オンラインレッスンやっています

音楽理論 | フラットファイブ

こちらの記事では、コードの種類のひとつである「フラットファイブコード」について解説していきます。

また記事中盤から後半にかけては、その利用方法についてもあわせて解説します。

フラットファイブコードの概要

メジャー/マイナーコードの構成音のうち、5度の音を半音下げたものを「フラットファイブ」コードと呼びます。

「5度」が「半音下がる(フラット)」ので「フラット・ファイブ」です。

コードを表記するうえでは、「-5」や「♭5」を加えて「〇〇-5」のように書いて扱います。

また、ポピュラー音楽においてフラットファイブの形は「セブンスコード」および「マイナーセブンスコード」に利用されることがほとんどです。

下記は、通常の「セブンス」「マイナーセブンス」それぞれのコードとそれをフラットファイブ化したものの構成音の比較です。

構成音の比較

「A7」と「A7-5」

  • A7 = ラ、ド#、ミ、ソ
  • A7-5 = ラ、ド#、ミ♭、ソ

「Am7」と「Am7-5」

  • Am7 = ラ、ド、ミ、ソ
  • Am7-5 = ラ、ド、ミ♭、ソ

上記メジャー・マイナーどちらの場合においても、フラットファイブコードになることで構成音の中の5度の音(この例では「ミ」)が半音下がっています。

マイナーセブンフラットファイブの使用方法

ツーファイブ型

コード進行の中でも「ツーファイブ」の形になっている部分において、そのうちの「IIm」を「IIm7-5」としてフラットファイブコードを活用します。

※「ツーファイブ」の詳細については下記の記事をご参照ください。
音楽理論 | 強進行 下記は「キー=C」におけるツーファイブ「Dm7 → G」において、「Dm7」を「Dm7-5」とした場合のコード進行例です。

  • Dm7-5 → G7 → C(IIm7-5 → V7 → I)
通常の「Dm7(IIm7)」に比べて響きが少し不安定になることで、「G7(V7)」に対する結びつきがより強くなります

これは、「Dm7-5」としたことで構成音に「ソ#」が生まれるためです。

「G7」のルート音「ソ」に向って「ソ#→ソ」という半音下降のラインがつくられることから、「ソ#」の音が「ソ」を連想させるような働きを持ちます。

ツーファイブの形がそもそも強進行の(結びつきが強い)構成でもあるため「フラットファイブはその結びつきをさらに強固にする手法である」とも解釈することができます。

セカンダリードミナントのツーファイブ型

ツーファイブの形は「セカンダリードミナントコード」にも活用されます。

※「セカンダリードミナントコード」の詳細については下記の記事をご参照ください。
音楽理論 | セカンダリードミナントコード 上記の例と同様に、セカンダリードミナントコードにおけるツーファイブにおいてもフラットファイブの概念を導入することができます。

下記は、その構成例です。

  • Em7-5 → A7 → Dm(IIIm7-5 → VI7 → IIm)
  • Bm7-5 → E7 → Am(VIIm7-5 → III7 → VIm)
セカンダリードミナントである「A7(VI7)」や「E7(III7)」に対してツーファイブの形を作り、そこで使用される「仮のIIm7」がフラットファイブの状態で使用されています。

「Dm7(IIm7)」での例と同じように、セカンダリードミナントに対しても半音進行のラインが生まれ、通常の「仮のIIm7」の状態よりも結びつきがより強く感じられるところが特徴です。

サブドミナントマイナーの用法

「IIm7-5」は「IVm」と代理の関係にあるため、「IVm」からの置き換えとして活用されることがあります。

  • Dm7-5 → C(IIm7-5 → I)
この例では、本来「Fm → C(IVm → C)」という構成となるところ、「Fm(IVm)」を「Dm7(IIm7-5)」に置き換えています。

響きや機能は「Fm(IVm)」とほぼ同じで、「Dm7(IIm7)」を使用することで、「D → C」というスムーズなベースラインの流れが生まれています

このように、一般的な代理コードの場合と同じく、ベースラインや前後のコードとの兼ね合いにより、「IVm」からの置き換えとして「IIm7-5」の利用が検討されます。

動画で解説

文章ではよくわからない!」という方のために、下記動画でもフラットファイブコードについて解説しています。

是非参考にしてみてください。

まとめ

下記、フラットファイブコードのまとめです。

  • フラットファイブコードは、セブンスコードとマイナーセブンスコードに利用されることがほとんど
  • マイナーセブンフラットファイブは「ツーファイブ型」と「サブドミナントマイナー型」として主に活用される

積極的にフラットファイブコードを活用することで、その不安定な響きを味わってください。

まずは「ツーファイブ型」でフラットファイブ利用のコツをつかみましょう!
次の記事では、コード進行の特徴的なコードとして活用される「裏コード」の詳細について解説しています。→ 次の記事「音楽理論 | 裏コード」