ブロック終わりのコード進行アイディア(代理コード・サブドミナントコード・転調などの活用)

作曲を行っていく中で、主にブロックの終わり部分においては「IV → V → I」や「IIm7 → V7 → I」など、ワンパターンな構成を作り上げてしまいがちです。

こちらのページでは、それらのコードを回避して、バリエーション豊かな構成を提示するためのアイディアをご紹介します。

あわせて、記事最後では動画による解説も行います。

基本となるコード「Dm7 → G7 → C」(キー=C)

今回は、「キー=C」でいう「Dm7 → G7 → C」(IIm7 → V7 → I)の形を基本となるコードとして、それをアレンジする形でパターンをいくつかご提示します。

代理コード

  1. Dm7 → G7 → Am7
  2. Dm7 → Em7 → Am7
  3. Dm7 → E7 → Am7

ここでは「代理コード」の観点から、基本となるコードのうちのいくつかを、似たような構成音を持つコードに置き換えて使用しています。

「1」は、コード進行の着地部分にある「C(I)」を「Am7(VIm7)」に置き換えています。また「2」では、「1」の変形を流用しつつ中間の「G7(V7)」を「Em7(IIIm7)」に置き換えています。

「3」は、「Am7(VIm7)」があることを理由として、そのセカンダリードミナントである「E7(III7)」を直前に挿入しています。

大きな変化はありませんが、音が微妙に変わるため基本となるコードに比べて少し違った印象を与えることができます。

サブドミナント終止

  1. Dm7 → F → C
  2. Dm7 → Fm7 → C
  3. Dm7 → Dm7-5 → C

ドミナントセブンスである「G7(V7)」を一切使用しないようにするため、その代わりに「F(IV)」を活用する、というアイディアです。

「1」は、基本となるコード進行から「G」部分をそのまま「F」に置き換えて、そこから直接「C(I)」に終止させています。

また、「2」「3」は「サブドミナントマイナー終止」のアイディアで、「F」の部分をマイナーコードにする意味で「Fm7」としたり、さらにその代理コードである「Dm7-5(IIm7-5)」を活用しています。

転調

  1. Dm7 → G → A
  2. Dm7 → G → Cm

さらに、ブロック終わりの印象を大きく変えるため、「転調」のアイディアも活用することができます。

「1」では、基本となるコードのうち「C」を「Am7」とした「Dm7 → G7 → Am7」の形をもとに、「Am7」を同主調である「A」に置き換えています。

この場合「A」は遠隔調にあたるため、もとの「キー=C」から「キー=A」に転調してサウンドが大きく変わった印象を与えることとなり、インパクトのある着地部分を演出することができます。

「2」では、同じ観点から基本となるコードの「C」を同主調の「Cm」に置き換えています。こちらは若干サウンドに無理がありますが、特別な展開を聴かせるという意味では効果的です。



サブドミナントで着地

  1. Dm7 → G → FM7
  2. Dm7 → G → Fm7
  3. Dm7 → G → Dm7-5

こちらは、終止部分の「C」をサブドミナントで置き換えるアイディアです。

「1」では「C(I)」がそのまま「F(IV)」に置き換わっており、コード進行の物語が終らずに、そのまま続いていくような印象を与えることができます。

「2」は同様にサブドミナントを活用しつつも、マイナーでそれを行っており、「3」はその代理コードを活用したパターンです。単なる「F(IV)」に比べて、ノンダイアトニックコードでの着地となるため、より特徴的なサウンドを提示することができます。

裏コード

  1. Dm7 → D♭7(9) → CM7

最後は、裏コードを使用したアイディアです。「G7(V7)」をその置換ドミナントコードである「D♭7(♭II7)」に置き換えています。

「G7(V7)」に比べてインパクトのあるサウンドを演出することができます。また、この構成の場合、置き換え後のベースラインが「D → D♭ → C」と半音で下降するところもポイントです。

動画で解説

文章ではよくわからない!」という方のために、下記動画でもブロック終わりのコード進行アイディアについて、実演を交え解説しています。

是非参考にしてみてください。



まとめ

下記、「ブロック終わりのコード進行アイディア」のまとめです。

  • 代理コードなどを活用して、ダイアトニックコードの範囲内で違った展開を作り出すことができる
  • サブドミナントマイナー等のノンダイアトニックコードを活用することで、ダイアトニックコードにない特徴的なサウンドを提示できる
  • 転調や裏コードの活用により、さらにインパクトのある展開も作りあげることができる

ありきたりになってしまいがちなブロック終わりのコード進行も、いろいろなアイディアを活用することでバリエーション豊かな構成を作り上げていくことができます。

いろいろなコード進行を試しながら、是非個性的な展開を模索してみてください。