作曲に興味を持ったものの、
そもそも自分には作曲の才能があるのかな?
と不安になってしまう人も多いはずです。
また、既に作曲を少し始めていて「自分には才能が無いのかも?」と不安になっている人もいるのではないでしょうか。
ここで述べている「作曲の才能」は、本来トレーニングによって身につけることができるもの(※後述)ですが、とはいえ根本的に「向き/不向き」があるのも事実です。
私自身も日頃から作曲の先生としていろいろな人を見てきている中で、それを痛感しています。
このページでは、そんな「作曲の才能(適性)」のようなものを大まかに確認できるよう、いくつかの項目を洗い出してみました。
これに沿って診断を実施すれば、現時点で
- 自分は作曲に向いているか?
- 作曲をこなせる能力が自分に備わっているか?
をある程度把握できるはずです。
診断は10個の質問に「はい/いいえ」で答え、その「はい」の数を数えるだけですので、まずは気楽にやってみてください。
※診断の結果がいまいちでも、作曲の才能は養うことができます。その点についてもページの最後に解説しています。
作曲の才能診断:10個の質問
以下10個の質問に「はい」または「いいえ(そうでもない)」のどちらかで答えて下さい。
その際、「はい」の数を数えておいてください(「はい」の数によって診断結果が変わります)。
- 質問1. 子供の頃から音楽が好きですか?
- 質問2. 日常的に鼻歌をよく歌いますか?
- 質問3. ほぼ毎日30分以上音楽を聴きますか?
- 質問4. パズルを解くのが好き/得意ですか?
- 質問5. データを元に検証したり分析したりすることが好きですか?
- 質問6. ピアノまたはギターが少しでも演奏できますか?
- 質問7. 「おはよう」など、なにげない言葉をメロディにして歌えますか?
- 質問8. 音を重ねる/ハモる、ということの意味や音の雰囲気がイメージできますか?
- 質問9. 音楽に合わせて手拍子ができますか?
- 質問10. 自分が好き、または自分のことを認めていますか?
作曲の才能診断:結果
以下は、診断結果です。
作曲に必要となる感覚がまだそこまで養われていないようです。現時点では、曲を作り上げたり、メロディやハーモニーを生み出すことにも苦労することから作曲を楽しいと思えない可能性も高いです。
作曲に必要な感覚がある程度備わっている状態です。音楽の仕組みが漠然と理解できているため、自分に合ったやり方を見つければ作曲を楽しいと思えて、努力次第では早い段階で納得できるレベルの曲が作れるようになるはずです。
作曲の才能があります。作曲するために必要なあらゆる感覚が現時点で既に身に付いている状態のため、ちょっとしたコツをつかむだけですぐに曲が作れるようになるはずです。楽しすぎて作曲にハマってしまうことも考えられます。
いかがだったでしょうか?
上記で挙げた質問は、すべてが作曲を円滑にこなすために必要となる能力を確認するためのものです。
診断の項目について、以下より詳しく解説します。
10個の質問:意図と解説
質問1. 子供の頃から音楽が好きですか?
この質問は、
- 「音楽とは何か?」を理解しているか否かを問うもの
- 「作曲をするモチベーションを保てるか」を確認するためのもの
です。
作曲は文字通り「音楽を作ること」であるため、それがどのようなものであるかをイメージできないと作業をスムーズに進められません。
もちろん、「音楽とは何か?」を知らない人はほとんどいないはずですが、音楽に馴染みが薄いと自分の中に蓄積されている音楽の情報量が少なく、それを形にしていくことに思いのほか苦労します。
また、「子供のころから音楽が好き」という点は、そのまま「曲を作ってみたい」という意欲につながります。
質問2. 日常的に鼻歌をよく歌いますか?
次の質問は「メロディを思い描くことができるか?」を問うためのものです。
作曲の中心的な作業といえるのがこの「メロディ作り」で、特にポップス・ロック等の作曲においてはそれを歌によって表現していくことが求められます。
「思い浮かんだメロディを歌声にして生み出す」という作業は、
- 頭の中でメロディをイメージする
- それを脳内で(音階やリズムを踏まえて)つなげる
- 歌声として体の外に出す
というような工程を経て行われるものです。
そのために効果があるのが「鼻歌」で、これを日常的にやっている人ほどメロディ作りが上手い傾向にあります。
ここでは「鼻歌」としていますが、それ以外にも「日常的にカラオケに行く」など、より簡単にいえば「普段から歌っているか?」ということがこの質問の要となります。
つまり、この質問に「はい」と答えられる人はメロディ作りをスムーズに進めていける才能を持っている、ということです。
質問3. ほぼ毎日30分以上音楽を聴きますか?
作曲は、自分の中に蓄積された音楽を外に出す作業です。
インプットの量は直接アウトプットの量や質に影響するため、この質問はいわば
日頃からきちんと音楽をインプットしていますか?
ということを確認するものです。
日常的にそれができている人ほど新鮮な音楽が自分の中にたまっている状態で、それを活用してアイディアを曲にしていくことができます。
また、音楽を聴くことは「こんな曲を作ってみたいな」という刺激にもつながるため、この質問は「作曲のモチベーションを保てるか?」という点にもつながります。
「作曲の才能」は、ここまでにいくつか挙げたように「曲作りに対してモチベーション=動機や意欲を持てるか?」ということ、とも言い換えることができます。
質問4. パズルを解くのが好き/得意ですか?
