作曲のネタをどのように見つけるか|ネタ切れを防ぐため新しい音楽・理論等を活用する

作曲を続けていると、メロディもコードもなんだか同じようなものばかりを作っているような気がして、次第にネタ切れを感じ始めてしまいます

こちらでは、25年以上作曲を続けてきている私がどのように作曲のネタをみつけてきたかを踏まえ、作曲のネタの見つけ方(作曲のネタ切れを防ぐ方法)について解説していきます。

現在ネタ探しについてお困りの方にとって、ひとつのヒントとなれば嬉しいです。

作曲のネタを見つけるための方法概要

私が作曲ネタを見つけるために活用している(してきた)方法は主に以下の三つです。

  1. それまで聴いていなかった音楽を聴いて分析をする
  2. 既存の曲をカバーする
  3. 音楽理論や作曲方法論を勉強する

これ以降で、それぞれをより詳しく解説していきます。

1. それまで聴いていなかった音楽を聴いて分析をする

作曲のネタ探しとして最も効果的なのが「新しい音楽を聴くこと」、そしてそれを分析することです。

これには

  1. ジャンル的観点
  2. アーティスト的観点
  3. 洋楽・邦楽的観点

などがあり、例えば

  • 「ロック」ではなく「クラシック」を聴く
  • 「男性アーティストの音楽」ではなく「女性アーティストの音楽」を聴く
  • 「邦楽」ではなく「洋楽」を聴く

というように、普段自分が聴いていない音楽を意識的に聴くことを指します。

それによって、純粋に「(新鮮な)メロディ」「コード」「リズム」「サウンド」「曲構成や展開」が体感できて、そこからそれらをヒントとして作曲をすること(=作曲のネタ)につながっていきます。

アウトプットのためにインプットを増やす

「ああ作曲のネタが無い!」と悩んでしまった時には、まず真っ先に「新しい音楽を聴いているか?」と自分に問いかけるようにして下さい。

ほとんどの場合においてそれができていないもので、これは簡単にいえば

アウトプットの質を高めるためにインプットを増やす

ということを意味します。

「ネタが無い」と悩むなら、そのネタを探し求めて新しい音楽を聴いていけばいいのです。

個人的な「ブラジル音楽」の経験

実際のところ私もこの「それまで聴いていなかった音楽を聴く」という方法によって何度も作曲のネタ切れを回避できており、具体的には

  • ブラジル音楽
  • ジャズ
  • クラシック
  • 民族音楽

などを聴くことが特に「作曲のネタにする」という意味で効果を発揮しました。

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中でもブラジル音楽は私の作曲観を変えたともいえる程大きな効果をもたらし、それらをネタとしていろいろな音楽を作るようになりました。

「分析」の視点を持つことが大切

この「新しい音楽を聴く」という行為は、単に未知の音楽を聴いて感動したり、それらを通して新たな体験をするというだけでも価値があります。

そのうえで、それを「作曲のネタ」にするためにはやはり分析する視点を持つことが大切で、それを通して単なる感動が再現性のあるものに変わっていきます。

ここでいう「分析」とは、具体的には以下のような行為のことを指します。

  • 曲のコード進行を確認して楽器で演奏する
  • 曲のメロディラインを確認して歌ってみる
  • 曲に使われている楽器の音を確認してDTMで打ち込んでみる
  • 曲の構成や展開をノートに書き出してみる
  • その曲の何が良いか、なぜ良いかをリストアップする

このように、「良いな」と感じたらその理由を探り、自分の作曲にどう活かすことができるかを常に考えるようにして下さい。

聴きながら考える

前述したように私はブラジル音楽を聴いたことで、主にそれまでに体感したことのなかった不思議なコード進行の響きを知りました。

そこから海外のWebサイトや大きめの書店で楽譜を探し、それらがどんなコードでどうつながっているのかを把握していったのですが、私がブラジル音楽から受けた感動を作曲に取り入れることができたのはまさにそのような行為があってのことです。

「分析する」という視点が無ければ、いちリスナーとしてその音楽に触れているだけとなってしまうため、ネタにするためにはこのように「聴きながら考える」という姿勢が大切だといえます。

2. 既存の曲をカバーする

二つ目の方法は、前述した「新しい音楽を聴き、分析する」と近い「既存の曲をカバーする」というやり方です。

これは直接的に「その音楽を楽器で再現すること」を指していますが、DTMを活用してソフトの内部で同じ音楽を作り上げることも、広い意味で「カバー」だといえるでしょう。

