コード進行パターン集(1)全20パターン シンプル構成からロック・ボサノバ風まで

こちらのページでは、ポップス・ロックなどで使えるおすすめのコード進行を20パターンご紹介していきます。

すぐにでも作曲やバンドセッションなどに活用できるものばかりなので、是非楽器を弾きながらコード進行の響きを味わってみて下さい。

※ご紹介するコード進行は、さまざまな構成を体感するためにあえていろいろなキーを活用しています。

おすすめコード進行

1. ダイアトニックコードのみの構成

(キー=C)

「Dm7 → G7 → Em7 → Am7」

Cダイアトニックコードのみを使った、スタンダードなコード進行です。

「D → G」と「E → A」のそれぞれが強進行になっているため、短いひとつのコード進行の流れの中で、二つの場面が存在するように感じられるところが特徴です。

「Em7」は、セカンダリードミナントの「E7」としても面白そうです。

2. シンプルなコード進行

(キー=E)

「G#m → F#m → E」

ダイアトニックコードのみの構成です。「IIIm(この例では「G#m」)」から始まる構成は比較的少ないもので、メロディが上手く乗せられると新鮮な雰囲気を作り出すことができます。

また、「G#m → F#m(IIIm → IIm)」とつながったり、ドミナントコードを経由せずにそのまま「E(I)」に落ち着いているところも特徴的です。

初期ビートルズの音楽で聴くことができるような響きを持っています。

3. サブドミナントからトニックへの流れ

(キー=G)

「CM7 → Bm7 → Am7,Am7onD → G 」

サブドミナントから始まりトニックに戻るコード進行です。

ベース音が「C」から順次下降することで、聴きやすいラインを作っています。

このようなコード進行を利用して、サビの頭などをトニックではなくあえてサブドミナントによって始めることで、個性的な雰囲気を演出することができます。

4. セカンダリードミナントとベースラインの上昇

(キー=C)

「C → A7onC# → Dm」

セカンダリードミナント「A7(VI7)」を利用した構成です。

転回形により、セカンダリードミナントのベース音を「C#」とすることで、「C(I)」と「Dm(IIm)」の音程を埋めるようにベースラインがつながっています。

このあたりのアレンジは、パッシングディミニッシュの用法に近い観点で扱われます。

5. サブドミナント始まり~ルート下降

(キー=D)

「GM7 → F#m7 → Em7 → DM7」

四和音を活用して、ダイアトニックコード内で「IV」から順番にルートを下げるようにコードを配置しています。

このような、平行移動に似たような構成の場合、ドミナントやサブドミナントなどの機能よりベースラインを優先することもできます。

「I(DM7)」直前にドミナントが無いことによって、落ち着いた雰囲気が生まれていることがわかります。

6. ペダルポイントによるオンコード

(キー=C)

「CM7 → Dm7onC → CM7 → Dm7onC」

スケール内1度の音をベースに保持し続ける、ペダルポイントによるオンコードの構成です。

ここでは「Dm7(IIm7)」の短七度の音「ド」を転回させて、ベース音にすることでペダルポイントの構成を作ることができています。

「C」が鳴り続けるので、どっしりとした雰囲気の響きになるところが特徴です。

7. 「白い恋人達」風コード進行

(キー=G)

「CM7 → Bm7 → E7 → Am7 → D7 → G」

桑田さんの「白い恋人達」風コード進行です。

サブドミナント「CM7(IVM7)」からの展開とセブンスコードの活用によって、お洒落な雰囲気が生まれています。

「E7(VI7)」はセカンダリードミナントとしての用法で、「Am7(IIm7)」に向かうスムーズな流れを作っていることがわかります。

8. 「9th」の活用

(キー=A)

「AM7(9) → B7(9) → Bm7(9) → E7」

テンションである「9th」を活用したコード進行です。

一般的な三和音の構成に比べて、テンションが加わることで音が複雑になって、オシャレな雰囲気が生まれています。

ジャズやボサノバなどで多用されています。

9. 「IIm7onV」の活用

(キー=D)

「DM7 → G → Gm7onC → DM7」

ドミナントセブンスの代理として機能する「IIm7onV」の形を利用して、それを非機能コード的に活用した構成です。

この例での「Gm7onC」は、本来であれば「C(♭VII)」として配置されるところですが、それをさらに上記オンコードで代理しているところに面白さがあります。

「DM7(IM7)」の響きとあわせて、都会的な雰囲気を持っています。

10. セカンダリードミナントコードの活用

(キー=G)

「G → B7 → Em → G7 → C」

セカンダリードミナントコードを二つ活用したコード進行です。

「I7」(この例での「G7」)はセカンダリードミナントコードの中でも比較的利用頻度の低いコードで、サブドミナント「IV」へのつなぎとして使用することで、結びつきの強い流れを演出することができます。

「Em → G7(VIm →I7)」という構成には、耳慣れない響きがあります。

11. ロック的コード進行

(キー=D)

「F → C → B♭ → D7」

トニックをセブンスコードの「D7(I7)」とした、ロック的コード進行です。

トニック以外はすべてノンダイアトニックコードで、同主調「Dm」のダイアトニックコードから借用した「F(♭III)」「B♭(♭VI)」「C(♭VII)」を活用することで、少し影があって、かつ力強い雰囲気を生み出しています。

