずです。
以下のページや当サイトの他ページも是非参考にしてみて下さい。
音楽理論を知りたい人のための「学習の見取り図」※独学に活用できる「音楽理論の何をどの順番で学べばいいか」のまとめ
作曲初心者向け|作曲超入門(2)メロディを作るためのコツ
現在多くの人がイメージする「PCを使った作曲」
知識ゼロから始める作曲で手軽さを重視すると前述の「ピアノ弾き語りによる作曲」に勝るものはありませんが、反面で現在では多くの人が「作曲」というと「PCを使った音楽制作」をイメージするのではないでしょうか。
以下でその始め方についても触れておきます。
「PCを使った作曲」のために用意するもの
まず、このスタイルによって作曲を始めるにあたり必要となるものは、当然のことながら「PC」です。
※音楽制作にはスマホのアプリを活用することもできますが、こちらではよりしっかりとした作曲を想定しPCのみに限定して説明を進めていきます。
既にPCを持っている場合にはそれを活用することもできます。
そして、PCとあわせて必要になるのが「音楽制作用のソフト」です。
これらのソフトは総称として「Digital Audio Workstation」=「DAW(ダウ)」などとも呼ばれています。
実際には音源となるデータをそのソフトに入力しながら曲を作りこんでいきます。
Windows系のPCであれば「Cubase(キューベース)」、Macでは「Logic(ロジック)」などが多くの人に使われています。
まずはPCとソフトがあれば作曲を始められる
上記以外にも、音を入力するための(MIDIキーボード等の)入力機器や、音を確認するためのヘッドフォンやスピーカーなどが必要になります。
しかし、入門の時点ではひとまず「PC」と「ソフト」さえあれば作曲を始められることがほとんどです。
※外部機器は、作曲に慣れた段階でより便利に音を入力したり、曲をしっかりと音源として仕上げるために必要となります。
またPCを使って作曲を進めるにあたっては、データとして打ち込んでいくための音源が必要になりますが、現在では多くの場合ソフトにそれらが含まれています。
※PCを使った作曲(音楽制作)に必要となるものについて、詳しくは以下のページをご確認ください。
作曲に必要なものとは?PCを使った作曲・音楽制作に必要なもの(機材)と費用の目安を詳しく解説します。
「PCを使った作曲」は選択肢が多すぎる
用意すべきものが揃ったらすぐにでも作曲を始めていくことができますが、実際のところ「PC(DAW)を使った作曲」にはさまざまなやり方があります。
というのも、PCはピアノ等の楽器に比べてさまざまな音を出すことができるからです。
またPCでは高度な演奏や、大人数による演奏を再現することもできます。
これは、ひとりで沢山の演奏家に指示を出すことができる状態に似ています。
そのため「PCを使ってどう作曲を始めればいいか?」ということを考える場合、切り口が多すぎて説明に苦労するのです。
PC(DAW)を使いこなそうとするほどわからなくなる
PC(DAW)の中でデータを組み立てて音楽を作っていく作業は、前述の通り複数の演奏家に演奏の指示を細かく出していくのに似ています。
そう考えると、作曲の知識がゼロの状態でこれを行おうとすることがいかに難しいかが容易に想像できるはずです。
PCを使って作曲を始めるにあたり、ポイントとなるのは「PC(DAW)を使いこなそうとしない」ということです。
「PCを使った作曲」では本当にさまざまなことが表現できますが、もしそれを使って作曲を始めるのであれば使う機能を絞り込むべきです。
PCで「ピアノ弾き語りによる作曲」を再現する
上記を踏まえて、お勧めしているのはページ前半で述べた「ピアノ弾き語りによる作曲」をDAW内部に再現するやり方です。
平たく言えば、自分自身がピアノを弾く代わりにPCにピアノを弾いてもらう状態を作る、ということです
具体的には「ピアノロール」と呼ばれる画面にコードとメロディにあたるデータを打ち込んでいきます。
このやり方なら使う音色はピアノのみで、かつポップス・ロックの土台となる「コード」と「メロディ」を軸に作曲を進めていくことができます。
詳しい操作方法はソフトによっても異なるためこちらでは割愛しますが、既に述べた「ピアノ弾き語りによる作曲」の手順を参考にデータを入力しながら作曲を進めてみてください。
常にPCの操作が必要になる
ここまでの解説に加えて、「PCを使った作曲」を始めるうえでもう一つ留意すべきは「作曲を進めるにあたり常にPC(DAW)の操作が常に必要になる」という点です。
例えば音を鳴らしたい時、または「ドミソ」の和音を「ドミラ」に変えたい時、いろいろなメロディを検討したい時など、すべてにおいてPCを操作する必要があります。
押さえればすぐに音が鳴るピアノと比べて、この点が大きく違います。
また、「ピアノを弾くのが大変そうだから」という理由でPCを選んだとしても、結局はPC(DAW)の扱いに慣れる必要があるのです。
直感的に操作ができるか否かを考えると、ピアノに比べてPCによる作業は少し遠回りであるようにも感じられます。
反面で演奏の状態を画面で見ながら確認できる、という利点もあります。
まとめ
ここまで、作曲の始め方について解説してきました。
まとめると以下のようになります。
- 最もお勧めなのは「ピアノ弾き語りによる作曲」という方法で、ピアノさえあれば今すぐにでも作曲を始めることができる
- 「ピアノ弾き語りによる作曲」ではコードを弾きながらメロディを歌って曲を作っていく
- 「PCを使った作曲」によって作曲を始めることも検討できる
- PCを使う場合、それを使いこなそうとするほどやることが難しくなるため、DAW上でピアノ弾き語りを再現するように取り組むのがお勧め
どちらの方法がやりやすいかは人それぞれで、実際に経験してみることで「PCの操作が難しい→ピアノの方が直感的で簡単」とか「ピアノの演奏に苦労する→PCはデータを目で見て確認できるから安心する」などの感想を持つはずです。
こちらの記事を参考に、まずは作曲を始めてみることで一歩踏み出すことができるはずです。
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