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作曲初心者向け | 作曲超入門(3)

「コード進行」という概念

コードを変えることでストーリーを演出する

コードの上で歌いながらメロディを考えていく際、前述のように、その伴奏となっているコードはあるタイミングで別のコードに展開させるべきで、それがコード進行の流れとなり、リスナーにストーリーを感じさせます

コードを変えるタイミングは曲調によってさまざまで、例えば一つめのコードを一小節(四拍など)鳴らしたのちに次のコードに展開させれば、わかりやすくてスマートな印象を与えることができます。

また、もっと長く、二小節鳴らしたあとにコードを変えると、どっしりして落ち着いた雰囲気が出せます。

活き活きしたムードを演出する為にもっと短い間隔でコードを変えることもできます。

どのタイミングでコードを変えるかはその時々によって自由ですが、メロディを歌いながら、同時にリスナーとしての耳を持って、「ここでコードが変わって欲しい」という感覚を察知してコードチェンジを実施できれば理想的です。

コード進行展開の基本

秩序のあるコード進行を心がける

メロディの発展に合わせてコードを変えていく際、作曲に慣れない段階では、数ある中からやみくもに次なるコードを選んでしまい、それを意図なくつなげて、散漫で伝わりづらい構成を作り上げてしまうことがあります。

コード同士のつながりからストーリーを感じられたり、またコード進行によって感動できるような構成には秩序があって、コード進行の持つ重力をうまく操るほどリスナーにその構成を心地良いと感じさせることができます。

「調=キー」について

現在のポピュラー音楽を含む西洋音楽には「調=キー」という概念があります。

「キー」とは、ある音を中心とした音の集まりのことを指していて、それは大まかに言うと、「ドレミファソラシド」の音の並びのことを意味します。

「ドレミファソラシド」の音を「ド」から順番に聞くと、そこからひとつの統一性が感じられますが、これが「キー」による効果で、曲があるひとつの統一感を維持しながら展開していくためにキーは存在していて、ポピュラー音楽においては、曲の中でキーが維持され、そのキーに沿ってメロディやコードが扱われていきます。

キーの種類

ピアノの鍵盤を見るとわかるように、低い位置にある「ド」から、高い位置にある「ド」の間には、白鍵と黒鍵を合わせて12個の音が存在しています。

キーはこの12音分=12種類存在していて、ポピュラー音楽では「ド,レ,ミ,ファ,ソ,ラ,シ」それぞれを「C,D,E,F,G,A,B」として、「ド」を中心としたキーは「キー=C」、「レ」を中心としたキーは「キー=D」というように呼んで区別します。

ダイアトニックコード

既に述べた通り、コードを次なるものへ展開させていく際に欠かせない「ダイアトニックコード」という概念があります。

コードを変えるときに次なるコードをこのグループ内から選ぶことで、キーを維持したまま、統一感のあるコード進行を作っていくことが出来ます

キー別 ダイアトニックコード一覧

下記は、キー別のダイアトニックコードを一覧にしたものです。


「初心者向け | 作曲超入門(1)」で述べたコード展開の方法は、最初に選んでいたコードをこの一覧でいう「キーの音」として捉え、そのうえで、そのキーのダイアトニックコードを次なるコードの選択肢として活用しています。

ダイアトニックコードの骨組みについて

各ダイアトニックコードの中に七つのコードが存在するのは前述したとおりですが、キーが違ってもそれぞれの骨組みは同じとなります。

上記一覧を見てわかるとおり、二、三、六番目のコードは必ずマイナーであり、一、四、五番目のコードは必ずメジャーになっているなど、すべては共通しています。

これらを整理して、ダイアトニックコードの七つのコードの場所とコードの性質をローマ数字で使って表現すると以下の通りとなります。

ダイアトニックコードのローマ数字での表記

I,IIm,IIIm,IV,V,VIm,VIIm-5
ダイアトニックコードの「一つめのコードはメジャー」「二つめ、三つめののコードはマイナー…」、ということを表しています。

コードが持つ「機能」

安定と不安定

ダイアトニックコードの中でも、一番目(I、キー=CでいうC)のコードは響きに安定感があります

どんな場面でも「I」のコードが鳴ると落ち着いた雰囲気が生まれるため、「I」はコード進行の持つ重力の出発点、または着地点と捉えることができて、コード進行は「I」を中心として展開されていきます

それとは反対に、ダイアトニックコードの中の五番目のコード(V、キー=CでいうG)には不安定な響きがあり、リスナーに「落ち着かない」という印象を与えます

コード進行が展開して着地することを考えると、不安定な響きを持つ「V」のコードはコード進行の終着点として適していません。

また、展開の始まりのコードとしてもあまり適していないといえるでしょう。

「V」のコードは「I」を連想させる

「V」の響きは不安定なため、落ち着きがない雰囲気を感じさせるのと同時に、「落ち着きたい」という感覚をリスナーに呼び起こさせます。

そのため、「V」のコードが鳴ることで、その次に、コードの中でも最も安定した雰囲気を持つ「I」の響きをリスナーに連想させます

これらを考慮すると、「V」のあとに「I」をつなげる「V → I」という構成は、コードの重力を上手く操れていて、リスナーに伝わりやすく、秩序のある構成であるといえます。

下記は、それらを考慮したコード進行の例(キー=C)です。

  • 「C → G → C」(I → V → I)
コード進行の締めくくりの部分にて、「G → C(V → I)」という形が作られています。

コード進行の重力を語るとき、その出発点・着地点となる「I」と、その反対に不安定な雰囲気を持つ「V」、さらにはそれらをつなぎ合わせた「V → I」という構成を理解しているかが鍵となります。

前述の「I → V → I」は、世の中にいくつもある多様なコード進行を最も簡潔に表したものであり、コード進行の原点です。

ストーリーのあるコード進行を作る場合、そのほとんどは、この「I → V → I」を伸ばしたり、複雑にしたり、またあえて避けたり、など、さまざまにアレンジしたものであるといえます。

次の記事は、コード進行によってストーリーを演出する際に欠かせない「各コードの機能」の概念について、です。 → 次の記事「初心者向け | 作曲超入門(4)」