作曲の時のアイディアは「突然何の前触れもなくひらめくもの」として語られがちです。
こちらのページでは私の経験をもとに、そんな「作曲のアイディア」の実態について考えていきます。
「作曲のアイディア」の正体
本当に「降りてくる」のか?
ビートルズの「イエスタデイ」はポールが夢の中で思いついたメロディがきっかけとなった、というのはファンにとって有名な話です。
よく「降りてくる」などと言われたりしますが、作曲のアイディアというのは本当にそんな風に「降りてくるもの」なのでしょうか。
これについては、本当に人それぞれかと思います。さらに言えば、曲によってもそれは違うと思います。
本当に稀に見る才能の持ち主であれば、ほとんどの曲を「降りてきた」アイディアによって作ってしまう人もいるのかもしれません。
いわゆるモーツァルト的な人です。
また上記の「イエスタデイ」のポールのように、特定の一曲について何かに導かれるようにパパッと作ってしまうというケースもあります。
「意図的な作曲」がほとんど
とはいえ上記のような作曲は特殊で、ほとんどの曲は作曲者の意図的な思考によって作られています。
私が20代の頃にインタビューする機会のあったプロ作曲家の方も、「作曲のアイディアは考えて考えて考え抜いた末に生まれる」と語っていました。
この方はいわゆる職業作家で、某男性アイドルグループに曲を提供したりしているベテランです。
そこまでのプロフェッショナルなので、当時の自分からすると「きっとスラスラと作曲するんだろうな」と思っていました。
それだけにこの言葉はちょっと驚きで、彼いわく「最初のアイディアに辿り着くまでが難しい」とのことでした。
これも人それぞれかとは思いますが、彼の場合とにかく長時間かけて必死に考えるらしいです。
楽器も何もない状態で曲のアイディアをひたすら考えて、「これだ!」と思えるところまであれやこれや思考を巡らせてやっとのことで糸口をつかむようです。
職業作家でもそのような苦労を経て曲を作り出しているんですね…。
結局考えるしかない
上記の言葉からも、やはり「降りてくるアイディア」がいかに特殊かということがわかります。
そうとわかればやることはひとつで、とにかく曲を沢山聴くこと、そして作曲の技術を学んだらあとは良い曲を生み出すためにアイディアを一生懸命考えることです。
それなくして、名曲は生まれません。
頭で考えすぎていかにも人工的な曲になってしまうパターンもありますが、それでも作曲とは結局そのような作業なのだと思います。
そうして良い曲が出来上がったときに、また達成感が感じられるはずです。
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