【作曲】間奏の作り方|コード進行や構成のアイディアをビートルズの楽曲から学ぶ

以前に「イントロの作り方」と題して、文字どおり「どのようにイントロを作っていくべきか」について解説しました(以下記事)。
【作曲】イントロの作り方|ビートルズの曲を例に挙げてイントロのパターンを解説します。

この「イントロ」と共に、あわせて一曲を完成させていくうえで検討することになるのが

間奏をどのように作るか?
という点です。

確かに「間奏」という言葉はなんだかぼんやりしていて、特に作曲初心者の人にとっては実際のところ何をやればいいのかよくわからないものです。

ということで、こちらのページでは上記の記事と同じくビートルズを題材としながら、「間奏の作り方」について改めて考えていきます

魅力的な一曲にするために、是非参考にしてみて下さい。

【おさらい】間奏の役割

そもそも、間奏は主に以下三つの役割のどれか(またはすべて)を持つものです。

  1. ブロックとブロックをつなぐ
  2. 特定の楽器を目立たせる
  3. 新たな展開を聴かせる

役割1. ブロックとブロックをつなぐ

間奏とはその言葉の意味する通り「間で行われる演奏」であるため、必然的に特定のブロックの間に存在します。

具体的には、

  • 「1コーラス目のサビ」と「2コーラス目のAメロ」
  • 「2コーラス目のサビ」と「最後のサビ」
  • 「Aメロ」と「Bメロ」

のようにブロックの間に間奏が盛り込まれ、それらは結果としてそれぞれのブロックを仲介するような役割を持ちます。

例えば「1コーラス目のサビ」と「2コーラス目のAメロ」をつなぐ場合には、

  • 一旦盛り上がったサビの雰囲気を間奏によって一度落ち着かせて、そこから2コーラス目のAメロにつなぐ
  • 盛り上がったサビの雰囲気を間奏でもそのまま残しながら、2コーラス目のAメロにつなぐ

などの作り込みが検討できます。

いずれにせよ、ここでは「それぞれのブロックをどうつなぐか」という観点が必要になり、それによって作るべき間奏の方向性やコード進行、メロディの扱い方なども変わります。

役割2. 特定の楽器を目立たせる

間奏によくあるのが「ギターソロ」など、特定の楽器を前面に押し出すやり方です。

この場合、例えばロック系の音楽ではギタリストのテクニックを聴かせたり、またジャズやR&Bでは管楽器の音色をクローズアップするなど、それまでアンサンブルの中に埋もれていた音を目立たせるような意図を持つものが多いです。

また、それによって以下に述べる「新たな展開」を生み出すこともあります。

役割3. 新たな展開を聴かせる

前述したように間奏は「ブロック同士の間に存在して、それぞれをつなぐ」という役割を持ちますが、それと同時に新たな展開(雰囲気)を作り出すために活用されることもあります

その場合、間奏は「Aメロ」「サビ」などと並ぶ「ひとつのブロック」として捉えられ、そこではさまざまなアイディアが盛り込まれます。

例えば、

  • 転調させて全く違ったコード進行を扱う
  • それまで登場していなかった新たなサウンドを取り入れる
  • テンポを落として完全に場面転換させる

というようなこともできてしまいますが、この辺りは楽曲によってさまざまです。

役割を複合させることもある

もちろん、上記で述べた役割のそれぞれを以下のように複合させることもあります。

  • 1コーラス目の雰囲気を引き継ぐようなギターソロを盛り込む
  • 管楽器の特別なメロディを盛り込んでそれまでにないサウンドを聴かせる

このように、発想次第ではいろいろなことができてしまうのも間奏の特徴といえます。

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この自由度の高さが間奏の捉えどころのなさにつながっている、とも解釈できます。

実用的な「間奏」のアイディア(ビートルズの楽曲を参考にして考える)

これ以降は、実際にビートルズの楽曲を引き合いに出しながら、間奏の実用的なアイディアについて考えていきます。

1. 特定のブロックにあるコード進行やメロディを流用する

上記で述べた「ブロックとブロックをつなぐ」という点を満たす際に活用できるのが「特定のブロックにあるコード進行やメロディを流用する」というやり方です。

既に登場させていたコード進行やメロディをあえて間奏にすることで、聴き馴染みのある雰囲気を出し、それがブロック同士をスムーズにつなぐ効果を生みます。

また、この手法はリスナーに間奏をすんなりと受け入れてもらえるという利点もあり、既存の楽曲で最も頻繁に活用されています

サンプル曲(1)「Get Back」


この例では「0分39秒」あたりから間奏が始まりますが、間奏では

  • Aメロと同じコード進行
  • 歌のメロディをそのままギターに置き換えたようなギターソロ

が確認できます。

これは、上記で述べた「ブロックとブロックをつなぐ」と「特定の楽器を目立たせる」を複合したものとも捉えられます。

反面で、個人的には「ギターソロ」という性質は弱いようにも感じ、それよりもAメロとほとんど変わらない雰囲気をそのまま間奏で表現してスムーズに曲を展開させているように見受けられます。

