ダイアトニックコードの覚え方(割り出し方)

コードを使った作曲を行う際に欠かせないのが、「ダイアトニックコード」に関する知識です。 ダイアトニックコードとスリーコード 概要や成り立ち、コードの役割などについて

こちらでは、そんな「ダイアトニックコード」に含まれるいくつかのコードをゼロから割り出すためのアイディアについて解説していきます。

あわせて記事最後では動画による解説も行います。

ダイアトニックコードの成り立ち

ダイアトニックコードはメジャースケールをもとにして成り立っており、ダイアトニックコード内にある七つの音はそのままメジャースケールの音階に沿って並べられています。

そのため、ダイアトニックコードを割り出すためにはまずメジャースケールの音階をイメージすることがポイントとなります。

メジャースケール

メジャースケールとは、平たく言えば「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ(ド)」というピアノの白鍵部分の並び方のことを指す言葉です。

ここで重要なのが、「メジャースケール」とはあくまでも「並び方」である、ということです。

下記は、ピアノの鍵盤とそれを横一列に並べた図です。

この図のように、「ド」から「シ」まで(1オクターブ)には12個の音が存在しています。

ポイントとなるのは「黒鍵も一音として考慮する」という点です。

12音のうちで、例えば「ド」と「レ」の間には弾いていない音(「ド♯」の黒鍵)が一音あり、また反面で「ミ」と「ファ」などは隣り合っていることがわかります。

下記の図のように、「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ」のスタート地点である一番目の音(I)から七番目の音(VII)まで、時には隣の音を飛ばしたり、時には隣の音を弾いたりしながら、「12音の中からピアノ白鍵の並び方に沿って七つの音を選択した状態」がメジャースケールである、と言い換えることができます。

メジャースケール解説ページ
メジャースケールの内容とその覚え方、割り出し方、なぜ必要なのか?について

ダイアトニックコードのルール

ダイアトニックコードは、メジャースケールに「七つの音」があったのと同じく「七つのコード」をもとに成り立っており、「何番目のコードであるか」によってコードの「メジャー・マイナー」等が決まっています。

下記は、「Cダイアトニックコード」の例です。

【Cダイアトニックコード】
「C, Dm, Em, F, G, Am, Bm-5」

これを、前述のメジャースケールの並び方と同様に「何番目のコードであるか」ということを指すローマ数字で置き換えると下記のようになります。

「I, IIm, IIIm, IV, V, VIm, VIIm-5」

上記の通り、これは例えば「一番目のコードはメジャー」「二番目のコードはマイナー」であるということを指しており、キーが変わってもこの法則は変わらずそのまま維持されます

ダイアトニックコードの割り出し方実践

まず、ダイアトニックコードを割り出すためには、「鍵盤」を「並び方」に当てはめるようにして、そのキーのメジャースケールを割り出します。

メジャースケールの割り出し方例(キー=D)

ここでは、例として「キー=D」のメジャースケールを割り出すため、まず一番目の音は「D」として確定することができます。

そのうえで、前述のとおり「鍵盤」を「並び方」に当てはめる感覚で音を確定させていきます。

具体的には、メジャースケールの「I」を「D」としたうえで、「『II』は何か?」「『III』は何か?」というようなことを考えていきます。

下記はこの例における「II」「III」の音を確定させる際の考え方です。

「キー=D」の「II」を考える

  1. メジャースケールの「並び方」を見ると、「I」の二音先に「II」がある。
  2. 鍵盤でいう「D」の二音先の音は「E」であることがわかる(黒鍵をひとつ挟む)。
  3. 「I」が「D」であるとすれば、「II」は「E」である、ということがわかる。

「キー=D」の「III」を考える

  1. メジャースケールの「並び方」を見ると、「II」の二音先に「III」がある。
  2. 前述の通り、「II」は「E」であるため、鍵盤でいう「E」の二音先の音は「F#」であることがわかる(隣にある白鍵「F」をひとつ飛ばして、その隣の黒鍵が対象となる)。
  3. 「II」が「E」であるとすれば、「III」は「F#」である、ということがわかる。

これらの作業を「VII」まで行うことで、「キー=D」のメジャースケールを下記の通り割り出すことができます。

メジャースケールをダイアトニックコードに変換

前述の手順を経て割り出すことができた「キー=D」のメジャースケールをもとにして、前述のルールに従いコードを作ります。

ダイアトニックコードのルール
「I, IIm, IIIm, IV, V, VIm, VIIm-5」

これを「キー=D」のメジャースケールに割り当てたものが下記です。

「D, Em, F#m, G, A, Bm, C#m-5」

ここまでを通して、上記の通り「キー=D」のダイアトニックコードを割り出すことができました。

動画で解説

文章ではよくわからない!」という方のために、下記動画でもダイアトニックコードの覚え方(割り出し方)について解説しています。

是非参考にしてみてください。

まとめ

下記、ダイアトニックコードの覚え方(割り出し方)のまとめです。

  • 鍵盤の「ドレミファソラシド」部分をもとに、メジャースケールの並び方を覚える
  • ダイアトニックコード内の七つのコードのルール(メジャー・マイナー)を覚える
  • 「鍵盤」を「並び方」に当てはめるようにして、まずそのキーのメジャースケールを割り出す
  • 割り出したメジャースケールをもとにして、ルールに沿ってコードを作ることでダイアトニックコードを割り出すことができる

この手順に沿ってゼロからコードを割り出すことで、ダイアトニックコードやメジャースケールについての理解が深まっていくはずです。

ダイアトニックコードを考える際には、頭の中にメジャースケールの並び方をイメージすることが大切です

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