【間奏がかっこいい曲のまとめ】いろいろな曲から学ぶ、間奏のスタイルやサウンド【邦楽限定】

作曲をしていると、「間奏をどのように仕上げるか?」という点に思いのほか頭を悩ませてしまうものです。

こちらのページではそれを学ぶために、「間奏がかっこいい曲」という観点で既存の曲から参考になるものをいくつか挙げてみます。

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実際のところ、この「かっこいい」の基準も人によってさまざまなはずです。こちらでは、なるべくいろいろなタイプをご紹介できるよう曲を選びました。

是非、曲作りの参考にしてみて下さい。

間奏の作り方については、以下のページにて解説しています。 (作曲)間奏の作り方:コード進行や構成のアイディアをビートルズの楽曲から学ぶ

2000年以降にリリースされた楽曲

「恋愛レボリューション21(モーニング娘。)」


2000年付近における彼女たちの作品には、女性アイドルグループの新しい形を示すように緻密なアレンジが施されています。

中でもこちらの楽曲はそれ代表するようなもので、「2分55秒」あたりから始まる間奏には混沌としたサウンドと尖ったビートの二つの要素が盛り込まれています。

「超超超超いい感じ…」のフレーズは、もはやリアルタイム世代にはお馴染みです。

「白い恋人達(桑田佳祐)」


個人的に、邦楽のバラード曲で「かっこいい=作り込まれている間奏」を前提としたとき、真っ先に思いついたのがこちらの楽曲でした

間奏は「2分41秒」あたりから始まりますが、そこから40秒ほどの長い時間をかけて「ギターソロパート」→「桑田さんの『ダバダ~』のパート」とサウンドが変化します。

どことなく神聖な雰囲気があり、同じような作風はのちのソロ作「明日晴れるかな」の間奏にも引き継がれます。

「フライングゲット(AKB48)」


女性アイドルグループとして一時代を築いたAKB48の作品にも、前述した「モーニング娘。」同様にかっこいい間奏を持つ曲が多く存在します。

中でも、こちらの楽曲はラテンミュージックの躍動感とロックを掛け合わせたようなサウンドを持ち、間奏もその延長線上にあるような作風によってまとめられています。

「2分45秒」あたりで確認できるギターリフから間奏が始まり、アイドルグループの楽曲とは思えないほどの激しいギターソロが繰り広げられます。

「春雷(米津玄師)」


米津さんの楽曲は比較的シンプルなサウンドによって間奏が作り込まれている傾向にあり、その無機質な雰囲気に「かっこいい」が潜んでいると感じます。

こちらの楽曲における間奏は「3分10秒」あたりにあり、シンセのフィルターを掛けたようなこもった音と、前に出て来るビートが心地良いです。

「Lemon」のヒットによってあちら側のパブリックイメージが付いてしまったように感じますが、本来彼の得意とするサウンドはこのようなパーカッシブなものなのではないかと思います。

「おしゃかしゃま(RADWIMPS)」


RADWIMPSといえば演奏技術の高いバンドとして知られていますが、本作の間奏でもそれを存分に楽しむことができます。

間奏が始まるのは「2分40秒」あたり、そしてそこから35秒ほどの間にギターの音が細かく刻まれて、音階も微妙に変化していきます。

安定感のあるリズムによって実現できるこの作風からはなぜかクラシカルな雰囲気も連想できますが、そのように、聴くたびに「かっこいい」と同時に不思議な魅力を感じる間奏です。

