メロディからコードを探す方法|思いついたメロディにコードをつけるための手順と選び方のコツ

作曲をしていると「頭の中に浮かんだこのメロディをもとに作曲をしていきたい!」と思うことがあるはずです。

こちらのページでは、そんなときに役立つ「思いついたメロディにコードをつけるための手順とコード選びのコツ」について解説していきます。

作業のおおまかな手順は以下の通りです。

  1. メロディに使われている音を明らかにする
  2. メロディの実音を元にメジャースケール=キーを明らかにする
  3. キーをもとにダイアトニックコードからコードを当てはめる

これ以降にて、より詳しくご説明していきます。

※上記とは反対の「コードにメロディをつける方法」については、以下のページにて解説しています。
コード(コード進行)からメロディを作る|コードの伴奏の上で自由にメロディを歌うことの概要とそのコツについて

「メジャースケール」「キー」について

作業に入る前に、まず前提となる知識について簡単に確認しておきます。

メロディからコードを明らかにするにあたって、必要となるのが「メジャースケール」と「キー」の知識です。

▼関連ページ
メジャースケールの内容とその覚え方、割り出し方、なぜ必要なのか?について キー(音楽)について|キー=「中心音」と「まとまりのある音のグループ」を意味する言葉

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正確には、これとは別に「マイナースケール」を活用する方法もありますが、同じやり方をそちらにも流用できるため、ここではメジャースケールで行う方法に絞り解説を進めていきます。

メジャースケールは、メロディ・コードの元になるもの

「メジャースケール」とは簡単にいえば「音のグループ」のことで、ポップス・ロックにおけるメロディとコードは、基本的にひとつのメジャースケールをもとに組み立てられます。

それが「キー」と呼ばれる概念で、例えば「キー=C(メジャー)」であれば、メロディは基本的に

「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ」

をもとに組み立てられます。

同じく、コード進行にはその「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ」をもとにした「Cメジャーダイアトニックコード」(以下例)の7個のコードが主に活用されます。

Cメジャーダイアトニックコード
C, Dm, Em, F, G, Am, Bm-5

もちろん、これにとどまらないメロディやコードの動きも頻繁に取り入れられて曲は成り立っていますが、音楽の統一感を生み出すのがこの「メジャースケール」=「キー」の概念で、これは音楽の軸になるものともいえます。

メロディからコードを探すにあたり、まず

「ほとんどの音楽は『キー』という概念をもとに、そのキーに紐づく『メジャースケール』の音を主に使いながら成り立っている」

という点を理解して下さい。

メジャースケール=キーがわかれば、そこからコードを割り出すことができる

これは、裏を返せば

「メジャースケール=音のグループさえ明らかにできれば、そこでどんなコードを使えばいいかが大体わかる」

ということにつながります。

メロディにコードをつける作業はこの考えをもとに行うもので、つまりページ冒頭で述べたものと同じように、

  1. メロディだけがある
  2. メロディをもとにメジャースケール=キーを割り出す
  3. キーがわかることで使われているコードも予測できる

という手順に沿って、既にあるメロディからコードを割り出すことができる、ということです。

メロディにコードをつける手順

1. メロディに使われている音を明らかにする

メロディにコードをつけるにあたり、上記で述べた通りまず一番最初に「メロディを実音として把握すること」が必要となります。

これを行うにはピアノなどの鍵盤楽器があると便利ですが、楽器が無い場合にはピアノアプリなどを使うこともできます

※ここでは楽器を使うことを前提として解説を進めます。

メロディを記録し、音源に合わせて楽器で実音を確認する

まず第一に、思いついたメロディをスマホのボイスメモなどに直接アカペラで歌いながら録音して下さい

これは、「メロディを忘れてしまうこと」を防ぐ意味でも効果的です。

そのうえで、次にメロディを再生しながらそのメロディラインに含まれる音を(楽器を使って)実音として把握していきます

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ボイスメモから流れる音に被せるかたちで楽器を弾いたりしながら、例えば「『ドーレミー』かな?」というように、メロディを音名として確認します

確認できたメロディの音名は、そのまま「ドーレミー」のようにメモするなどして簡単に書き留めておいて下さい。

2. メロディの実音を元にメジャースケール=キーを明らかにする

メロディの音名が把握できたら、二番目の手順としてそれをメジャースケールの一覧と照らし合わせます

以下はメジャースケール一覧の表です。

この表では、上から「C」「G」… というように12個のスケールが並んでいます。

この表をもとに、「メロディの音がどのメジャースケールに含まれているか?」という点を明らかにしていきます。

メジャースケール判別の例(1)

