カノンコード(カノン進行)を活用した作曲の方法|定番のコード進行で親しみやすい曲を作る

数あるコード進行の中でもヒット曲によく活用されているのが「カノンコード(カノン進行)」と呼ばれるコードのつなげ方です。

こちらのページでは、そんなカノンコードを活用した作曲の方法についてご紹介していきます。

この方法を通して、作曲の楽しさを是非体感してみて下さい。

※こちらでは「ギターやピアノを弾きながら歌って作ること」を前提として解説を進めていきます。

カノンコード(カノン進行)のおさらい

まず、今回テーマとする「カノンコード(カノン進行)」について一度おさらいしておきます。

詳しくは以下のページでも解説していますが、一般的にいわれる「カノンコード」とは、「キー=C」を例にすると

C→G→Am→Em→F→C→F→G

というコード進行を指すものです。

※関連ページ
「カノン進行」によるコードのつなげ方と例|定番のコード進行とそのアレンジについて

クラシックの楽曲「パッヘルベルのカノン(以下サンプル動画)」でこのようなコード進行が扱われていることから、ニックネームとして「カノンコード」という呼び名がそこに付けられています。

カノンコードは数あるコード進行の中でもスムーズなコードのつながりを持っており、響きの変化が自然であることからそこにいろいろなメロディが想定できて、使い勝手のいいコード進行だとされています。

また、実際のところカノンコードの解釈は曲によっても異なるもので、似た響きを持つコードによって、例えば以下のようにアレンジされることもあります。

  • C→Em→Am→Em→F→C→F→G
  • C→G→Am→Em→F→C→Dm→G

※赤字がアレンジ部分

それを前提としつつ、こちらのページでは冒頭でご紹介した最も基本的な形を「カノンコード」と捉えたうえで、解説を進めていきます。

カノンコードを活用した作曲手順と詳細

以下は、今回ご紹介する作曲手順の大まかな概要です。

  1. 曲の形式を決める
  2. カノンコードを各ブロックにおけるコードとして割り当てる
  3. 全ブロックのメロディを作る
  4. 一曲に整えて完成

これ以降、手順に沿いながらそれぞれについて詳しく解説していきます。

1. 曲の形式を決める

まず、手順の一番目として曲の形式を大まかに決めます。

ここでいう「形式」とは、

曲がどのようなブロックによって、どう構成されているか

を定義するものです。

この点については、以下のページでも解説しています。
Aメロ・Bメロ・サビなどの意味と、それらを活用した「曲の形式」の例

曲には「Aメロ」「サビ」などと呼ばれる一定のまとまりがあり、それを場面転換のように切り替えながら展開させていくことでそこからストーリーが感じられるようになります。

上記のページで詳しく解説しているように、中でもポップス・ロックでは

  • A→B→サビ
  • A→サビ
  • A→B→A

のような構成が一般的です。

上記にある「A→B→サビ」の形は三つのブロックによって変化をつけやすいことから、こちらのページではそれを曲の形式として採用していきます。

2. カノンコードを各ブロックにおけるコードとして割り当てる

次に、それぞれのブロックに対してコードを割り当てます

今回のテーマは

「カノンコードを活用する」

という点にあるため、手順1で確定した「A→B→サビ」に沿って、「Aメロ」「Bメロ」「サビ」のそれぞれにカノンコードを割り当てていきます

ここではその例として、それぞれのブロックに以下のようなコード進行を割り当てました。

Aメロ
C→G→Am→Em→F→C→F→G
C→G→Am→Em→F→C→F→G
Bメロ
Am→Em→F→C→Am→Em→F→G
サビ
C→G→Am→Em→F→C→F→G
C→G→Am→Em→F→C→F→G→C