「イエスタデイ(Official髭男dism)」


「ピアノロック」とも称される彼らの作品は言葉に重きを置いているものが多いため、どの楽曲も間奏は比較的シンプルに作られているように感じます。

とはいえ、聴きごたえのある間奏を含む楽曲はやはりいくつか存在しており、本作もそのひとつです。

「2分41秒」あたりから始まる間奏は直前の雰囲気を引き継ぐように始まり、中間部分でピアノのソロ、後半に向けたギターのフレーズ、というように場面転換していきます。

スタンダードな手法でありながら、「聴き手を飽きさせない」という間奏本来の役割をきちんと果たしています。

「恋(星野源)」


ヒット曲にもなったこちらの楽曲は、不思議なダンスと共にその特徴的な間奏もよく知られています。

間奏が始まるのは「2分20秒」あたり、サウンドの鍵となっているのはギターのフレーズ、そしてそれを盛り上げるストリングスの音色です。

四小節のフレーズをひたすらに繰り返す構成ですが、間奏のひとつの形としてとても参考になります。

「シュガーソングとビターステップ(UNISON SQUARE GARDEN)」


上記動画における「2分17秒」あたりから始まる本作の間奏も、こちらでテーマとしている「かっこいい」を象徴するようなものです。

この映像は彼らのライブを映したものですが、間奏のスタイルは音源とほぼ同じです。

歯切れの良いカッティング、音が込み入ってくる中盤、そしてギターとベースのユニゾンによってフレーズの厚みを増しながら締めくくられるところなど、聴きどころ満載です。

勢いを残しながら間奏を特徴的なものにするためには、このようにリズムに対して手を加えることが大事だと気づかされます。

「女々しくて(ゴールデンボンバー)」


本作の間奏は、いわゆる「ヴィジュアル系」の楽曲にあるようなギターソロを前面に押し出したものです。

「2分55秒」が間奏の開始点で、その後サビに近いコードの流れを伴奏として、上記で述べたギターソロが展開されます。

この例にあるように間奏を二段構えのような構成にして、そこに聴きどころを作るというやり方は一つの手法として参考になります。

「ワタリドリ([Alexandros])」


躍動感のある曲調を持つ本作の間奏は、「かっこいい」という印象はもちろんのこと、それと同時に「味わい深い」という言葉が似合うようなものです。

「2分23秒」あたりまで展開していたサウンドは間奏によって一旦落ち着き、それまでとはまた違った控えめなムードを演出します。

このアコースティックギターのストロークとシングルラインのギターフレーズはその後につながっていきますが、その予兆のような響きに聴きごたえがあります。

「FUNKASTIC(RIP SLYME)」


この手のヒップホップ系の作品は当然のようにトラックが作り込まれているため、もはや「間奏がかっこいい」という論点からはズレるものです。

とはいえ、なかでもこちらの曲はポップス・ロックに近いような構成を持っており、明確に間奏だと判別できる部分があることからこちらに加えました。

動画における「2分54秒」あたりから始まる間奏にはブレイクビーツあり、ブルース・リー的なサンプリングサウンドもあり、オモチャ箱のような魅力に溢れています。

「私以外私じゃないの(ゲスの極み乙女。)」


今回「かっこいい間奏」を考えるうえで、難解なものやジャズ的なものはあえて外したいと思っていたところですが、本作の間奏には、それをも包み込む興味深い雰囲気があります。

間奏が始まるのは「2分22秒」あたりで、テンポやキーが複雑に変化していくことから、聴いていると自分がどこにいるのかがわからなくなっていくようです。

これを聴くと、実は彼らの音楽性はこの辺りがど真ん中で、間奏にやりたいことを詰め込んでいるのかなとも思えます。

2000年以前にリリースされた楽曲

「Yes, Summerdays(GLAY)」


彼らの楽曲は基本的にロックを感じさせるストレートな間奏を含むことがほとんどですが、中にはこのように作り込んだ間奏を持つ曲も存在しています。

「2分31秒」から始まる間奏の長さは約40秒ほどで、アコギのパートやギターソロのパートなどを含み、多彩に展開していきます。

80年代に流行していた、海外のハードロックの作品にも影響を受けているように感じられます。

「彼女と私の事情(相川七瀬)」


本作の間奏ではブルースハープのソロが主役を張っており、いわゆる一般的な間奏に近いものだと解釈できます。

間奏は上記動画における「3分11秒」あたりから始まりますが、その後に「ヤー!」という掛け声を含む部分があわせて盛り込まれており、それがこの間奏を特徴的なものに感じさせています。

このように、歌詞にならない歌声を意図的に取り入れることができるのも間奏ならではです。

「ニシエヒガシエ(Mr.Children)」


最後にご紹介するのはMr.Childrenの挑戦的な楽曲で、間奏が聴けるのは「3分06秒」あたりです。

それまでの流れを断ち切るような暗く落ち込んだ雰囲気が表現されており、それがなんと間奏として1分ほど繰り広げられます。

この辺りは70年代のプログレッシブロックにも通じる手法ですが、こちらでテーマとしている「かっこいい」という表現が似合うサウンドだと感じます。

まとめ

今回「間奏がかっこいい」という観点で改めて曲を確認してみると、思っていた以上に該当する曲が多く、どれをご紹介するか迷ってしまうほどでした。

ここに挙げたもの以外にも特徴的な間奏を持つ曲は沢山あるため、是非好きなサウンドを持つ曲を見つけてみてほしいです。

やはり、特にロックバンド系またはクラブサウンド系のアーティストは間奏を凝ったものに作り込む傾向があると感じます。

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