例えば、メロディの音が

「ソ・ラ・シ・ミ~」

というようなもとして把握できたとします。

そこには

「ソ」「ラ」「シ」「ミ」

という4つの音が含まれており、それらの音と上記メジャースケール一覧を照合すると、そのすべてが含まれるスケールは

  • 「Cメジャースケール」
  • 「Gメジャースケール」
  • 「Dメジャースケール」

だということがわかります。

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※その他のメジャースケールでは「ソ」「ラ」「シ」「ミ」のいずれかに「#」や「♭」が付いているため、対象外だと判別できます。

メジャースケール判別の例(2)

他にも、例えば

「ド#ー・ミ・ファ#ー・ミ」

というメロディだと把握できていた場合には、「『ド#』『ミ』『ファ#』の音が含まれているスケール」という観点から

  • 「Dメジャースケール」
  • 「Aメジャースケール」
  • 「Eメジャースケール」
  • 「Bメジャースケール」

などを選ぶことができます。

メジャースケール判別のポイント

上記の解説の通り、メロディに含まれる音とメジャースケールを照合する際には「#」「♭」などの変化記号に着目するようにしてください。

そのうえで、それらをしっかりと満たすスケールを割り出すようにしていきましょう。

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メロディに使われている音(=判別の材料となる音)の種類が増えると、その分だけ予測できるメジャースケールはより絞られていきます

メジャースケール判別の例外

また、思いついたメロディによっては音使いが変則的な形になっていることもあります

その場合には

「メロディの大部分の音を含むメジャースケールはどれか?」

という観点で作業を進めるようにしてみて下さい。

(※メジャースケール内に含まれていない音がいくつかあってもそれを許容する、ということです)

ここまでの作業を通して、「思いついたメロディがどのメジャースケールによって成り立っているか」という点を予測することができます。

3. キーをもとにダイアトニックコードからコードを当てはめる

次に、三番目の手順として予測できたメジャースケールをダイアトニックコードに置き換え、コードを予測していきます

これ以降の手順が、この作業の一番の目的となる部分です。

3-1. メジャースケールをキーのダイアトニックコードに置き換える

まず、メジャースケールはそのままキーに置き換えて捉えることができます

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例えば「Cメジャースケール」は「キー=Cメジャー」に置き換えることができます。

それを踏まえ、これ以前の作業で明らかにできていたスケールをキーに置き換え、以下のようなダイアトニックコード一覧表からそのキーのダイアトニックコードを明らかにします。

これは、例えば予測できたメジャースケールが「Aメジャースケール」だった場合には、「キー=A(メジャー)」のダイアトニックコードである、

A, Bm, C#m, D, E, F#m, G#m-5

というコードのメンバーを割り出すことを意味します。

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前述の例のように、複数のキーを候補として挙げていた場合にはその分だけ割り出せるダイアトニックコードの数が増えることになります

3-2 ダイアトニックコードの中からいくつかコードを選び、メロディの伴奏として弾いてみる

次に、いよいよ実際にコードそのものを予測します。

具体的には、キーを元に割り出したダイアトニックコードからいくつかのコードを選び、メロディの伴奏としてそれらを弾いていきます

前述の例でいえば、

A, Bm, C#m, D, E, F#m, G#m-5

というコードのメンバーのうち「A」「Bm」などを候補として、メロディに合わせてそれらを鳴らして確認していく、ということです。

コードを選ぶコツ(1)

前述の例のように複数のキーを予測できていた場合には、それぞれのキーのダイアトニックコードに共通するコードが含まれるはずです。

コードを選ぶ際にはまずそれらを優先して選んでいくようにしてみて下さい。

コードを選ぶコツ(2)

また、メロディには

  • 長く伸ばす音
  • 何度も登場する音
  • アクセントの強い音

などが存在するはずです。

前述したメロディ例

「ド#ー・ミ・ファ#ー・ミ」

における「ミ」の音などがそれにあたりますが、コードを選ぶ際には特に「コードにその音が含まれているか?」という観点で選ぶようにしてみて下さい。

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一般的に、メロディの中で存在感のある音がコードに含まれている方が、コードは心地良く響きます。

