作曲初心者向け 作曲超入門 具体的な作曲方法とやり方のコツ

こちらでは、初心者・未経験者向けに作曲のやり方を解説していきます。

その前提として、私は普段から多くの作曲初心者のみなさんと接していますが、「作曲がいつまで経ってもできない」という方にはほぼ出会ったことがありません

以下のフォルダ画像は、ある生徒さんが作曲したアイディア音源をまとめたものの一部です。


出会った当時の彼はギターが少し弾ける程度で、作曲の経験はゼロという状態でした。

そんな彼でも、後に述べるやり方で作曲に取り組んだことで、このフォルダにあるとおり1年で次々と曲を生み出せるようになっています。

また、それ以外の初心者のみなさんも同様に、同じ方法によって着実に作曲できるようになっていきます。

こちらのページで解説している方法を順序に沿って実践していくことで、きっとあなたも無理なく1曲をまとめ上げていくことができるはずです。

ぜひ、実践してみて下さい

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こちらでは「ギターやピアノを使った『ボーカルのある曲』の作曲方法」を前提として解説を進めていきますが、その他の作曲を目指す方も、作曲手順の概要は参考にしていただけるかと思います。

「作曲」の本質的な前提

メロディ・ハーモニー・リズムを作る

「作曲」とはすなわち「音楽を作る」ということです。

そのうえで、西洋音楽には「音楽の三要素」という概念があり、「音楽」は

  • メロディ
  • ハーモニー
  • リズム

によって成り立っている、とされています。

この点について、多くの人はなんとなくその概要をイメージできるはずですが、以下にそれを簡単にまとめます。

メロディ

一般的に多くの人がイメージできる「歌」の部分。声に出して歌える旋律そのものを指す。

ハーモニー

複数の音が生み出す響き(=コード、和音)。それが変化することで、メロディの背景としてさまざまな雰囲気が生み出される(=コード進行)。

リズム

手拍子のように「規律のある一定の動き」を意味する。曲の「ノリ」やテンポ感を生み出す。

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カラオケを例にとると、歌が「メロディ」で、スピーカーから流れて来る伴奏が「ハーモニー」と「リズム」を担っている、と解釈できます。

作曲においては「音楽」の要素となるこの「メロディ・ハーモニー・リズム」の三つを作ることが求められます。

「曲」は、ある程度の長さが必要

曲とはすなわち「楽曲」であり、「楽曲」は時間の経過とともに変化をしてリスナーに印象を持たせて何かを感じさせるものです。

作曲は「楽曲」を作ることであるため、

「メロディ・ハーモニー・リズム」のまとまりをある程度の長さになるように展開させて、そこからストーリーを感じられるように組み立てていくこと

が必要となります。

歌いながら、ギターやピアノの伴奏のみで表現できる状態を目指す

ハーモニーとリズムについて

前述した通り、ポップスやロックにおける「ハーモニー」は「コード」などと呼ばれています。

ギターやピアノには「コードフォーム」という概念があり、それに沿って弦や鍵盤を押さえて弾くことで和音を演奏することができます。


また、コードのつながりは「コード進行」と呼ばれ、一般的に「ハーモニー」と同じ意味で扱われます。


コードのみによるギター・ピアノの演奏はハーモニーを最もシンプルに表現でき、かつリズム的な要素もあわせて表現することができます

メロディについて

ボーカルのある曲は基本的に歌いながら作ります。なぜなら、歌には

  • 息継ぎが必要
  • 高すぎる音/低すぎる音が出せない
  • 複雑なリズムが歌えない

などの制限があり、歌のメロディには「歌にしたときの心地良さや無理のなさ」が求められるからです。


これらを踏まえ、「作曲」という段階においては

  • ハーモニーとリズム = コードのみによる伴奏
  • メロディ = 歌

によってそれぞれを表現することとして、

歌いながらギターまたはピアノのコード伴奏によって演奏できる状態」を作ること

を作曲の最終形として目指します。

「作曲で楽器を使うこと」について

ここまでを読んで、

「そもそも、作曲にはやっぱり楽器が必要なの?」

という疑問を持つかもしれませんが、私は個人的に「楽器を使って作曲すること」をおすすめしています

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もちろん、現在ではPCやスマホによる作曲も一般化してきているためそのような選択肢もありますが、それでも楽器でやる作曲をおすすめするのは、やはりそれが一番やりやすく、かつ作曲の理解も確実に深まるからです。

楽器の部分を「DTM」やその他ツールによって代用することも検討できるため、まず初心者のうちは希望に合わせてそのあたりの踏み込み具合を検討しつつ、後々は楽器を使った作曲にステップアップすることを目指してみて下さい。

ギターよりもピアノ

楽器を活用するうえでは、初心者にはギターよりもピアノ(を含む鍵盤楽器全般)をおすすめしています。

なぜなら、ピアノは鍵盤を押さえれば音が鳴るからです(ギターは「音を出す」という点でまず難しさを感じるはずです)。

楽器の経験が無い場合には、ピアノを活用することを検討してみて下さい。

ピアノを使った作曲について、詳しくは以下のページを参考にしてみて下さい。

【ピアノで作曲!楽器が弾けなくても大丈夫】作曲初心者がピアノやキーボードで作曲する方法

ここまでのまとめ

以下は、ここまでに述べた内容のまとめです。

  • 作曲では「メロディ」「ハーモニー」「リズム」を作る
  • 「楽曲」と呼べるものにするためには、ある程度の長さ(展開)が必要
  • 「歌」と「ギターまたはピアノのコード伴奏」を作ること、を目指す

