こちらのページでは、作曲を行うにあたり「作る曲をイメージする方法」と「曲をそのイメージの通りに仕上げるための方法」について解説していきます。
目次
作る曲をイメージする方法
作曲を行うにあたり、理想とする曲に仕上げるためには行き当たりばったりで作業を進めるのではなく「これからどのような曲を作るか」を事前にイメージすることが求められます。
音楽を沢山聴くことが大切
そもそも「こんな曲を作ってみたい」とイメージできるか否かは、日常的に音楽を沢山聴いているか、という点と密接につながっています。
これは簡単に言えば、沢山インプットしているほど沢山アウトプットできる、ということです。
例えば「あのアーティストのあんな感じの曲を作りたい」という発想は、音楽を幅広く沢山聴くほど柔軟に行うことができます。
また「激しいロックを作ろう」とか「ジャズっぽい曲を作ろう」という希望も、そもそもそのような音楽に触れていなければ頭に浮かぶことすらないはずです。
そのような理由から、もし現在「こんな曲を作ってみたい」というイメージがいまいち持てない場合にはその点を振り返ってみて下さい。
音楽を沢山聴けば、「作りたい曲をイメージする」というスタート地点にまずは立つことができるはずです。
イメージを曲調として整理する
「こんな曲」というイメージを少しでも持つことができたら、次にそれを曲調として捉えることで作業が進めやすくなります。
曲調について
曲には「曲調」という概念があり、多くの場合それは「曲がどのような雰囲気を持っているか」ということを指します。
曲調の種類や例(音楽の種類にも通じるジャンル的曲調の分類・情緒的曲調など)
曲調についての詳しい解説は上記ページに記載した通りで、要約すれば曲調(=曲のイメージ)は「情緒的なもの」と「音楽ジャンル的なもの」に分かれる、ということです。
情緒的なイメージ
例えば「明るい雰囲気のある曲を作ってみたい」というイメージは情緒的なものです。
その他にも「激しい」や「カッコイイ」というようなものもこちらに含まれます。
「こんな曲を作ってみたい」とぼんやりイメージする場合、多くの人はこちらを連想するのではないでしょうか。
音楽ジャンル的なイメージ
前述した通り「ロック」や「ジャズ」など、音楽ジャンルによっても曲のイメージを分類することができます。
音楽ジャンルとは少し種類が異なりますが、「卒業シーズンの桜ソング」とか「90年代ブリティッシュロック風」というような、特定の時期やエリアを連想させるものも含みます。
曲調の定義は人それぞれ
上記の記事でも記載していますが、曲調の定義は人それぞれです。
これは、例えばある人にとっては「にぎやか」だと感じられる曲調がある人にとっては「うるさい」という印象になることもある、ということです。
同様に「ロック」だと感じられる曲が、人によっては「ポップス」だと感じられることなどもあります。
これらを踏まえると、曲調(=曲のイメージ)の定義に正解はなく、自分なりの尺度を持つことが大切だということがわかります。
曲をイメージした通りに仕上げるための方法
ここまで述べた内容を通して、ある程度の曲イメージを持ち、それらを情緒的・音楽ジャンル的に曲調として分類することができたら、実際にそれを作曲していきます。
ポイントとなるのは「曲調を形作る要素を明確にして、それを作っていくようにする」ということです。
曲の要素を明確にする
例えば「元気な曲」というイメージを持って作曲に取り組んでいくとした場合、「『元気な曲』とはそもそもどのような要素を持っているか」ということを明らかにします。
以下は、一般的に「元気な曲」の要素として考えられるものです。
- シンプルなメロディのリズム
- シンプルな音遣い
- シンプルなコードの種類・響き
- 軽快なテンポ
- わかりやすい構成 など
既に述べた通りこれらの定義も人それぞれとなりますが、自分なりの尺度によってこれらを言葉としてはっきりとリストアップします。
曲の要素を構成に落とし込む
そのうえで、それらの要素を実際の曲構成に落とし込むことでさらに作るべきものが明確になります。
上記を曲構成につなげたものが下記です。
- シンプルなメロディのリズム→音符をなるべく細かくしない(伸ばす音を増やす)、メロディの形をあれこれと盛り込まない
- シンプルなメロディの音遣い→音階を狭くする、音の跳躍を少なくする
- シンプルなコードの種類・響き→そのキーの音のみを使う(ダイアトニックコードのみを活用する)
- 軽快なテンポ→バラードのようなゆったりしたものにしない、飛び跳ねるようなリズムもあり
- わかりやすい構成→「Aメロ」「Bメロ」のようにブロック展開が明確な構成にする
これらを通して、実際にどのような方針でメロディ・コード・リズムを構築していくべきが明らかになります。
方針をもとに作曲を進める
ここまでが済んだら、あとはその方針をもとに作曲を進めていくだけです。
この例では「飛び跳ねるようなリズム」を導入して、「音階を狭くする」ということを意識しながらメロディが連想されます。
またメロディの持つリズムは細かくせず「なるべく音を伸ばすように作ろう」という発想になりますし、そこで扱われるコードはそのキーの中にあるものになるはずです。
これらの元になっているのは「元気な曲」という当初持っていたイメージであり、これらの構成に沿って忠実に曲を作ることで、イメージ通りの曲が仕上がっていくことになります。
まとめ
ここまで「作る曲をイメージする方法」と「曲をそのイメージの通りに仕上げるための方法」について解説してきました。
まとめると下記の通りとなります。
- そもそも作りたい曲をイメージするためには日常的に音楽を沢山聴いておくことが大切。
- イメージを情緒的・音楽ジャンル的曲調に落とし込んで整理する。
- 曲調を形成するメロディ・コード・リズム等による要素を明らかにする。
- これらの要素を曲構成につなげて、その方針をもとに作曲を進める。
これらの手順をしっかりと踏めば、自分の理想とする曲をしっかりとイメージして、かつそれを実際に作り上げることができるはずです。
もちろん、作曲に慣れないうちはメロディやコードを繋げていくこと自体を難しいと感じるため、作業がはかどらないことも考えられます。
それでも何曲か繰り返し作曲を続けていくことで次第に意図した通りに曲を仕上げていくコツがつかめるようになるはずです。
是非これらを参考に、イメージ通りで自慢できる作品を作り上げてみて下さい。
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