その他の注意点について

ここまでの手順を通して、メロディに合うコードの予測をいくつか立て、伴奏としてそれらを鳴らしながら確認していくことができます。

その他の注意点についても、以下にあわせてまとめておきます。

1. コードを判別できる感覚を持っておく

そもそも、一つのメロディにはいろいろなコードを割り当てることができてしまいます

(例えば、前述のメロディ例「ド#ー・ミ・ファ#ー・ミ」にはコード「A」も「F#m」も、どちらも合います

そのうえで、結局のところ「このメロディにこのコードが合っている」と明確に判定できるのは本人だけです。

つまり、

メロディのみの時点でぼんやりとコードの響きをイメージしておくこと

が「コードがメロディに合っているか?」という点をしっかりと判定できるようにするために大切だといえます。

2. キーを明らかにする

この手順によって一つのコードが明らかになり、そこからさらに次のコードを明らかにしていこうとする際には、前述した「キー」の概念が重宝します。

というのも、前述した通りメロディのキーが定まっていれば、ダイアトニックコードをもとにしてある程度のコード進行が予測できるからです。

※キーをもとにしたコード進行の定型については以下のページでもご紹介しています。

コード進行を数字で表す利点・代表的な数字パターンの解説(キー別のコード進行を効率良く覚える/扱うための概念)

このことから、もし前述の例のようにキーを複数予測していた場合には、なるべく早めにキーをしっかりと確定させることが求められます。

イメージ通りのコードを割り出すことができない場合

ここまでの手順を実施してもイメージ通りのコードを割り出すことができない場合には、以下のような原因が考えられます。

  • 思いついたメロディの実音を正確に把握できていない
  • ひとつのメジャースケールにとどまらない音がメロディに沢山使われている
  • ダイアトニックコード以外のコードをイメージしている
  • ダイアトニックコードの中でもより響きが複雑なもの(テンションコード等)をイメージしている

ここまでに解説したのは「メロディがメジャースケール内に収まる」「ダイアトニックコードにあるコードをイメージしている」という一般的なケースを前提としたものです。

もちろん例外は多々あり、それらを特定して行くにはさまざまなコードの知識やスケールの知識が必要になります。

作曲を繰り返したり、音楽理論を深く覚えるほど柔軟に対応していけるようになっていきますので、思いついたメロディはその時のためにしっかりと記録しておきましょう。

▼関連ページ 「ノンダイアトニックコード」の意味とその種類の解説(活用のルールやコード進行例等)

補足

メロディに対して最適なコードをスムーズに割り当てるためには、やはり音楽理論の知識が欠かせません。

以下のページでは「音楽理論学習の見取り図」と題してその辺りを整理して解説していますので、是非そちらも参考にしてみて下さい。
音楽理論を知りたい人のための「学習の見取り図」※独学に活用できる「音楽理論の何をどの順番で学べばいいか」のまとめ

まとめ

ここまで、思いついたメロディからコードを探すための方法を解説してきました。

改めて手順をまとめます。

  1. メロディの実音を明らかにする
  2. 実音を元にメロディのキーを明らかにする
  3. キーをもとにダイアトニックコードを明らかにする
  4. ダイアトニックコードからコードを予測する

既に述べた通りメロディやコードにはいろいろなパターンが存在するため、こちらでご紹介した方法をもとにして、それを自分なりにアレンジしてみることも大切です。

また、上記で解説しているとおりコードをスムーズに割り出すにはやはり「メジャースケール」や「キー」の理解が必要で、さらにはいろいろなコードを知っているほど作業は円滑に進められるはずです

何度かやっているうちにコードを探す行為も徐々に上達するため、是非楽しみながら取り組んでみて下さい。

候補をいくつか挙げて、その中からコードを定めていくと進めやすいはずです。

補足

一般的には「メロディからコードを探す」よりも「コードからメロディを思い浮かべる」という方が簡単であるため、以下のページではその方法を使った初心者向けの作曲手順について解説しています。

そちらも是非参考にしてみて下さい。
作曲初心者向け|作曲超入門(1)具体的な作曲方法とやり方のコツ

ポップス・ロック作曲の上達につながる「曲分析ガイドブック」について知る

「曲分析ガイドブック」のご紹介ページ