歯切れのいいサウンドで、豪快に演奏したい魅力があります。

12. ベースライン下降型の構成

(キー=G)

「B♭M7 → Am7 → GM7」

ノンダイアトニックコード「B♭M7(♭IIIM7)」を活用した、ベースライン下降型の構成です。

こちらの例では、ドミナントである「D(V)」関連のコードが登場しないため、トニックへ静かに落ち着く雰囲気を持っています。

また全体的に四和音を利用しながら、ノンダイアトニックコードの構成を、都会的でリッチな響きにまとめています。

13. オーギュメントの活用

(キー=E)

「E → Eaug → AM7 → C♯m7」

オーギュメントを利用して、半音上昇のラインを作ったコード進行です。

「E」の5度音「シ」を半音上昇させて「AM7」の3度音「ド♯」につなげることで、次なるコード展開の足がかりとしているところが特徴です。

最後を「Am7」として、半音変化のラインを継続させる手法もあります。

14. セカンダリードミナントとフラットファイブの併用

(キー=G)

「G → Bm7-5,E7 → Am7」

セカンダリードミナント「E7(VI7)」と、マイナーセブンフラットファイブを利用した構成です。

いくつかあるセカンダリードミナントの中でも「VI7」はやや使いどころが難しいコードですが、それをさらにフラットファイブによってツーファイブ化しているところに面白さがあります。

最後の「Am7(IIm7)」以降は、サブドミナントマイナーや他ノンダイアトニックコードでもうひとつ展開を作るやり方も考えられます。

15. 「Vm7」の活用

(キー=D)

「D → Am7 → G → B♭」

「Am7(Vm7)」を活用した、部分転調的な雰囲気のあるコード進行です。

通常「Vm7」は「I7」へつながることがほとんどですが、ここではそれを省略してシンプルな音使いを優先させています。

ラスト「B♭(♭VI)」はノンダイアトニックコードで、ロック的な力強さを持っています。

16. フラット系ノンダイアトニックコードの活用

(キー=G)

「G → B♭ → C → E♭」

フラット系のノンダイアトニックコードを利用した、ロック的な響きを持ったコード進行です。ここでは「B♭(♭III)」と「E♭(♭VI)」がノンダイアトニックコードになっています。

「♭III」「♭VI」「♭VII」のコードは同主調のマイナーダイアトニックから借用したコードであるため、少しダークな雰囲気を持っているところが特徴です。

各コードがセブンスなどを含まず、三和音のみで鳴らされているところも効果的です。

17. ダブルドミナント「II7」の活用

(キー=C)

「C → Dm7 → D7 → G」

セカンダリードミナントの「D7(II7)」を利用した構成です。

ドミナントセブンスである「G7(V7)」への展開に際して利用できるこのコードは、ドミナントのドミナントであるため「ダブルドミナント」という呼び名で語られることもあります。

「Dm7 → D7(IIm7 → II7)」では、Dルートを保持したままマイナーがメジャーに変形する気持ち良さがあります。「C → Em7 → E7 → Am」なども同じ概念です。

18. セカンダリードミナントのツーファイブ化

(キー=C)

「C → Gm7,C7 → FM7」

セカンダリードミナントコードの「C7(I7)」をツーファイブ化したコード構成です。

「C7(I7)」単体として鳴らすよりも部分転調したような雰囲気が生まれるため、浮遊感を演出することができます。

雰囲気を統一する意味で最後はメジャーセブンスコードとしていますが、このあたりはお好みで三和音の「F(IV)」とすることもできます。

構成音が少なくなるほど、ストレートなサウンドになります。

19. コード内声の変化

(キー=C)

「C → C7 → F → Fm」

シンプルな「C → F(I → IV)」に、内声の変化を加えたコード進行です。

「C7(I7)」は「F(IV)」のセカンダリードミナントであり、かつ変化していく音が「ド → シ♭ → ラ → ラ♭」と下降しているところもポイントです。

変化した内声の音(セブンスやマイナーの音を)をメロディとして上手く活用できると、聴きごたえのある構成に仕上がっていくはずです。

20. ベースラインの上昇

(キー=D)

「DonF# → G → A7 → Bm7」

一般的なダイアトニックコードの構成「I → IV → V7 → VIm」の中に、「F#」から上昇するベースラインを盛り込んでいます。

ここでのトニック「DonF#(IonIII)」は、ベース音の響きによって、トニックでありながら少し不安定な響きを持っているところが特徴です。

テンポの遅い曲などでは、この例のようにベースラインやメロディのカウンターラインに気を配ってコードを構成していくと、主旋律をより際立たせることができます。

補足

以下のページでは、コード進行の実例が掲載された書籍を複数ご紹介しています。
コード進行本のおすすめ7選|コード進行を知りたい・理解したい・作れるようになりたい人のための本をご紹介します。

まとめ

ここまで、おすすめのコード進行を20パターンご紹介しました。

ロックな曲に使えるシンプルな構成が多くなりましたが、そこからはいろいろなメロディが連想できるはずです。

作曲やセッションなどに、是非活用してみて下さい。

これらを元に、コード進行を変形させてみるのも面白いかもしれません。

※続きのページ
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