サンプル曲(2)「Something」


こちらの例における間奏は「1分43秒」あたりから始まります。

ここでも間奏のコード進行はAメロと同じで、上記「Get Back」の例とは違って、こちらではより明確に「ギターソロ」だと感じるようなギターの演奏が前面に押し出されています。

作曲者のジョージがギタリストであることから、自分自身の演奏をクローズアップさせるためにこの間奏を盛り込んだことが想像できますが、そのような点を踏まえると「特定の楽器を目立たせる」という観点によって成り立つ間奏だと解釈できます。

サンプル曲(3)「Love Me Do」


こちらでは「1分30秒」あたりから間奏が始まり、ここではBメロと同じコード進行が流用されています。

また主役となっているのはハーモニカの音色のため「ハーモニカソロ」が盛り込まれた間奏とも捉えることができますが、演奏されているフレーズはBメロの歌メロディのようでもあり、新規フレーズのようでもある、という中間的なものです。

上記「Something」の例でもそうであったように、コード進行はそのまま他のブロックを流用しつつ、そこで歌のメロディを活用しながらソロをとったり、全く新しいフレーズを生み出すやり方は間奏の典型的な形といえます。

2. 新しくひとつのブロックとして間奏を作り込む

間奏におけるもうひとつの手法が「新しくひとつのブロックとして間奏を作り込む」というやり方です。

ポイントとなるのは「それまでの流れを重視する/しない」という観点で、間奏までの流れを重視する場合には、新しく間奏を生み出しつつも他のブロックを若干流用したり、似通ったサウンドを盛り込むことが検討できます。

また、流れをそこまで重視しない場合には適度に場面転換させたり、既に述べたように全く違った音を扱う・テンポを変えるなど、雰囲気をがらっと変えてしまうこともできます。

サンプル曲(1)「Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band」


この曲における間奏は、「0分44秒」あたりにある管楽器が盛り込まれた部分です。

楽曲はそこまでAメロとして比較的ロックなサウンドと歌によって展開しており、そこから間奏において

  • コード進行が変わる
  • 管楽器の新たなサウンドがメインとなる
  • 「観衆の笑い声」のような効果音が加わる

などの新たな要素が盛り込まれ、一時的に大きく場面転換します

とはいえ、この部分がAメロの雰囲気を全く無視しているかといわれればそうではなく、その後に登場するサビへ(場面転換しつつ)スムーズにつないでいると解釈できます。

つまり「ブロックとブロックをつなぐ」「新たな展開を聴かせる」の双方を満たす間奏として捉えることができる、ということです。

サンプル曲(2)「I Am The Walrus」


こちらでは「2分00秒」あたりから間奏が始まり、上記例と同様にそこから新たな展開を感じることができます。

間奏としては短いものですが、一度伴奏が全て消え、それをきっかけとしてコード進行(アレンジそのもの?)やサウンドも変化します

アンサンブルからドラムの音が無くなり、ストリングスの太い音が前面に押し出されたオーケストラサウンドになる流れはまさに場面転換といえますが、ドラマチックな楽曲ではこのように間奏によって意外性のある展開を聴かせることもできます

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このようなアレンジは、この頃にビートルズが取り組んでいた「サイケデリック・ロック」や、その後にイギリスで流行する「プログレッシブ・ロック」のアプローチに近いものと感じられます。

サンプル曲(3)「Your Mother Should Know」


この例における間奏は「0分47秒」あたりで確認できますが、ここでもそれまでにない新たな展開が盛り込まれています。

本作は歌のあるブロックが基本的に一つで、「Aメロ→サビ」のような流れがないため、この「新たな雰囲気を持った間奏」によってひとつの場面転換や展開が作られていると解釈できます。

このように、ブロックの構成によって同じような雰囲気が続いてしまう場合には、途中に挟む間奏で新たなコード進行やサウンドを登場させリフレッシュを図ることができます

まとめ

ここまで間奏の役割と、ビートルズの楽曲を例に挙げながらその作り方について考えてきました。

まとめると、以下のようになります。

  • 間奏は「ブロックをつなぐ」「特定の楽器を目立たせる」「新たな雰囲気を生み出す」
  • ブロックをつなぎつつ楽器のソロを盛り込むなど、それぞれを複合できる
  • 前後関係を意識して作り込む、または場面転換させることもできる
  • 他ブロックのコード進行のみ流用してそこで楽器のソロを展開するやりかたは定番

上記で挙げた例以外にも、実際のところ間奏はさまざまなアイディアによって作り込まれているため、既存の曲を分析しながら、自分の曲に最適なアプローチを探ってみて下さい。

慣れないうちは「他ブロックの流用」から始めてみましょう。