バンドの作曲|バンドのための曲の作り方、知識と手順など

バンド活動をしているみなさんの中で、「オリジナル曲を作って、それを演奏してみたい」という思いを持たれている方は案外多いはずです。

こちらのページではそんなみなさんのために「バンドのために作曲をする」ということについて解説していきます。

「バンドのための作曲」は大きく二つのやり方によって行われる

バンドで作曲をする場合に問題となるのは「誰が作曲をするのか」という点です。

通常バンドで作曲をする場合、大きく分けて下記の二つのパターンが想定されます。

1. 誰かが作曲する

ひとつめは、バンドメンバーのうちの一人(またはバンド以外の誰か)が作曲をする、というやり方です。

作られる曲は、当然のように「バンドで演奏できる」ということが前提となります。

そのため、多くの場合作曲の時点ではメロディとコード進行のみを作曲者が作り、その後にバンドのメンバーが曲を編曲します。

また、例えば作曲者の中で「この部分のベースラインはこういう風に弾いてほしい」というような具体的なアイディアがある場合には、作曲者が編曲を担当することもあります。

そのような場合には、DTM等によってそのアイディアも含めた音源がメンバーに提示されます。

2. バンドメンバー全員で作曲する

もうひとつは、オリジナル曲のもとになるような小さなアイディアをバンドメンバー全員で相談しながら膨らませ、大きな一曲へとまとめていくやり方です。

メンバー全員でギターなどを持ち寄って、コードを弾いたりメロディを歌ったりしながら曲をまとめていきます。

また、スタジオで実際にメンバーがそれぞれの楽器を演奏しながら、編曲を含めて作曲を進めていくこともあります。

「セッションしながら曲作りをする」と言われるようなスタイルがこれにあたります。

制作のきっかけとなるものは「短いコード進行」や「リフ」などさまざまです。

それをもとに全員で展開を考えたり、セッションでの演奏をもとにボーカリストがその場でメロディをつけたり、いろいろなアプローチがとられます。

誰か一人が作曲をするときの流れ

手順(1)メロディとコード進行のみの作曲

前述したように、バンドメンバーのうちの誰か一人(あるいはバンド以外の誰か)が作曲をする際には、曲は「メロディ+コード進行」というシンプルな状態にまとめられます。

楽器を弾き語りしたりDAWソフトを使用したりしながらメロディとコード進行が検討され、その後いくつかのブロックをつなげて一曲にまとめ上げられます。

この際の作曲手順は、一般的な作曲手順と同じです。

※具体的な作曲手順については下記をご参照ください。
作曲初心者向け 作曲超入門 具体的な作曲方法とやり方のコツ

手順(2)バンドメンバーによる編曲

出来上がったオリジナル曲は、メロディとコード進行がわかる音源としてバンドメンバーに提示されます。

その際に、音源を受け取ったメンバーが曲の構成コード進行を把握できるようにするため、コード譜についても同じく作曲者から提示されます。

メンバーはそれらを確認し、その後のスタジオなどでそれぞれのアイディアによって担当楽器の演奏に編曲され、バンドアンサンブルとしてオリジナル曲が演奏できる状態となります。

バンドに、プロデューサーや編曲を統括するようなメンバーがいる場合には、作曲の後にデモ音源がそちらに預けられることもあります。

この場合、各楽器にてどのような演奏を行うかがそちらで検討され、バンドメンバーはその内容をもとに演奏をする、という流れとなります。

※編曲への流れはバンドの形態や制作のルールによってさまざまなアプローチがとられます。

バンドメンバー全員で、セッションにより作曲することについて

曲をまとめていくための技術が求められる

スタジオでのセッションなどを通してメンバー全員の手によって作曲をしていく場合には、「アイディアを瞬時に演奏として表現する技術」「編曲の技術」が求められます。

既に述べた通り、セッションによる曲作りでは、多くの場合小さなフレーズやリフなどをもとに少しずつ曲を展開させていきます。

その際には、即座にアイディアを出したり、自分以外の演奏者が何をやっているかを把握して、瞬時に自分の演奏をそれに合わせる技術が必要となります。

それにより、一人では思いつかなかったような様々なアイディアが出され、曲が「バンドらしいもの」に仕上がっていきます。

それこそが、この作曲方法の醍醐味と言えるかもしれません。

メンバー全員による作曲はやや敷居が高い

同じような意味から、アイディアをまとめて行くために「バンドとしての結束力」も必要となります。

また、スタジオなどの限られた時間の中で曲を仕上げていくことになるため、曲がちぐはぐなものになりやすい、というリスクもあります。

これらを踏まえると、バンドメンバー全員で作曲をしていくやり方は、作曲初心者の方には少々敷居が高い作業と言えるでしょう。

バンドでのセッションによる作曲を解説した本

なお、作曲の教則本として「バンドでセッションをしながら作曲をする」ということを解説した本もあります。

これからバンドメンバーによるセッションでの作曲をやってみようと考えている場合には、このような書籍がその参考になるかもしれません。


また、以下のページではこちらの書籍を含めた作曲教則本のおすすめについてご紹介しています。
作曲本のおすすめ7選|初心者がこれから作曲を始める・作曲の幅を広げるために活用できる本をご紹介します

まとめ

ここまで、作曲をバンドのために行うことについてご紹介しました。

まとめると下記のようになります。

  • バンドでの作曲方法には大きく分けて「ひとりが作曲する」「メンバー全員で作曲する」という二つがある
  • 「ひとりが作曲する」という場合、曲は「メロディとコード」のシンプルなものにまとめられ、その後バンドによって編曲されることが多い
  • 「メンバー全員で作曲する」という場合、「短い展開」や「リフ」などを発展させるように、セッションの中で作曲が行われる
  • 「メンバー全員で作曲する」というやり方は、作曲初心者にとってやや敷居が高い

「これからバンドのための作曲をやってみたい」と考えている方には、まず前述の「ひとりが作曲をする」というやり方をお勧めします。

それにより、「バンドでの曲作り」の一般的な流れが把握できるはずです。

「メロディとコード」というシンプルな状態が、メンバーによって編曲されていくのを聴くのも作曲者として楽しいものです。

そのあたりまでくると、自分たちのオリジナリティを発揮しながら、より充実したバンド活動を行えていると感じられるようになるはずです。

是非楽しみながら、魅力的なバンド曲を沢山作ってください!

バンド用の作曲は「編曲されること」が前提となります

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