以下に、それぞれのブロックで割り当てたコードについて簡単に解説します。

「Aメロ」のコード

Aメロ
C→G→Am→Em→F→C→F→G
C→G→Am→Em→F→C→F→G
まず「Aメロ」には冒頭でご紹介したカノンコード(以下)そのものを割り当てました。

C→G→Am→Em→F→C→F→G

また、コードの切り替えは最も標準的な形である「4拍」に設定し、

C(4拍)→ G(4拍)…

のようにコードを切り替えながらつないでいくとスムーズな流れを生み出せるはずです。

Aメロのサイズについて

カノンコードの長さを考えると、「C→G→Am~」という1回だけではAメロが若干短くなってしまうようにも感じます。

そのため、ここではそれを二回繰り返し、Aメロを全部で「8小節×2=16小節の長さ」としています。

「Bメロ」のコード

Bメロ
Am→Em→F→C→Am→Em→F→G
Bメロでは、Aメロとの違いを出すために何らかのアレンジが必要となります

そこで、ここではカノンコードを流用しつつも、それを途中から始めた

Am→Em→F→C~

というコード進行を作りました。

これによってBメロ冒頭のコードが「Am」となり、「C」から始まっていたAメロに比べて変化が生まれます

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このように、ブロック冒頭のコードは場面転換を強く感じさせるものであるため、作曲を進めるうえでは特に注意して扱う必要があります。
Bメロ全体の長さとコード

Bメロそのものの大きさについても、同様にAメロとの違いをつけることが検討できます。

Aメロが「8小節×2=16小節の長さ」であったことから、ここではBメロを「8小節」として短めに設定しています。

また、前述した「Am→Em→F→C~」を活用しつつ、コードをいくつか組みかえて既にご紹介した以下のコード進行を作っています。

Am→Em→F→C→Am→Em→F→G

これにより

  • ボリュームの大きいAメロ(「C」から始まる)
  • コンパクトなBメロ(「Am」から始まる)

という対比が生まれます。

「サビ」のコード

サビ
C→G→Am→Em→F→C→F→G
C→G→Am→Em→F→C→F→G→C
「サビ」のコード進行はAメロと同じくカノンコードそのものを活用しています。

サビもある程度のボリュームが欲しいと感じるため、ここでもAメロと同じ観点からカノンコードを二回繰り返しています(8小節×2=16小節)。

さらに、サビの最後はきちんと締めくくる意味で、キーの主和音「C」に収まるようにしました


ここまでの流れを通して、全ブロックのコード進行をある程度決めることができました。

「カノンコードを活用した作曲」という意味では、上記までに解説した内容がその中心的なものになります。

3. 全ブロックのメロディを作る

各ブロックのコード進行がまとまったところで、作曲はここからメロディ作りの工程に入っていきます。

今回の手順では、カノンコードを使って既にコード進行が確定できているため、それを背景としてメロディを歌いながら考えていきます

メロディを考えるうえでの基本

初心者が作曲を進めるうえで最も苦労するのが、恐らくこの「メロディを考える」という点です。

メロディを考えるうえでポイントとなるのが「キー」「メジャースケール」の知識です。

※関連ページ
メジャースケールの内容とその覚え方、割り出し方、なぜ必要なのか?について 「キー(音楽)」についての解説|キー=「中心音」と「まとまりのある音のグループ」を意味する言葉

ポップス・ロックなどの曲には「キー」という概念があり、それを成り立たせているのが「メジャースケール」です。

これはつまり、

そのキーに合ったメジャースケールを活用することでコードに合うメロディを生み出すことができる

ということを意味します。

今回の例は「キー=C」であるため、メロディには「Cメジャースケール」である「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ」が活用できます。

メロディ作りのポイント
そのキーに合ったメジャースケールを活用する

カノンコードによるコードの伴奏をもとに、それを背景として「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ」によってメロディを歌いながら考えていきましょう