曲を作るという行為には、ある意味で理系的な感覚が求められるものです。
「1+1」が「2」になることを、
理路整然としている=「気持ち良い」
と思えることと同じように、メロディやハーモニー・リズムの組み立てを気持ち良いと思えるか否かは「作曲を楽しいと思えるか」につながります。
ここでの質問はそんな感覚の有無を問うもので、ここで例として挙げた「パズルを楽しみながら解けるような感性」を持ち合わせているほど、抵抗なくすんなりと作曲に取り組むことができます。
質問5. データを元に検証したり分析したりすることが好きですか?
作曲の上達につながるのが「曲を分析できる力」で、これはつまり
- 曲の成り立ちを紐解くことができる
- 成り立ちがわかればそれを自分でも作れるようになる
という流れを生み出せることを意味します。
また、作曲中に自分が生み出したものを分析的な観点から捉え、それがどんな効果を生んだり、前後のメロディ・ハーモニー等にどう影響するかを把握できるほど曲をよりスムーズにまとめていくことができます。
つまり、ここでの「分析することが好きですか?」という質問は、曲の成り立ちを自分から掘り下げて考えることができるかを問うためのものたとえいます。
この「分析が好きかどうか?」は「曲を改善していく力=より良いものを作れる力」につながるもので、それも「作曲の才能」だといえます。
質問6. ピアノまたはギターが少しでも演奏できますか?
作曲を行うにあたり、「楽器が弾けるかどうか」はやはり大きな意味を持ちます。
現在ではPCを使った作曲も一般化していますが、私の見てきた限り楽器の経験がある人ほど作曲を上手にこなせる傾向にあります。
もちろんこの「楽器の演奏技術」は、作曲を始めたあとからでも十分に養えるものです。
上記を踏まえると、この質問は「すぐに作曲に取り掛かれるかどうか?」を問うためのものともいえるでしょう。
質問7. 「おはよう」など、なにげない言葉をメロディにして歌えますか?
これ以降の質問は、作曲の技術面にそのままつながるものです。
まずこの質問はメロディ作りのセンスを問うもので、ここで挙げているように
(仕組みは分からずとも)既になんとなくオリジナルなメロディを生み出せる
ということは、メロディを作る感覚が既に備わっているということを意味します。
これは、より具体的には
- メロディとはどのようなものか
- それを歌って作るとはどのような行為か
が感覚的に理解できているということです。
これは、「作曲の才能」を考えるうえでとても重要です。
質問8. 音を重ねる/ハモる、ということの意味と音の雰囲気がイメージできますか?
次の質問は、作曲における「ハーモニーを作ること」にまつわるものです。
一般的にイメージしやすい「ハモり」のように、音を重ねる感覚、およびそれをつなげていく感覚が理解できている人は、ポップス・ロックの作曲における「コードを展開させていくこと」をなんなく進めていくことができる素質を持っています。
メロディが潜在的に持つハーモニーについて連想できればより望ましいですが、この質問にある「ハモる」という状態がイメージできる人は、その感覚もすんなりと伸ばしていくことができます。
ハーモニーは音楽における「色合い」や「背景」のような役割を持っているため、この質問に「はい」と答えられたひとは、それらをコントロールできるだけの適性を持っていることになります。
質問9. 音楽に合わせて手拍子ができますか?
こちらは「音楽の三要素」の最後のひとつである、リズムについて問う質問です。
ここでの「手拍子ができるか?」という問いは、言い方を変えれば「リズム感があるか?」を意味しています。
特に、作曲でメロディやハーモニーを組み立てていく際には「拍子(拍)」「アクセント」という概念が思いのほか重要になるため、このように基本的なリズム感が無ければやはり作曲そのものが困難なものに感じられてしまいます。
質問10. 自分が好き、または自分のことを認めていますか?
最後の質問は少し哲学的ですが、こちらもまた重要です。
作曲は広い意味での自己表現であり、そこで必要になるのが「自分を肯定する感覚」です。
例えば、せっかく曲を作り始めても
- 自分の作る曲は大したことないな…
- どうせメロディを作ってもありふれたものしか思いつかないし…
というように後ろ向きな感情を持ってしまうと、やはり曲は完成していきません。
ここまでに挙げたように作曲の才能を計る目安にはいくつかの種類があるものの、この
「自分のことを自分で認めてあげる感覚」を持てるか否か
は、作曲を続けたりそれを上達させるために最も重要な条件だといえます。
これは作曲に関わらずすべてのことに通じるものでもありますが、「才能」とはつまるところ、そのような「自己愛」や「自尊心」のようなものが土台になっていると私は考えています。
診断の結果がいまいちだった場合
この診断の結果が現時点で望むようなものではなかった場合、ページ冒頭でも述べた通りそれをトレーニングによって伸ばすことができます。
以下のページでは、その辺りについて詳しく解説しています。
「作曲のセンスがない」は経験値の差|音楽経験を沢山積んで作曲センスを身に付ける 作曲センスを磨く方法(良い曲を作れるようになるための日常的トレーニング)
もちろん、根本的に「音楽がそこまで好きではない」というような場合には作曲を続けることが困難になりますが、恐らく少しでも作曲に興味を持った方は、みな多かれ少なかれ音楽が好きなはずです。
まとめ
もちろん、ここまでに挙げた診断の項目はあくまでも目安にすぎませんが、作曲を始める(続ける)きっかけとして、参考にしてみて欲しいです。
今回の診断を通して「作曲の才能がある」と分かった方は、もうすぐにでも作曲をこなして、早いうちに自分らしい曲を次々と生み出していけるようになるはずです。
その他の人も、基本的に「才能は伸ばすことができるもの」と捉えて、この診断結果に関わらず楽しみながら作曲を上達させてみてください。
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