音使いやリズムを自ら生み出し、構造を体感する

既に述べたとおり、新しく聴く音楽によって受けた感動はそれを分析することで再現性のあるものとなりますが、カバーをする行為はそれを最も簡単に実現するための方法です。

楽器でカバーをすることはつまり「曲を演奏すること」であるため、カバーによって必然的にその音使いやリズムなどを自ら改めて生み出すことになります。

そこで得た経験が自分の中に蓄積され、実際の作曲におけるネタとなっていくのです。

お勧めは「コードによる弾き語り」

「カバーをする」を考える際にお勧めできるのが「コードによる弾き語り」です。

この点については以下のページでもご紹介しています。
ギター弾き語りをしている人が作曲をするための方法

弾き語りは、

  • 新たなコード進行を知ることができる。
  • それを演奏することで響きを体感できる。
  • それを瞬時に演奏するための技術が身につく。

というように、一石何鳥もの効果を持っており、これはコードにとどまらずメロディやリズムについても同じことがいえます。

ギターやピアノが一台あればすぐにできて、カバーとしては簡単な部類に入るものの高い効果があるため、「新しい音楽を弾き語ること」を習慣にしておくと、それがそのまま作曲のネタになっていくはずです。

これには、ネットコード譜として有名な以下のサイトなどが活用できます。

参考 U-FRET※外部サイト

3. 音楽理論や作曲方法論を勉強する

作曲のネタを得るための三つ目の方法は、音楽理論や作曲方法論を勉強することです。

これは、ネタを「理論」や「技法」として直接的に学ぶことを意味します。

コードやメロディを理論的に生み出す

例えば、それまで感覚的に作曲を行ってきた人が音楽理論を学ぶだけでも、それは十分に「作曲のネタ」になり得るはずです。

なんとなくやっていた作曲が理論に基づいたものになり、コード・メロディを組み立てる時に音楽理論を活用することで、それまで考え付かなかったような新たな展開を生み出すことができるようになります

※関連ページ
音楽理論を知りたい人のための「学習の見取り図」※独学に活用できる「音楽理論の何をどの順番で学べばいいか」のまとめ

上記のページでは音楽理論の習得について順序立てて解説していますが、まだ音楽理論に触れたことの無い人は、これらを参考にいちから学び直すことで理論的な側面からのネタ切れを感じることがより少なくなるはずです。

また、既に音楽理論を活用して作曲を進めている人は、この中でもより高度な技法を理論的に習得していくことで、それを新たな曲作りに活用していくことができるでしょう。

曲展開に関するアイディアを「方法論」から得る

理論とあわせて学んでおきたいのが「作曲方法論」で、これはコードやメロディなどにとどまらない「具体的に曲をどう展開させるか」という知識や技術のことを指すものです。

これを学ぶにはいくつかの方法がありますが、以下のページでご紹介しているような作曲教則本などを読み込むことで、より理解を深めていくことができます。

作曲本のおすすめ7選|初心者がこれから作曲を始める・作曲の幅を広げるために活用できる本をご紹介します

当サイトの、「作曲のコツ」のカテゴリに属する記事も、これらに相当するものです。

参考 「作曲のコツ」記事一覧

曲展開に関するアイディアを「方法論」から得る

前述した「分析・カバーする」という行為を「音楽理論」「作曲方法論」と組み合わせることも、作曲のネタを仕入れるために効果を発揮します。

それは、例えば

  1. 音楽理論の学習を通して「セカンダリードミナント」という手法を知る
  2. 既存の曲を分析して「セカンダリードミナント」の活用方法を確認する
  3. 自分でその曲を弾き語って、「セカンダリードミナント」の響きを体感する

という流れをとることを指します。

※関連ページ
セカンダリードミナントコード|成り立ちとその表記などをわかりやすく解説

これによって音楽理論がより実用的なものとなり、「〇〇という理論があります」という単なる情報を、実用的なネタとして自分の中に蓄えることができるのです。

作曲のネタに困ったら振り返るべき三点

ここまでを踏まえると、「作曲のネタ」は

  1. それまでに聴いたことのない音楽
  2. 音楽理論や作曲方法論の知識
  3. 双方を掛け合わせてデータとして把握し、再現性のあるものとする

という取り組みに集約されます。

平たくいえば、常に新しい音楽を聴き、同時に理論・方法論等を学び、それらを踏まえて分析する視点で音楽に接していれば、それが曲を生み出すためのネタになっていくということです。

「もっと良い曲を作りたい」という思いと、常に学ぶ姿勢を持って音楽に触れていれば、必然的にネタ切れを回避することができます。

作曲のネタに困っている時には、特に

  • 新しい音楽を聴いているか
  • 音楽を学んでいるか
  • それらを元に曲を分析できているか

の三点を振り返るようにしてみて下さい。

まとめ

ここまで作曲のネタを見つけるための方法について、私なりのやり方をご紹介してきました。

ポイントとなるのは「いかにして新鮮な感覚を得るか」という点で、それまでに経験していなかったことを経験するほど、それが新たな作曲への活力になっていきます。

もちろんそれまでの実績は積み重なっているため、既存のアイディアと新たなネタを掛け合わせて新しい曲を生み出すこともできます。

いずれにしても、新しい取り組みを通して常に進化していくことを忘れないようにして下さい。

いろいろな音楽をただ聴くだけでも、それがネタになっていくはずです。