メロディを作るのに苦労する場合

また上記を理解したうえで、それでもまだやはりメロディ作りを大変だと感じることがあるはずです

その場合には、主に以下のような点を考慮することでそれを緩和させることができます。

  • コードの構成音を活用しつつ、メジャースケールに沿ってメロディを展開させる
  • メロディを「刻む」または「伸ばす」という観点を持つ
  • スケールに沿って音を進める「順次進行」か、音を離して進める「跳躍進行」
  • メロディを「同時」「前から」「後から」のどれかによって始める

それぞれについて、詳しくは以下のページにて解説しています。
メロディが作れない(思い浮かばない)時の打開策|メロディはこうやって作る!を解説します。

このような点を心に留めながらメロディ作りを何度も行っていくことで、次第に魅力的なメロディを生み出していくことができるようになっていきます

メロディを考えるコツ
  • 「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ」を活用する
  • コードの構成音を意識する
  • 「刻む」か「伸ばす」か
  • 「順次進行」「跳躍進行」のどちらで進めるか
  • 「同時」「前から」「後から」のどれで始めるか

ブロックごとのメロディの対比

既に述べたように、「Aメロ」「サビ」など、それぞれのブロックを作る際には場面転換や違いが求められます。

もちろんメロディを作る際にもその点に留意すべきで、具体的には

  • Aメロは刻むようなメロディだったからBメロは伸ばしてみる
  • サビは跳躍進行を多めに取り入れてインパクトのある音階を聴かせる

というように、それぞれを差別化することが検討できます。

このような取り組みを通して、今回の形式として取り入れた「A→B→サビ」のすべてのブロックのメロディを作り上げてみて下さい。

4. 一曲に整えて完成

ここまでが完成したら、曲作りはいよいよ終盤に差し掛かります。

ここから「イントロ」「間奏」などを付け、それらを「一曲」だと感じられるようにまとめ上げていきましょう。

「イントロ」「間奏」の作り方について、詳しくは以下のページで解説しています。
【作曲】イントロの作り方|ビートルズの曲を例に挙げてイントロのパターンを解説します。 【作曲】間奏の作り方|コード進行や構成のアイディアをビートルズの楽曲から学ぶ

ここまでの流れを通して、曲は完成していきます。

カノンコードを活用した作曲のデメリット

ここまでにご紹介した手順は、テーマのとおり「カノンコードを活用する」という観点に沿ったものです。

これは「コード進行を新たに考えなくてもいい」というメリットがある反面で、「メロディを自由に動かすことができない」というデメリットにもつながってしまいます。

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カノンコードが既にあることから、作業が必然的に「コード進行に当てはまるようなメロディを考える」というやり方になってしまうからです。

それを解消する意味で、本来私は「メロディとコードを互いに少しずつ展開させる」という作曲のやり方をお勧めしています。

作曲する感覚がつかめたら、是非そちらのやり方にも挑戦してみて欲しいです。

※この点について、詳しくは以下のページで解説しています。
作曲初心者向け|作曲超入門(1)具体的な作曲方法とやり方のコツ

まとめ

ここまで、カノンコードを活用した作曲の方法について解説してきました。

以下はそのまとめです。

  • カノンコードを活用して、各ブロックのコード進行をあらかじめ決めることができる。
  • メロディはそのキーに合ったメジャースケールで歌う。
  • 各ブロックをいろいろな要素によって差別化し、場面転換を明確にする。
  • 実際のところ、既に決まっているコード進行を前提としてメロディを考えるのは思いのほか難しい。

上記で述べた「カノンコードを活用した作曲」は、コード進行に悩む必要がないことから、作曲に慣れていない人におすすめできるやり方だといえます。

これをステップとして、是非いちからコード進行を組み立てる本格的な作曲にも挑戦してみて下さい。

カノンコード以外にも、魅力的なコードの流れは多数存在します。

補足

以下のページでは作曲を上達させるための方法について詳しく解説しています。

【作曲を独学で進めるときの勉強方法】これをやれば作曲は上手くなる!「上達に欠かせない5つの柱」とは?