こちらのページでは、作曲を進めるにあたり注意すべき「音域」という概念と、その点に気を配るべき理由や重要性について解説していきます。
目次
軽視されがちな「音域」
ボーカルメロディのある曲はメロディを歌いながら作る
そもそも、ボーカルメロディのある曲はメロディを歌いながら作っていきます。
それは、歌ってみて無理がない曲、または歌ってみて心地良い曲にする必要があるためで、これは作業の軸になるともいえる根本的な概念です。
そのうえで、案外多くの人が軽視している点が「ボーカルメロディの音域」です。
メロディの音域に対する配慮が二の次になってしまう
作曲者は思いついたメロディをやはり大切にしたがるものです。
その際に「良いメロディだから採用したい」という気持ちばかりが優先され、「そのメロディの音域に無理がないか?」という観点が二の次にされてしまうことがあります。
多くの作曲者はメロディの中に高すぎる部分や低すぎる部分があっても「なんとか歌えるだろう」と安易に対処してしまいがちです。
既に述べた通り、ボーカルメロディを作る際には「歌いやすい」とか「歌って無理がない」という観点が必ず必要になるため、このような作曲の進め方はその方針に反しているといえます。
メロディの音域への対処方法
では、作曲者はボーカルメロディの音域についてどのように対処すべきなのでしょうか。
やるべきことは以下の二点です。
- 適正音域を守りながらメロディを作る
- 適正音域に反するメロディを採用したい場合には修正をする
以下より詳しく解説していきます。
適正な音域を守るということ
一般的に、誰もが無理なく歌える音域の広さは「1オクターブ半程度」であるとされています。
もちろん個人差はありますが、メロディの音域がおおむねその範囲内に収まっていればほとんどの人が歌えます。
そのため、作曲をしていて曲全体のメロディがある程度揃ってきたら、そこからは適正音域である「1オクターブ半」を極端にオーバーしないようにメロディを作り込んでいくようにして下さい。
「音域」という点を判定の基準にする
ポイントとなるのは、この「1オクターブ半程度」が音域の広さであるという点です。
例えばAメロから曲を作り始めて、サビに差し掛かった時に良いなと思えるメロディが思いついたとします。
その際、もしその思いついたメロディの音が高くて歌いづらかった場合には「高すぎて歌えないから不採用」とするべきか、といわれると、そんなことはありません。
問題は「曲全体のメロディの音域が1オクターブ半を極端にオーバーするか?」という点であり、判定の結果はこの場合のAメロなどそれ以前に作られていたメロディによって変わります。
メロディが採用できるケース
例えばAメロなどのメロディがある程度の音の高さを持っていて、サビの「高くて歌いづらいメロディ」を含めてもメロディ全体の音域が1オクターブ半を超過していなければ、そのメロディは採用できます。
その場合には曲のメロディ全体を移調すれば対処することができるからです。
例えメロディ全体の音を移調によって下げても、音域が適正であれば低すぎる部分・高すぎる部分が生まれずメロディはしっかりと歌えます。
メロディに検討が必要なケース
反面で、この例におけるAメロなどにとても低い音があった場合には検討が必要です。
この場合、もし音の高い部分を下げる意味で移調をすると、今度はその低い部分が低くなりすぎてしまって歌えない、という状態が生じてしまうからです。
適正音域に反するメロディが思いついた場合の修正
上記を通して、もし思いついたメロディによって適正音域を超過してしまう場合(それでもそのメロディをなんとか採用したい場合)には、以下二点どちらかの方法によって修正が必要です。
- 思いついたメロディの一部音階を修正して適正音域に収まるようにする
- 曲の他の部分にあるメロディを修正して全体を適正音域に収まるようにする
気に入ったメロディを修正するのは難しいものですが、もし高すぎる音を下げることでメロディが適正音域に収まるような場合には、そのような修正を検討してみて下さい。
また、多くの場合は思いついたメロディそのものを修正するのが難しいため、もしそのメロディを採用したい場合にはその他のメロディを修正します。
具体的には、既に思いついていたメロディの低い音をより高い音に修正します。
それによって曲全体を通したメロディの音域が1オクターブ半程度に収まるようになっていきます。
音域に関する注意事項
歌いたくない曲を生み出してしまう
この音域に関する注意点は歌いやすさにつながるものです。
適正音域をオーバーしていると、歌はとても歌いづらいものになります。
それはすなわち、歌っていて楽しくない、ということを意味するのです。
せっかく作った歌が、歌っていて楽しくなくてあまり歌いたくないと思えてしまうとしたら、作曲の作業そのものが意味の無いものになってしまいます。
そのような意味から、この「メロディの音域に配慮をして作曲をすること」の重要性を改めて理解し、必ずそれを守って作業を進めるようにしてください。
結局は自己責任
それでも、例えばシンガーソングライターが自分で歌う曲を作る際に「無理すれば歌える高さだから適正音域を超過していてもこのメロディを採用しよう」と対処するのは自由です。
「裏声なら歌える」「叫ぶように無理やり歌えば声が出せる」などのように、この点は結局それを歌う人次第です。
ここまでに述べた適正音域に関する指摘は、あくまでも「歌いやすい曲を作るための注意点」だと捉えて下さい。
まとめ
ここまで「メロディの音域」について解説を行ってきました。
特に、バンドメンバーがボーカリストの為に曲を作ったり、また作曲家として曲を誰かに提供する場合にはこの点についてしっかりと配慮すべきです。
適正音域を守りながら、無理なく歌える良い曲を是非目指してください。
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