これ以降は、初心者向けの作曲手順について解説していきます。

作曲の手順概要

まず、私が日頃からみなさんに教えている作曲の手順は大きく下記のような流れとなっています。

  1. 楽器でコードをひとつ、または1~3個から成るコードの展開を鳴らす
  2. コードのサウンドを伴奏としてメロディを考える
  3. コードをその先へ展開させる
  4. メロディをさらに展開させる
  5. メロディ・コードのそれぞれを展開させてひとつのまとまりにする

それぞれの項目についてこれ以降で解説していきます。

1. 楽器でコードをひとつ、または1~3個から成るコードの展開を鳴らす

まず、ギターまたはピアノにて特定のコードを鳴らします

コード演奏の際には、下記リンクにあるようなギターコードフォーム、およびピアノコードフォームを確認しておくと作業が進めやすいはずです。

また、この際に「定番のコード進行」のようなものを把握しておき、それを活用して1~3個程度からなるコードの展開を演奏することも効果的です。

▼関連ページ

作曲に使えるコード進行の定番(※初心者向け) 特に頻繁に使われる10パターンのまとめとそのアレンジ

2. コードのサウンドを伴奏としてメロディを考える

次に、コードの響きを伴奏にしつつ、メロディを自由に歌いながら考えます。

ポイントとなるのは、既に述べた「歌って心地いい/無理がないメロディにする」という点です。

▼メロディを作るコツについて、詳しくは以下のページにて解説しています。

メロディが作れない(思い浮かばない)時の打開策|メロディはこうやって作る!を解説します。

3. コードをその先へ展開させる

次に、コードのつながりをさらにその先へと展開させます。

具体的には、例えば一番目のコードとして「C」を鳴らしている場合には以下のようなコードの展開を作っていくことができます。

  • 「C→Dm」
  • 「C→G」
  • 「C→Am」

また、ここでも前述した「定番のコード進行」を考慮しつつ、ある程度親しみやすいコードの展開を意識しながら次なるコードを選択していくことができます。

4. メロディをさらに展開させる

次の手順として、最初に思いついたメロディをさらに展開させます

より具体的にいえば、ここまで

  • 手順1:コードを伴奏として鳴らす
  • 手順2:その響きを伴奏として自由にメロディを歌う
  • 手順3:コードがその先へ展開する

という順序によって曲が展開してきているため、この段階では

「既に歌っていたメロディ(手順2)」をさらに先へ伸ばすように、既に展開していたコードにまたがるようなメロディにしていく

というような発想を持って作業を進めていきます。

5. メロディ・コードのそれぞれをさらに展開させていく

ここから後は、ここまで

「コード」→「メロディ」→「コード」→「メロディ」

という順序でやってきたことを、さらに繰り返していきます。

メロディとコードそのそれぞれを互いに伸ばしながら発展させていくような方法で進める、ということです。

以下のイメージ図のように、「メロディ」と「コード」が互いに追いかけっこをするように展開していく形になるのが理想的です。

6. その後への展開

曲はその後「Aメロ」「サビ」などのまとまりに展開し、そこからさらに1曲へと仕上がっていきます。

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こちらでは「超初心者向け」という点を前提として、解説をここまでにとどめておきます。

作業のポイント

上記の手順を進めていくにあたり、ポイントとなるのは

  • コードをどう操るか
  • メロディをどのように思い浮かべるか
  • 曲をどのように組み立てていくか

などです。

これらの知識がしっかり備わっていて、それをスマートにこなせるほど曲作りは簡単に、かつ速くなります。さらには良い曲として仕上がっていきます。

初心者の時点で全てを完璧にこなすのは難しいですが、やっていくうちに少しずつコツをつかんでいくはずです

どうすればいいかわからない場合の対処法

上記手順に沿って作曲を進めていく中で、慣れないうちは、

  • メロディをどんな形にするか
  • コードはどのような順番でつなげるか
  • サビはどれくらいの大きさにするか

など、いろいろなことに迷ってしまうはずです。

そのようにやるべきことが分からなくなってしまった場合には、自分の好きな曲を題材として、作曲者の観点からそれを分析してみて下さい

この「曲分析」の作業は、作曲の上達に最も効果があり、曲作りと並行して既存曲の分析を熱心に行うことで「曲とはこういうものだ」ということが次第に理解できるようになります。

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作曲に迷ってしまったら「曲分析をする=既存の曲からヒントを得る」、と心に留めておいてください。

▼以下のページでは、曲分析のやり方についてまとめた「曲分析ガイドブック」をご紹介しています。

まとめ

ここまで、作曲超初心者向けに作曲とその手順の概要などについて解説しました。

初心者の時点では、まず上記手順を把握してメロディを歌ったり伴奏となるコードをつなげていく作業に慣れることが大切です。

「自分できるかな…」と考えてしまうはずですが、まずは気楽な気持ちで取り組んでみて下さい。

楽しみながら、まずはやってみましょう!

番外編

特にPC(パソコン)を使ってこれから作曲を始めてみたいという方のために、必要となる機材を以下のページでまとめています。

作曲に必要なものとは?PCを使った作曲・音楽制作に必要なもの(機材)と費用の目安を詳しく解説します。

こちらも、ぜひ作曲活動に役立ててみて下さい。